前回11日はこう書いた。アキレス腱痛を管理しながら走っていたが、20日以上痛みが引かないので医者に行った。言われたことは「長引く。少しは走ってもよいが、基本は安静」。この瞬間に最低一週間は走らないと決めて、その後3日から12日まで結局9日間我慢した。その間、アキレス腱ストレッチとかアイシングとかに励んでいた。そして、13日と16日におそるおそる走ってみた。我慢した甲斐があったというもの、ほぼ治っていると分かった。残る痛みも、アキレス腱周囲炎症と言うよりも、運動後の筋肉痛のようなものらしい。
13日には40分かけて4・3キロを、「ほぼ歩いた」。その痛みも2日後にはアイシングで消える程度と分かったので、16日には「ほぼ走ってみた」。45分で5.6キロになった。時速にすれば13日は6.5キロ、14日には7.5キロほどになる。わずか時速1キロの違いだが「ほぼ歩いた」のと「ほぼ走った」のでは大違いだ。それなのに16日は事後もほとんど痛みはない。故障回復末期でこわごわ実験したにも等しい試みが、見事成功したと分かった時は、我ながら嬉しかった。あとは、この1ヶ月にわたって強いられた脚筋力弱化を回復していく努力だけになった。と言っても、日々新たな加齢の中、未体験の実験的鍛錬ゾーンであるのは変わりない。やり過ぎ失敗は回復不能のような泥沼をも招きうるおっかなびっくりの試行錯誤だ。60過ぎて着手し、その諸効能に感じ入ってきたせいもあってランニングに執着してきたからなのだろうが、今の喜びもこのおっかなびっくりの程度も思いの外大きかった。
ランニング直後に芝生に仰向けになり目を閉じてしばし寝そべっていたら、雲が僕の足の方から覆い被さってきて、草の香りを乗せた一陣の風。「…極楽、極楽……」、口をもぐもぐさせつつ喜びに浸って、全力で走っている脚のリズムを思い描いていたものだ。
13日には40分かけて4・3キロを、「ほぼ歩いた」。その痛みも2日後にはアイシングで消える程度と分かったので、16日には「ほぼ走ってみた」。45分で5.6キロになった。時速にすれば13日は6.5キロ、14日には7.5キロほどになる。わずか時速1キロの違いだが「ほぼ歩いた」のと「ほぼ走った」のでは大違いだ。それなのに16日は事後もほとんど痛みはない。故障回復末期でこわごわ実験したにも等しい試みが、見事成功したと分かった時は、我ながら嬉しかった。あとは、この1ヶ月にわたって強いられた脚筋力弱化を回復していく努力だけになった。と言っても、日々新たな加齢の中、未体験の実験的鍛錬ゾーンであるのは変わりない。やり過ぎ失敗は回復不能のような泥沼をも招きうるおっかなびっくりの試行錯誤だ。60過ぎて着手し、その諸効能に感じ入ってきたせいもあってランニングに執着してきたからなのだろうが、今の喜びもこのおっかなびっくりの程度も思いの外大きかった。
ランニング直後に芝生に仰向けになり目を閉じてしばし寝そべっていたら、雲が僕の足の方から覆い被さってきて、草の香りを乗せた一陣の風。「…極楽、極楽……」、口をもぐもぐさせつつ喜びに浸って、全力で走っている脚のリズムを思い描いていたものだ。