河野氏の参考人招致検討の意向 萩生田(自民)総裁特別補佐 (14.6.23 毎日新聞)
自民党の萩生田光一総裁特別補佐は22日のフジテレビの番組で、従軍慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話を検証した政府の報告書が公表されたことを受け、「(河野氏)本人に発言したい気持があるなら、ぜひ国会に出てきてきちんと説明してほしい。当然党として話題になる」と述べ、河野氏の意向を踏まえ参考人招致を検討する考えを示した。日本維新の会は今国会(会期末22日)中の招致を要求したが、自民党は応じなかった。
各国で慰安婦像を設置する動きが出ていることには「報告書を英訳し、世界に発信するツールに使えるのではないか」と語った。
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安倍首相は河野談話については当初見直す考えを持っていましたが、第2次政権では見直すことはしないと表明しました。ところが見直しを唱えていた維新の会の山田宏議員が軍の強制はなかった。河野談話の作成過程を検証すべきだと、談話作成当時の内閣官房副長官の石原信雄氏を衆議院予算委員会に呼んで作成過程について問い質しました。石原氏が「元慰安婦だった人から聞き取りはしたが、その人たちの気持を慮って裏づけはとらなかった」と証言すると、河野談話の作成過程の検証を要求しました。安倍内閣はそれに応える形で「河野談話の見直しはしないが、検証はする」と、元検事総長の但木敬一氏ら5人の委員に検証を依頼しました。
その検討チームが20日に報告書を公表しましたが、それには日韓両政府の間で文言の調整が行なわれたこと。例えば慰安婦の募集者に関して「軍の意向を受けた業者」とする原案を「軍の要請を受けた業者」と訂正した事実などが書かれていたり、慰安婦だった人の証言の裏付け調査は行なわなかったことなどが報告されました。
萩生田氏は報告書が出される前から(3月23日のフジテレビの番組)「(検証で)新しい事実が出てくれば新しい談話を発表すればいい」と見直しがあり得ると主張していました。首相(自民党総裁)や官房長官が「談話の見直しは行なわない」と言っているのに、総裁特別補佐という側近がそれを否定したのです。
そもそも政権の責任者が「見直しは行なわない」と言明しているのに、作成過程の検証を行なう必要はないわけで、口先の言明とは別に、見直しにつなげたいという下心が見えます。首相(党総裁)が言えば大ごとになるので、側近に言わせたというのではないでしょうか。靖国神社参拝でもアメリカが「失望した」と言ったのに対し衛藤晃一首相補佐官が「我々の方が失望した」と云ったり、本田悦朗内閣官房参与が神風特攻隊を賛美して首相の靖国参拝を正当化しました。
河野洋平氏本人は「報告書には私が足すべきものも引くべきものもない。正しくすべて書かれている」と述べ、「(慰安婦は)いろいろな集まり方があったかもしれないが、施設に入ったら軍の命令で働かされた。帰れず、拒否できないなら強制的と見るのが当然だ」と談話への理解を求めました。
大西 五郎
自民党の萩生田光一総裁特別補佐は22日のフジテレビの番組で、従軍慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話を検証した政府の報告書が公表されたことを受け、「(河野氏)本人に発言したい気持があるなら、ぜひ国会に出てきてきちんと説明してほしい。当然党として話題になる」と述べ、河野氏の意向を踏まえ参考人招致を検討する考えを示した。日本維新の会は今国会(会期末22日)中の招致を要求したが、自民党は応じなかった。
各国で慰安婦像を設置する動きが出ていることには「報告書を英訳し、世界に発信するツールに使えるのではないか」と語った。
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安倍首相は河野談話については当初見直す考えを持っていましたが、第2次政権では見直すことはしないと表明しました。ところが見直しを唱えていた維新の会の山田宏議員が軍の強制はなかった。河野談話の作成過程を検証すべきだと、談話作成当時の内閣官房副長官の石原信雄氏を衆議院予算委員会に呼んで作成過程について問い質しました。石原氏が「元慰安婦だった人から聞き取りはしたが、その人たちの気持を慮って裏づけはとらなかった」と証言すると、河野談話の作成過程の検証を要求しました。安倍内閣はそれに応える形で「河野談話の見直しはしないが、検証はする」と、元検事総長の但木敬一氏ら5人の委員に検証を依頼しました。
その検討チームが20日に報告書を公表しましたが、それには日韓両政府の間で文言の調整が行なわれたこと。例えば慰安婦の募集者に関して「軍の意向を受けた業者」とする原案を「軍の要請を受けた業者」と訂正した事実などが書かれていたり、慰安婦だった人の証言の裏付け調査は行なわなかったことなどが報告されました。
萩生田氏は報告書が出される前から(3月23日のフジテレビの番組)「(検証で)新しい事実が出てくれば新しい談話を発表すればいい」と見直しがあり得ると主張していました。首相(自民党総裁)や官房長官が「談話の見直しは行なわない」と言っているのに、総裁特別補佐という側近がそれを否定したのです。
そもそも政権の責任者が「見直しは行なわない」と言明しているのに、作成過程の検証を行なう必要はないわけで、口先の言明とは別に、見直しにつなげたいという下心が見えます。首相(党総裁)が言えば大ごとになるので、側近に言わせたというのではないでしょうか。靖国神社参拝でもアメリカが「失望した」と言ったのに対し衛藤晃一首相補佐官が「我々の方が失望した」と云ったり、本田悦朗内閣官房参与が神風特攻隊を賛美して首相の靖国参拝を正当化しました。
河野洋平氏本人は「報告書には私が足すべきものも引くべきものもない。正しくすべて書かれている」と述べ、「(慰安婦は)いろいろな集まり方があったかもしれないが、施設に入ったら軍の命令で働かされた。帰れず、拒否できないなら強制的と見るのが当然だ」と談話への理解を求めました。
大西 五郎