昨日の続きです。コメントが長くなったので、補足修正してエントリーにも格上げします。題をつければマー、こういうものかな。
「こういう世の中は来ないものでしょうか?」
【 続きです (文科系)
2011-08-08 17:46:38
上のエントリーの続きというか、解説というか、これをやった方が良いと思いました。自分自身の復習、頭の整理を第一の目的として。
会社でも、短期中期長期の方針があります。経済・財政理論はもっとそうでしょう。その中で、「需要サイドか供給サイドか」という議論は、資本主義数百年の歴史を持った難問だったはずです。100年に一度ほどの、こんな恐慌的危機の時こそ、ちょっとこの問題の歴史を振り返ってみる必要があると思い立ちました。
①イギリスで最初に起こった資本主義では、完全に供給側の良いようにされていました。14時間労働とか、大人の男1人分の金で子どもを何人も使った方が「合理的で」安いことになるとかの事象が野放しで起こりました。資本主義勃興期にはそれに備えた法律など存在しないからです。「制度が現実の後追いになるのは、常に歴史の必然」です。
②やがて工場労働への規制法が始まりました。労働者、一般消費者の社会的保護と言えます。それだけ有効需要が増えていったということですが、それでも、19世紀は10年に一度の恐慌を繰り返していたと言われています。原因が常に、本質的な有効需要不足の局面が到来することにあったのは、今では明きらかなことでしょう。
③おりしも社会主義思想が勃興し、救貧ではなく権利としての社会福祉の概念も世界、国家に定着していきました。他方には、独占資本による帝国主義国の好ましからざる戦争現象なども生まれていました。
これらの現実を踏まえて資本主義国家にもさらに新たな制度が必要になったわけでした。そこに生まれてきたのが、ケインズ財政理論だったと思います。有効需要の創出と、社会福祉の増進に眼目があったと言われています。
④さてやがて、このケインズ理論を、「大きな国家」が「主権者の自覚」を阻み、国家がどんどん大きくなるだけのものとして退ける論調が、生まれてきました。同じような現象が存在した社会主義国家が衰退、破綻したことも、こういう論議に輪を掛けてきたと思います。これがサッチャリズム、レーガノミックス、今の新自由主義サプライサイド経済学の隆盛だったのだと思います。
以上の文脈からして、現行の株主資本主義、株価資本主義の本質的欠陥はこうだと言われてきました。企業に無理な合理化を押し付けて、失業者を多く生み出す。封建国家の金持ちの金も含めて世界の金を集め切ってしまうので、自立が上手く行かない国を放置し、新たに生み出しもする。一般に、金融が現物経済を破壊する局面、側面が存在する。これらすべてが有効需要を減らすという意味で、世界、社会を大きく狂わせていく。マネーゲームが膨らみ、それがやがては必ず破綻を来たし、多額の国家救済資金がいる。アメリカの産軍複合体を先頭に、巨大な無駄遣いも多い。
これらすべてが、巨大な国際金融資本によって引き起こされるものであって、各国政府はこれへの対策に困り果て、それに追いつく「世界的制度」が必要なのだが、それがどこにも存在しない時代だと言える。巨大金融資本に対して何かをしようとすると、世界が一致してやらなければならない。がこれを、巨大資本の牙城であるアメリカが、常に妨害していると思われる。
最後に、こんな当たり前の需給関係を体現した世界、世の中は訪れないものでしょうか。そんなはずはないと考えるのですが。
自立できない国には、どんどんインフラを作って職を増やしてあげる。世界の先進国も含めて、働きたい人はみんな働ける。中でも、上昇志向が強く、勤勉を厭わず、隣人に配慮ある日本人のような人は、給料が増えて、豊かになっていく。こういう全てにものを売って、企業も成長し、豊かになる。するとさらに、そこの構成員が又、豊かになっていく。こういう人々が出すから増えていく税金で、国家財政も潤い、安心できる医療、老後、社会福祉、教育が存在する。
こういう当たり前の世界、社会が何故できないのでしょうか。そもそもなにゆえ、低開発国は自立できず、失業者は増えていくのでしょうか。こういう社会に向けて国際金融資本が最大の妨害者でしかないとすれば、これと組むのは、犯罪的行為と言えないでしょうか。意識的と無意識的とを問わず、実質これと能動的に組むことになる行為のことです。】
