誰がどこから見ても、日本の圧勝でした! 世界28位の国が相手だったとは、到底思えないゲーム。こんな圧勝だとまた、こんなクサシが(野球ジャーナリズムから)聞こえてきそう。
「韓国は、八百長事件でメンバーが落ちていたし、パクチソンもいなかったし、調子が最悪だったのだよ。ディフェンダーが早めに故障したしね」
こういう見方はさて、「サッカー大国事大主義」そのものなのであって、全く見当外れと最初に申しあげておきましょう。日本が、急に強くなったと観るべきです。現に、韓国はボールの後追いばかり。ここに、日本の早めのパス回しや常に複数のパス受け走りやが優れていたという正解が、見えるのです。以下はその証明。
日本はちょっと前も世界2位のオランダ相手にも3位のドイツ相手にも、最近では10位のアルゼンチン相手にも良いゲームをしています。何故か。
技術と走力、組織性は世界一流のスペインに近いのに、当り弱いことだけが玉に瑕だった。これが、持前のパス戦術を乱し、格下だけど激しく当たる韓国やオーストラリアに弱い原因だったのですね。この弱点が、南アWC前のイギリス戦辺りから自覚され始め、アジアカップを経験して飛躍的に克服されたのです。欧州の大男を体験して、これを怖がらない選手も増えたのだし。あんなに小さい長友が、元からあったスピード、持久走力にプラスして、体幹の強さを若くして身につけただけで、瞬く間にインテルのレギュラーを張れたというのも、その証拠。現にこの長友、走力と体幹力以外は日本で見るべきものはなかった選手。大学以外どんな年齢段階の代表にも選ばれていないのです。つまり日本選手はすべからく、長友を習って当り強くすべきだったのだ。他は全部備えるよう、教育されているのだから。
なお、普通場面の当り強さにはタッパはほとんど無関係です。体幹が強いチビに対して、腰高ノッポは実は対応しにくいのだと思います。低く当たられると体勢が崩れてしまうのだ。身体ごと持って行こうとすると、素早さで交わされるし。ただしこのことは、ゴール前では通用しません。ヘディングの競り合いには、体重のないチビは、絶対的なハンディがある。
以上の集大成がこのゲームなのだ。球際で全て競り勝っていた。このことだけでも、こんな日韓戦見たことないですよね。パスがあれだけ鮮やかに繋がったのも、この当り強さが原因。その結果がこれ。コーナーキックの数も、それらしいシュート数も圧倒的。後半の韓国は疲れ切っていた。カウンターから、入れて当然のシュートが入らなかったのは、そのせいです。
このゲームはFIFAの点数評価に入るAマッチだから、もう世界10位は間近ですよ。8月(24日)の世界順位発表が楽しみになっています。スペインでも、韓国相手にはこんなゲームができるかどうか、ですからね。それほどに今日の日本は、好調時のスペインを思い出させました。
日ごろあれほど自信に満ちているチョ・ガンレ監督の、ゲーム中のあの情けなさそうな顔! 日本の力強さと、それがもたらした余裕、パス力発揮が、それほどにショックだったのでしょうね。