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新聞の片隅に載ったニュースから(153)    大西五郎

2014年06月23日 18時57分50秒 | Weblog
河野氏の参考人招致検討の意向 萩生田(自民)総裁特別補佐 (14.6.23 毎日新聞)

 自民党の萩生田光一総裁特別補佐は22日のフジテレビの番組で、従軍慰安婦問題に関する河野洋平官房長官談話を検証した政府の報告書が公表されたことを受け、「(河野氏)本人に発言したい気持があるなら、ぜひ国会に出てきてきちんと説明してほしい。当然党として話題になる」と述べ、河野氏の意向を踏まえ参考人招致を検討する考えを示した。日本維新の会は今国会(会期末22日)中の招致を要求したが、自民党は応じなかった。
 各国で慰安婦像を設置する動きが出ていることには「報告書を英訳し、世界に発信するツールに使えるのではないか」と語った。

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 安倍首相は河野談話については当初見直す考えを持っていましたが、第2次政権では見直すことはしないと表明しました。ところが見直しを唱えていた維新の会の山田宏議員が軍の強制はなかった。河野談話の作成過程を検証すべきだと、談話作成当時の内閣官房副長官の石原信雄氏を衆議院予算委員会に呼んで作成過程について問い質しました。石原氏が「元慰安婦だった人から聞き取りはしたが、その人たちの気持を慮って裏づけはとらなかった」と証言すると、河野談話の作成過程の検証を要求しました。安倍内閣はそれに応える形で「河野談話の見直しはしないが、検証はする」と、元検事総長の但木敬一氏ら5人の委員に検証を依頼しました。
 その検討チームが20日に報告書を公表しましたが、それには日韓両政府の間で文言の調整が行なわれたこと。例えば慰安婦の募集者に関して「軍の意向を受けた業者」とする原案を「軍の要請を受けた業者」と訂正した事実などが書かれていたり、慰安婦だった人の証言の裏付け調査は行なわなかったことなどが報告されました。
 萩生田氏は報告書が出される前から(3月23日のフジテレビの番組)「(検証で)新しい事実が出てくれば新しい談話を発表すればいい」と見直しがあり得ると主張していました。首相(自民党総裁)や官房長官が「談話の見直しは行なわない」と言っているのに、総裁特別補佐という側近がそれを否定したのです。
 そもそも政権の責任者が「見直しは行なわない」と言明しているのに、作成過程の検証を行なう必要はないわけで、口先の言明とは別に、見直しにつなげたいという下心が見えます。首相(党総裁)が言えば大ごとになるので、側近に言わせたというのではないでしょうか。靖国神社参拝でもアメリカが「失望した」と言ったのに対し衛藤晃一首相補佐官が「我々の方が失望した」と云ったり、本田悦朗内閣官房参与が神風特攻隊を賛美して首相の靖国参拝を正当化しました。
 河野洋平氏本人は「報告書には私が足すべきものも引くべきものもない。正しくすべて書かれている」と述べ、「(慰安婦は)いろいろな集まり方があったかもしれないが、施設に入ったら軍の命令で働かされた。帰れず、拒否できないなら強制的と見るのが当然だ」と談話への理解を求めました。
                                         大西 五郎
コメント (2)
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随筆 世界サッカーに異変   文科系                 

2014年06月23日 02時14分59秒 | 文芸作品
 また、世界サッカーが激しく流動し始めた。全盛期にあったパスサッカーが勝てなくなって、堅守速攻チームがまたしても台頭して来たようなのである。

 ヨーロッパ各国チャンピオン・クラブらが戦う決勝戦にパスサッカーの強豪が勝ち残れず、アトレティコ・マドリッドという珍しいチームが準優勝して世界を騒がせた。この略称アレッティは、典型的な堅守速攻のカウンターチーム。と観ていたら今度は、このワールドカップで目を見張る出来事が続く。南ア大会優勝チームにしてパスサッカーの雄スペインが一次予選敗退と決まったのだ。また、金持ち強豪クラブが多い割には近年勝てなくなったサッカー発祥の国イングランドも予選敗退が決まった。この国も、その過去への拘りをやっと捨てて、パスサッカーを取り入れている真っ最中だった。かと思えば、このイングランドに引導を渡した予選D組をいち早く勝ちぬいたのが、断トツビリを予想されたコスタリカという名もない国。コスタリカはイタリアと南米の強豪ウルグァイを負かしたのだが、そのイタリア戦報・新聞の数行を引用してみよう。

『パスを回すイタリアに、敵陣からプレスをかけて速攻を主体に対抗した。44分にディアスの速いクロスをルイスが頭で合わせて先制に成功。後半は攻勢に出て来た相手を、5人が並ぶDF陣が粘り強くはね返した』

「敵陣からプレスをかけて速攻を主体に対抗した」。この文章からは、世界サッカー動向にちょっと通じた人なら連想できることがある。史上ほんの一時の栄光以外は名も金もないチームなのに世界の強豪クラブに割って入ってきたドイツ・ドルトムントと、このチームの金看板新戦術、ゲーゲンプレスである。「敵陣からプレスをかけて」敵ボールを奪い、「(ショートカウンターによる)速攻を主体に」得点するというやり方だ。人よりもダッシュを繰り返しつつボールが回せる無名の選手を集めて、独特の敵ボール奪取布陣とショートパス戦術を徹底して、短期に世界的強豪に駆け上がった賢い戦術と言って良い。ただここの複雑な練習方法は非公開の門外不出。他チームが必死に真似ようとしてきたことも既に有名な話だ。日本では、香川真司がここのエースとして世界に知られるようになった。今の世界で、このチームから学び、ボール奪取に長けた前プレスのコンパクト組織、それに向いた好選手を創り上げる監督があちらこちらに現れたのではないだろうか。僕はそんなボール奪取・ショートカウンター組織という新世界の出現を夢想してみた。

 さて、「日本代表史上最強チーム」も予想を覆して、一本の蜘蛛の糸を残した予選敗退の危機にある。この風前の灯火・日本代表について、世界動向も無縁ではなかったと思う。従来の強豪型・パスサッカーでいくのか、ドルトムント流プレスをも取り入れるのか。ザッケローニ監督や選手たちにも、そんな迷いがあったのではないか。初戦コートジボアール戦は、パスサッカーによる中央突破を封印しただけではなく、攻撃の柱でもある二選手、岡崎と香川に敵サイドバックの上がりに付いていく守備の戻りを命じていた。ギリシャ戦でも、好調時のパスサッカーは封印したままで、サイドクロス攻撃と中距離シュートなどを徒に繰り返しただけだ。かと言ってコートジボアール戦などは前陣で敵ボールを奪うというポイントは弱いままだった。高い位置で敵ボールが奪えなければ前列選手が浮いてしまい、得意のショートパス攻撃が不発に終わるのも明らかだった。どうしてこんな中途半端な戦い方になったのだろうか。僕には、監督にも選手らにも迷いがあったとしか思えないのである。そして、テストマッチでは時に華麗なショートパス攻撃を繰り広げた選手たちが、本番では迷ったままの監督に忠実でありすぎた、とも。
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