新潮社刊「暴露 スノーデンが私に託したファイル」を読んだ。この5月13日に第一刷が出て、30日には第3刷というベストセラー。本屋さんにも山積みだった。この第3刷を一昨日買ってきて、昨日までにはこの400ページ近くをあらかた読んでしまった。エドワード・スノーデン、言うまでもなくアメリカ情報組織の大々的な違法情報収集活動を世界に次々と暴露して、去年世界を深閑とさせた人物である。当時最も世を騒がせたことに、こんなニュースがあった。ドイツのメルケル首相の携帯電話さえ、アメリカ情報部に筒抜けだったのである。この件では、メルケル自身がオバマ大統領に面接して抗議を申し入れている。
このスノーデン、経歴が凄い。高校中退でありながら21才にしてCIA(アメリカ中央情報局)のテクニカルエキスパートになり、NSA(アメリカ国家安全保障局)元シニアアドバイザー、DIA(国防情報局)の講師という職歴を持っている。専門はサイバー防諜であり、CIAとNSA両方の上級サイバー工作員の資格をも有するこの人物が、去年の6月に著者と香港のホテルで会ったときは、まだ29才。若くないと務まらない仕事とは聞いていたが、それにしても。極めて頭脳明晰で有能な、かつ正義感に溢れた人物であることもまた、著者が繰り返しているところだ。
この本の主内容は、スノーデンが職業上関わった大量の情報をある2人の人物を通してだけ世に告発するに至ったその経過である。この2人の一方が、得意分野を憲法と市民権としていた元弁護士で、今はアメリカ政府を見張るような仕事で知られているジャーナリスト・グレン・グリーンウォルド、この本の著者だ。書中にも再三出てくるが、スノーデンの告発動機は、アメリカ政府がこんな大々的盗聴をやって良いのか悪いのか、これは国民が判断すべきことだろうというものである。全く世の話題にもならず、自分だけが捕らえられて終身刑か闇に葬られるかと、そんな事態こそ彼が最も恐れていたことだとも明かされていた。
本書のまず初め第1章であるが、2人の香港での出会いまでに数か月という長い時間と手間を要し、なかなかスノーデン(という名前)が出てこないのである。相手は初め、全くのペンネームで何回も著者と連絡を取ろうとしてきた。「あなたのコンピューターにこういうシークレットソフトを入れてください」。容易に実名を明かせないし、電話はもちろん著者が持っているような普通のコンピューターやメールもネットも使えないと知り抜いているからである。その要請を著者が長い間外って置いたので、今度はこういうことになる。そんなシークレットソフトを搭載したコンピューターを持っている1人の女性ジャーナリストを通して、彼女と2人で名も知らぬ香港の人物に会いに行くことに。その搭乗時に初めて知ったのが、エドワード・スノーデンという名前とその経歴であった。なお、何ヶ月もペンネームで連絡を取りたいといってきた人物が実はスノーデンだったとは、かなり後になって知ったこととあった。
ここまでに本書の第1章50ページすべてが費やされている。
第2章では、初対面の「証人尋問」が延々と続くのだが、ここがまずとにかく面白い。「このスノーデンって信用できるのか。動機などもよほどきちんと聞き取らなければいけない」、「俺自身が政府の罠に引っかけられるのではないか」などなどと恐れる心境さえ、この著者にあったのではないか。
(続く)
このスノーデン、経歴が凄い。高校中退でありながら21才にしてCIA(アメリカ中央情報局)のテクニカルエキスパートになり、NSA(アメリカ国家安全保障局)元シニアアドバイザー、DIA(国防情報局)の講師という職歴を持っている。専門はサイバー防諜であり、CIAとNSA両方の上級サイバー工作員の資格をも有するこの人物が、去年の6月に著者と香港のホテルで会ったときは、まだ29才。若くないと務まらない仕事とは聞いていたが、それにしても。極めて頭脳明晰で有能な、かつ正義感に溢れた人物であることもまた、著者が繰り返しているところだ。
この本の主内容は、スノーデンが職業上関わった大量の情報をある2人の人物を通してだけ世に告発するに至ったその経過である。この2人の一方が、得意分野を憲法と市民権としていた元弁護士で、今はアメリカ政府を見張るような仕事で知られているジャーナリスト・グレン・グリーンウォルド、この本の著者だ。書中にも再三出てくるが、スノーデンの告発動機は、アメリカ政府がこんな大々的盗聴をやって良いのか悪いのか、これは国民が判断すべきことだろうというものである。全く世の話題にもならず、自分だけが捕らえられて終身刑か闇に葬られるかと、そんな事態こそ彼が最も恐れていたことだとも明かされていた。
本書のまず初め第1章であるが、2人の香港での出会いまでに数か月という長い時間と手間を要し、なかなかスノーデン(という名前)が出てこないのである。相手は初め、全くのペンネームで何回も著者と連絡を取ろうとしてきた。「あなたのコンピューターにこういうシークレットソフトを入れてください」。容易に実名を明かせないし、電話はもちろん著者が持っているような普通のコンピューターやメールもネットも使えないと知り抜いているからである。その要請を著者が長い間外って置いたので、今度はこういうことになる。そんなシークレットソフトを搭載したコンピューターを持っている1人の女性ジャーナリストを通して、彼女と2人で名も知らぬ香港の人物に会いに行くことに。その搭乗時に初めて知ったのが、エドワード・スノーデンという名前とその経歴であった。なお、何ヶ月もペンネームで連絡を取りたいといってきた人物が実はスノーデンだったとは、かなり後になって知ったこととあった。
ここまでに本書の第1章50ページすべてが費やされている。
第2章では、初対面の「証人尋問」が延々と続くのだが、ここがまずとにかく面白い。「このスノーデンって信用できるのか。動機などもよほどきちんと聞き取らなければいけない」、「俺自身が政府の罠に引っかけられるのではないか」などなどと恐れる心境さえ、この著者にあったのではないか。
(続く)