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ザックジャパン(164) DFライン上げ、遠藤の実践と言葉  文科系

2014年06月17日 14時39分11秒 | スポーツ
 昨年11月オランダ戦以降の最近好調だった5連戦、4連勝とコートジボアール戦不出来との、なんと大きなギャップ! これをどうしても分析し切らずには、ギリシャ戦は闘えないだろう。この日本4連勝の中には6月3日の対コスタリカ3対1勝利もあって、この相手コスタリカは本番で強豪ウルグァイを撃破したばかりだ。D組でビリ予想チームがトップ予想チームを破った快挙は15日の第162に報告した通りだ。このコスタリカにあやかるべきは、敗戦からこそ日本も学ぶべきということだろう。

 さて、この好調5連戦の前2戦、2対2と挽回したオランダ戦、3対2勝利のベルギー戦はヨーロッパ中を沸かせ、現代表にとって刺激的この上ない戦いだった。後半出場して形勢を変えたと言える遠藤の言葉を聞いてみるべきだ。ナンバー849号から取った物である。
『オランダ戦は、全体的に後ろに下がりすぎだった。もう少し我慢して相手の前に立って守備をすれば、相手もバックパスや横パスしか出せなくなる。そしたら前にラインを上げられる。だから俺が出た時は、前戦と最終ラインの間の中途半端な位置にポジションを取った。居残る感じでボランチとしてはリスキーなプレーだけど、俺が前にいることで相手も簡単に前に出られなくなっていたし、逆に日本はラインを10mぐらい前に上げられた。オランダ戦はそれが有効だった。
 ベルギー戦の前半は、ハセと蛍がずっとフリーだった。だから後半は、自分がボールをもらう位置にセンターバックを行かせて、俺がひとつ前に出て、圭佑をさらに前に押し出すようにした。俺の位置が高かったのはそのせいで、これがうまくハマった』(47ページ)

 さて、コートジボアール戦後半のザックも、上記2戦の「遠藤の再現」を、この教訓を夢見たのは間違いない。「DFラインを上げるためには、中盤も上がって、敵パスを押さえねばならない」。今回はどうしてこれが成功しなかったか。ここが最大問題である。

正解はおそらくここだ。中央が下がらなくとも、どちらかのサイドで押し込まれ始めることがある。このゲームでは日本左サイドで負けはじめたから、DFラインがずるずると下がり始めた。左サイドに良いパスを通されるから、DFラインが我慢しきれなくなったのである。事実、左サイドに深いパスを通されて、そこから速いクロスで2失点という結末になった。

『もう少し我慢して』
『俺が前にいることで相手も簡単に前に出られなくなっていた』
 香川・長友は、この遠藤の言葉のように出来なかったのだろうか。そして、左が押し込まれるなら、右で押し返すことは出来なかったのだろうか。前後半とも、内田は良く攻めて、敢闘していたように見えたが・・・・。いずれにしても、両軍拮抗していて人数掛けた中央攻撃などは思いも寄らぬ接戦だったのだから、両サイドとも攻められなかったら敗戦は時間の問題という情勢ではなかったか。この闘いを前にしたら、最近の3連勝などは中央攻撃などを連発したりして、ずい分安易に勝っていたという印象さえ抱くのだ。ここでも何か大きいギャップを感ずる。人数掛けた中央攻撃と、両サイドさえ上がれない押し込まれ方!

「人数掛けた中央攻撃など、特に前半は使えない。どちらかのサイドから執拗に攻め、崩し、逆サイドでの抜け出し得点に結び付ける」これが僕の提起だった。日本には、ドイツ代表のエース、トーマス・ミュラー(バイエルンミュンヘン、13得点ランク11位)よりも今シーズン2点も多く点を取った岡崎慎司(15得点7位)がいる。全ドイツSBのなかで1対1の戦勝率第2位という内田もいるではないか。今期実績では、問題なく日本右サイドの方が素晴らしい成績であると、改めて強調したい。右から崩して香川で得点などと、もっともっと自信を持って良いはずだ。謙虚に、しかしちょっと怖くても我慢強くディシプリンは守って。コロンビアは、コスタリカが勝ったウルグァイよりも低い順位。勝てないわけもないのである。

