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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

文春の芥川賞

2007-02-19 13:42:51 | 読書
文藝春秋3月号,芥川賞は青山七恵「ひとり日和」.20歳のフリーターの女の子が71歳のおばあさんと同居する日常.著者は23歳.「青春時代のまんなかは途に迷っているばかり」という歌そのもので,読んでいてせつなくなる.そこらにいる学生のココロの中をのぞいたようで落ち着かない.人の心に波風を立てるのは良い小説なんだろうが,もうこの著者の作品は敬遠したい.

審査では,主人公の盗癖・収集癖という設定に注目する意見が多かったが,ぼくもそこがおもしろかった.石原慎太郎・村上龍絶賛.へぇーという感じ.別のページにはこのふたりプラス綿矢りさによる鼎談.石原は綿矢の芥川賞審査では否定的というより無視していたと思うが,ここでは鼻の下をのばしている.おじさんだからか,政治家だからか.

ところで老人社会化にともない,この号にも,いきいき95歳,寿命150歳時代,がんに勝つとはどういうことか,リハビリ打ち切り,などの記事が並んでいる.いゃ,並んでいることが気になること自体自分が老人化しているためか.

雑誌の表紙(平松礼二)はボクの好みではないので,出版予定の単行本の表紙をカットにしました.
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