シリア情勢を学んでいて、サウジアラビアのことで驚いている。別エントリーで書いて、名著『「対テロ戦争」とイスラム世界』からの抜粋を冒頭に掲げたコメントをここに再掲して、若干の言葉を付け加えたい。
【 こんな国でも・・・ (文科系)2017-07-16 16:52:32
『そもそも犯罪者の公開処刑、女性の外出禁止、女性教育の制限、異教徒の宗教活動の禁止など、・・・・・・サウジアラビアの首都リアドでは、中央モスクの前の広場で金曜集合礼拝の後に公開処刑が実行されており、女性には運転免許証は発行されず、親族の同行なしには旅行も許されず、男女共学の中等・高等教育機関は存在せず、国内には一軒の教会、シナゴーグ、仏教・ヒンドゥー教寺院の存在も認められず、聖書や十字架を持ち込んだだけでも国外退去処分になる』
知ってはいたが、こういうサウジアラビアは、現代世界の化石国に見える。アメリカが唱える「自由と民主主義の抑圧」の典型国もかくやと、こんな国でもと言ってはなんだが、国家主権は保証されているのである。国家主権は侵害されてはならないのだ。例え北でも、これを侵害したら国民が塗炭の苦しみを舐めるのである。イラクを見よ、シリアを見よ!
ただし、こういう国が大金持ちとして存在し、その金とアメリカの支援とを受けて有形無形周囲各国に干渉するのでは、まるで「憎まれっ子、世にはばかる」ではないか。イスラム原理主義騒動が止まないわけである。アルカイーダの創始者ビンラディン自身がサウジの王族で、彼には多大なサウジ資金も流れていたらしいのだが。
とこう考えてさえ、こんな国の主権も守られねばならないのである。ただし、ある国の防衛問題にサウジが公然と触れた時には、集団安保体制ということで、国連公認の対サウジ自衛権発動はありうるのだろうか。】
サウジ王族出身のビン・ラディンを匿ったとしてもたらされたアフガニスタン現在の惨状も、連載中のシリアの人道危機も、上記のような今のサウジが無かったら起こらなかったと思う。それほどに、この国の原理主義は強烈である。それでもって、有形無形の革命の輸出にも励んでいるんじゃないかと思われるほどに。この国が王制であって、世界第2位の原油埋蔵量を誇って英米資本と結びついているのだから、シリアやイラン、過去のエジプトなど周辺共和制国などは目の敵にされるはずなのだ。「自由と民主主義の輸出」に励んでいるはずのアメリカは、この国をこそ開放しなければならないのではないか。こんなことは僕は反対だが、アメリカの日頃の主張からすればということである。
【 こんな国でも・・・ (文科系)2017-07-16 16:52:32
『そもそも犯罪者の公開処刑、女性の外出禁止、女性教育の制限、異教徒の宗教活動の禁止など、・・・・・・サウジアラビアの首都リアドでは、中央モスクの前の広場で金曜集合礼拝の後に公開処刑が実行されており、女性には運転免許証は発行されず、親族の同行なしには旅行も許されず、男女共学の中等・高等教育機関は存在せず、国内には一軒の教会、シナゴーグ、仏教・ヒンドゥー教寺院の存在も認められず、聖書や十字架を持ち込んだだけでも国外退去処分になる』
知ってはいたが、こういうサウジアラビアは、現代世界の化石国に見える。アメリカが唱える「自由と民主主義の抑圧」の典型国もかくやと、こんな国でもと言ってはなんだが、国家主権は保証されているのである。国家主権は侵害されてはならないのだ。例え北でも、これを侵害したら国民が塗炭の苦しみを舐めるのである。イラクを見よ、シリアを見よ!
ただし、こういう国が大金持ちとして存在し、その金とアメリカの支援とを受けて有形無形周囲各国に干渉するのでは、まるで「憎まれっ子、世にはばかる」ではないか。イスラム原理主義騒動が止まないわけである。アルカイーダの創始者ビンラディン自身がサウジの王族で、彼には多大なサウジ資金も流れていたらしいのだが。
とこう考えてさえ、こんな国の主権も守られねばならないのである。ただし、ある国の防衛問題にサウジが公然と触れた時には、集団安保体制ということで、国連公認の対サウジ自衛権発動はありうるのだろうか。】
サウジ王族出身のビン・ラディンを匿ったとしてもたらされたアフガニスタン現在の惨状も、連載中のシリアの人道危機も、上記のような今のサウジが無かったら起こらなかったと思う。それほどに、この国の原理主義は強烈である。それでもって、有形無形の革命の輸出にも励んでいるんじゃないかと思われるほどに。この国が王制であって、世界第2位の原油埋蔵量を誇って英米資本と結びついているのだから、シリアやイラン、過去のエジプトなど周辺共和制国などは目の敵にされるはずなのだ。「自由と民主主義の輸出」に励んでいるはずのアメリカは、この国をこそ開放しなければならないのではないか。こんなことは僕は反対だが、アメリカの日頃の主張からすればということである。