 最後に、サッカーの名手であるだけでなく分析も名手、名文と見たリトバルスキーが、ナンバー7月17日号でこんなことを語っている。WCに3連続出場、優勝1回という実績からの言葉と読んで欲しい。
『ギリシャの守備陣をこじ開けるには、前線でも数的優位を作ることが重要になる』。こう語った上で、両サイドバックの攻め上がりやポジション交換を提案している。
『(コロンビア戦は)忌憚なく言えば、試合前半は、フラストレーションがたまるだろう。だが個の戦いー球際の強さや、一対一の勝負で絶対に負けないようにしていけば、少しずつ活路は開けてくる。そして試合の終盤、残り20分あたりで勝負をかける。(中略)仮に僕が日本の選手にメッセージを送るとするなら「自分たちは優秀だということを忘れるな」と言いたい』

 
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新聞の片隅に載ったニュースから(152)  大西五郎

2014年06月17日 13時23分31秒 | Weblog
解釈改憲反対 超党派215人連携 地方議員ネット設立 (14.6.16 中日新聞)

 憲法解釈変更による集団的自衛権の行使容認に反対しようと、二十七都道府県の超党派の地方議員でつくる「自治体議員立憲ネットワーク」の設立総会が十五日、東京都内で開かれた。安倍晋三政権に対抗する政治勢力として、市民と連携して地方から立憲主義と平和を守る方針を確認した。
 北海道から九州までの民主や社民、生活者ネット、緑の党、無所属の都道府県議や区市町村議ら二百十五人が参加。中部六県では長野六人、愛知三人、滋賀二人、岐阜、三重、福井各一人の計十四人が名を連ねた。
 共同代表の角倉邦良群馬県議(民主)は「閣議決定や法改正に歯止めをかけたい」と訴えた。学者でつくる「立憲デモクラシーの会」共同代表の山口二郎法政大教授(政治学)は講演で「集団的自衛権や憲法改正に慎重な国民の思いを代弁する大きな政治勢力が必要。地方議員から反対ののろしを上げてほしい」と期待した。ネットワークは今後、各議会で解釈改憲に反対する決議を目指すほか、来春の統一地方選挙で連携する議員を増やすための政策提言をまとめる。
                           (一部朝日新聞と重なるため省略)

岐阜自民、首相に「待った」 県内全議会に意見書要請(14.6.16 朝日新聞)

 安倍政権が今国会中にも閣議決定を目指す集団的自衛権の行使容認について、自民党岐阜県連が「性急すぎる」として、県内全42市町村議会議長に、慎重な議論を求める意見書を議会で採択するよう要請したことがわかった。県議会でも同様の意見書を採択し、政府へ提出する方針。
 意見書は集団的自衛権について、「議論を否定するものではないが、国防、安全保障の根幹に関わり、国民生活に影響を及ぼす重要な問題」「全国で公聴会を開くなどの方法で、結論を出すべきだ」としている。(以上一面、以下三面)

   統一選へ 公明に配慮か
 岐阜市内で15日にあった同県連女性部が主催するセミナー。あいさつに立った県連幹事長の猫田孝県議は、「党本部や官邸がやっていることがすべて正しいわけではない。性急というか、慎重さに欠ける」と安倍政権を批判。「公明党との関係もぎくしゃくし、統一地方選にも影響する。公明党の票がなかったら危ない議員もいる」と述べた。(以下略)

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 各種世論調査でも解釈改憲による集団的自衛権の行使には反対が多数です。こうした国民の声を無視して“改憲へ前のめり”の安倍首相に対して、学者らによる「立憲デモクラシーの会」が結成されたり、地方議会から“前のめり”にストップをかけようとする動きなどがあちこちに見られるようになりましたが、今度は足元の自民党岐阜県連から「国民の声を聞く慎重な取り組み」を求める動きが顕在化しました。安倍首相はこれらの動きを真摯に受け止めるべきです。

                                       大西 五郎
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