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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

心理物理学から和音を見れば

2007-02-22 09:33:18 | 新音律
CとGあるいはCとFという対は完全に協和する,などといいます.こうした文脈の「協和度」は,「1)音高の接近した2音は不快である.2)楽音は多数の高調波を含む」というふたつの前提から計算することができます.これについては
http://www25.tok2.com/home2/atsushi1007ogata/
の「なぜドミソか」という項に書いてあります.こうした計算を3音からなる和音に拡張した結果を紹介します.
ただし,なんの役にもたちません
あっ 暇つぶしにはなるのでした

上の鳥瞰図(a)を等高線図に直すと中の図(b)になる.これは高さの異なる3音を同時に鳴らしたときの不協和度を示したもの.標高が高いほど不協和である.物理屋流に,ポテンシャルが高く不安定と言ってもいい.第1の音はCに固定した.横軸は第2の音の高さで,左端で第1の音の高さと一致し,右端で1オクターブ上になる.縦軸は第3の音の高さで,下端で第1の音の高さと一致し,上端で1オクターブ上になる.第2音と第3音の周波数比が一定であれば(b)では傾きが同じ直線に乗る.

第2音がDEF...(レミファ...)など音階にある音をとれば,縦軸に平行な直線群になり,第3音が音階にある音をとれば,横軸に平行な直線群になる.中の図は左下から右上に走る谷に対して対称だが,これは第2音と第3音を入れ替えてもおなじことだから.この谷底では第2音と第3音の高さが一致する.この谷をはさんで切り立った崖があるが,第2音と第3音の高さがすこしずれていると不協和になることを示す.

この地形図上,左上で矢印で示した窪地が協和音である.これらの構成を(c) で楽譜に示した.図 (b) 右下の白線群から,たとえば左上の窪地 C は右下の縦白線 G と横白線 E の交点に相当することがわかる.等高線図から窪地の深さ,すなわち協和度を定量的に判断するのは困難だが,長三和音 C(ドミソ) が深いのは当然として,短三和音 Cm も同じくらい深く見える.F,Am は長三和音 FAC と短三和音 ACE を C すなわちドを最低音として転回したときの深さだが,このように和音を転回すると窪みが浅くなだらかになるらしい.

C7 と Cm7 はジャズで好まれるセブンス・コードで,本来 4 音から成るコードであるので括弧付きとした.本来の C7 と Cm7 の構成は図 (c) に括 弧をはずして示した.Bbという音が顔を出すのも面白い.
コメント (5)
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