本当にごちゃごちゃしていますが、結論を言えば実に簡単なこと。この論議で僕が述べてきたことをもう一度改めてまとめてみます。
① 反乱が起これば、どの政府も鎮圧するし、この双方暴力がエスカレートすれば、何でもありになる。憎しみの連鎖から、世界も巻き込まれることにも。その途中結果だけをあちこち見て、あーだこーだ言ってみても始まらない。より残酷になっていくとか、互いがその罪をなすりつけ合うなんて当たり前のことだからである。
② こうして、この一方側だけのニュースを、特に反乱軍側のニュースを発信するのは、一種の国際戦犯行為と言える。国際法上の合法政権を潰しても良いと語っているのだから。
③ ①②について善悪を言うと、国連が認めた政府は普通は国際的に合法なのだ。よって、反乱軍が悪いとなる。それに武器を与えたり、ましてその軍隊に軍事教練を施すなどは、悲劇を増やす論外の行為である。アメリカ、サウジ、カタールがこれを大々的にやってきたとは、ほぼ公言されていることに属する。イラン、ロシアの支援は、政府の支援要請があったはずで、これは国際法で合法だろう。
④ 「解放区」だけで反乱軍だけを支援する行為はもちろん反乱加担行為である。それに金を出す国も含めて。どこで救命、医療活動をしようが、政府が認めた行為、団体は合法となる。
⑤ 以上の中で、特に①②③のようなことが起こるからこそ、独立国に外から武力干渉などを働くことは最悪の国際犯罪行為なのである。アメリカは、これを無視して反乱支援をあちこちでしてきた。国際警察のように。僕は、ここを批判しているのだ。
⑥ 最後に、だからといって、世襲共和制を僕が支持しているわけでは全くないとも言っておく。とはいえ、サウジの政治体制に比べたら、民主主義の名においてシリアはまだ随分マシとは言えると思う。
人間社会問題である一つの大論争が起こる難問には、ほぼ必ず立ち返る原則というものがある。原則は他よりぬきんでていてしかも他を規定するという重要なものだ。なお、そういう社会原則の重要性とは、歴史的に確かめられてきたものであって、他とごちゃごちゃには決して出来ないという、言わば「思考構造上の上位に置くべき事」といえる。
シリア問題のそういう原則こそ、上記③だと思う。ちなみに、反政府派を支持する人がこれを語ったのを観たことがない。アメリカと同じように、国連が眼中にない日本人だからだろう。これを同じく無視してきた日米マスコミなどに毒されているとしか、僕には思えないのである。
書評した「シリア情勢」作者は、僕と同じここをこそ最も重視している。以下のように
『ロシアの空爆は、国際法上正統性を有するアサド政権の要請に基づいていた。米国をはじめとするシリアの友ブループはアサド政権の正統性を一方的に否定しており、その限りにおいてロシア側の主張には根拠はない、と反論することもできた。しかし、有志連合には、欧米諸国が「シリア国民唯一の正統な代表」と認定してきたシリア国民連合を含むいかなるシリアの当事者も参加しておらず、その空爆はシリアの誰からも承認を得ていない主権侵害、侵略行為だった』(138ページ)
最後である。僕やこの著作者・青山弘之氏はこうして、アサド派というよりも実は、国連法派なのである。 トランプが「シリア介入も、他政権打倒に奔走するのも、止める」といったのだから、日本政府なども反乱軍加担は止めて欲しい。
① 反乱が起これば、どの政府も鎮圧するし、この双方暴力がエスカレートすれば、何でもありになる。憎しみの連鎖から、世界も巻き込まれることにも。その途中結果だけをあちこち見て、あーだこーだ言ってみても始まらない。より残酷になっていくとか、互いがその罪をなすりつけ合うなんて当たり前のことだからである。
② こうして、この一方側だけのニュースを、特に反乱軍側のニュースを発信するのは、一種の国際戦犯行為と言える。国際法上の合法政権を潰しても良いと語っているのだから。
③ ①②について善悪を言うと、国連が認めた政府は普通は国際的に合法なのだ。よって、反乱軍が悪いとなる。それに武器を与えたり、ましてその軍隊に軍事教練を施すなどは、悲劇を増やす論外の行為である。アメリカ、サウジ、カタールがこれを大々的にやってきたとは、ほぼ公言されていることに属する。イラン、ロシアの支援は、政府の支援要請があったはずで、これは国際法で合法だろう。
④ 「解放区」だけで反乱軍だけを支援する行為はもちろん反乱加担行為である。それに金を出す国も含めて。どこで救命、医療活動をしようが、政府が認めた行為、団体は合法となる。
⑤ 以上の中で、特に①②③のようなことが起こるからこそ、独立国に外から武力干渉などを働くことは最悪の国際犯罪行為なのである。アメリカは、これを無視して反乱支援をあちこちでしてきた。国際警察のように。僕は、ここを批判しているのだ。
⑥ 最後に、だからといって、世襲共和制を僕が支持しているわけでは全くないとも言っておく。とはいえ、サウジの政治体制に比べたら、民主主義の名においてシリアはまだ随分マシとは言えると思う。
人間社会問題である一つの大論争が起こる難問には、ほぼ必ず立ち返る原則というものがある。原則は他よりぬきんでていてしかも他を規定するという重要なものだ。なお、そういう社会原則の重要性とは、歴史的に確かめられてきたものであって、他とごちゃごちゃには決して出来ないという、言わば「思考構造上の上位に置くべき事」といえる。
シリア問題のそういう原則こそ、上記③だと思う。ちなみに、反政府派を支持する人がこれを語ったのを観たことがない。アメリカと同じように、国連が眼中にない日本人だからだろう。これを同じく無視してきた日米マスコミなどに毒されているとしか、僕には思えないのである。
書評した「シリア情勢」作者は、僕と同じここをこそ最も重視している。以下のように
『ロシアの空爆は、国際法上正統性を有するアサド政権の要請に基づいていた。米国をはじめとするシリアの友ブループはアサド政権の正統性を一方的に否定しており、その限りにおいてロシア側の主張には根拠はない、と反論することもできた。しかし、有志連合には、欧米諸国が「シリア国民唯一の正統な代表」と認定してきたシリア国民連合を含むいかなるシリアの当事者も参加しておらず、その空爆はシリアの誰からも承認を得ていない主権侵害、侵略行為だった』(138ページ)
最後である。僕やこの著作者・青山弘之氏はこうして、アサド派というよりも実は、国連法派なのである。 トランプが「シリア介入も、他政権打倒に奔走するのも、止める」といったのだから、日本政府なども反乱軍加担は止めて欲しい。