Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

しゃべれどもしゃべれども

2007-05-10 18:14:20 | 読書
佐藤多佳子著 新潮文庫 1997

1994年,本の雑誌でベスト1になった小説だそうだ.この著者の『一瞬の風になれ』が最近本屋大賞と吉川英治文学新人賞を受賞したので,この文庫本も増刷となったのかと思ったら,増刷は映画化されるせいもあるらしい.

二ツ目の落語家の一人称で語られるが,テンポがよく,新幹線片道で読み切れてしまった.読後感もよい.

わけありな大人3人プラス小学生が落語を習いはじめ,いろいろあったのち,彼らの発表会で終わる.もちろん主人公もスランプやら失恋やらで忙しい.落語の生徒の中にはもちろん女の子もいて,最後に予定調和的に主人公と良い感じになる.

しかしストーリーはもっぱら小学生を中心に展開する.著者のホームグラウンドのせいか青春小説のつもりでも児童文学になってしまったらしい.
いじめ問題 (この小説の当事者は多勢に無勢のけんかと称しているが) はこのごろたくさんの小説にネタを提供しているようだ.平和な世の中ならでは...などといったら叱られるだろうか.

枝雀の「まんじゅうこわい」を聞いてみようか.聞き慣れてたのとちがって,途中に怪談ばなしが挿入され,30分もかかるのだそうだ. ただし,この小説の主人公は東京の噺家です.

コメント (2)
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reading

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