「こういう世の中は来ないものでしょうか?」
【 続きです (文科系)
2011-08-08 17:46:38
上のエントリーの続きというか、解説というか、これをやった方が良いと思いました。自分自身の復習、頭の整理を第一の目的として。
会社でも、短期中期長期の方針があります。経済・財政理論はもっとそうでしょう。その中で、「需要サイドか供給サイドか」という議論は、資本主義数百年の歴史を持った難問だったはずです。100年に一度ほどの、こんな恐慌的危機の時こそ、ちょっとこの問題の歴史を振り返ってみる必要があると思い立ちました。
①イギリスで最初に起こった資本主義では、完全に供給側の良いようにされていました。14時間労働とか、大人の男1人分の金で子どもを何人も使った方が「合理的で」安いことになるとかの事象が野放しで起こりました。資本主義勃興期にはそれに備えた法律など存在しないからです。「制度が現実の後追いになるのは、常に歴史の必然」です。
②やがて工場労働への規制法が始まりました。労働者、一般消費者の社会的保護と言えます。それだけ有効需要が増えていったということですが、それでも、19世紀は10年に一度の恐慌を繰り返していたと言われています。原因が常に、本質的な有効需要不足の局面が到来することにあったのは、今では明きらかなことでしょう。
③おりしも社会主義思想が勃興し、救貧ではなく権利としての社会福祉の概念も世界、国家に定着していきました。他方には、独占資本による帝国主義国の好ましからざる戦争現象なども生まれていました。
これらの現実を踏まえて資本主義国家にもさらに新たな制度が必要になったわけでした。そこに生まれてきたのが、ケインズ財政理論だったと思います。有効需要の創出と、社会福祉の増進に眼目があったと言われています。
④さてやがて、このケインズ理論を、「大きな国家」が「主権者の自覚」を阻み、国家がどんどん大きくなるだけのものとして退ける論調が、生まれてきました。同じような現象が存在した社会主義国家が衰退、破綻したことも、こういう論議に輪を掛けてきたと思います。これがサッチャリズム、レーガノミックス、今の新自由主義サプライサイド経済学の隆盛だったのだと思います。
以上の文脈からして、現行の株主資本主義、株価資本主義の本質的欠陥はこうだと言われてきました。企業に無理な合理化を押し付けて、失業者を多く生み出す。封建国家の金持ちの金も含めて世界の金を集め切ってしまうので、自立が上手く行かない国を放置し、新たに生み出しもする。一般に、金融が現物経済を破壊する局面、側面が存在する。これらすべてが有効需要を減らすという意味で、世界、社会を大きく狂わせていく。マネーゲームが膨らみ、それがやがては必ず破綻を来たし、多額の国家救済資金がいる。アメリカの産軍複合体を先頭に、巨大な無駄遣いも多い。
これらすべてが、巨大な国際金融資本によって引き起こされるものであって、各国政府はこれへの対策に困り果て、それに追いつく「世界的制度」が必要なのだが、それがどこにも存在しない時代だと言える。巨大金融資本に対して何かをしようとすると、世界が一致してやらなければならない。がこれを、巨大資本の牙城であるアメリカが、常に妨害していると思われる。
最後に、こんな当たり前の需給関係を体現した世界、世の中は訪れないものでしょうか。そんなはずはないと考えるのですが。
自立できない国には、どんどんインフラを作って職を増やしてあげる。世界の先進国も含めて、働きたい人はみんな働ける。中でも、上昇志向が強く、勤勉を厭わず、隣人に配慮ある日本人のような人は、給料が増えて、豊かになっていく。こういう全てにものを売って、企業も成長し、豊かになる。するとさらに、そこの構成員が又、豊かになっていく。こういう人々が出すから増えていく税金で、国家財政も潤い、安心できる医療、老後、社会福祉、教育が存在する。
こういう当たり前の世界、社会が何故できないのでしょうか。そもそもなにゆえ、低開発国は自立できず、失業者は増えていくのでしょうか。こういう社会に向けて国際金融資本が最大の妨害者でしかないとすれば、これと組むのは、犯罪的行為と言えないでしょうか。意識的と無意識的とを問わず、実質これと能動的に組むことになる行為のことです。】