Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

音楽の思考術

2007-05-14 11:26:45 | 新音律
村田千尋「音楽の思考術」音楽之友社 (2000/09)

大阪梅田で,表示に釣られて阪急古書街とやらに迷い込んだら,音楽書をたくさん置いてある店があった.著者は北海道教育大学の先生で,この本は「音楽学」の授業の教科書らしい.新本でも手に入りそうだが,つねづね音楽学って何 ? と思っていたので購入.

目次を紹介するのがよさそうだ.
第1部 楽譜をめぐって(楽譜とはなにか―楽譜学入門
楽譜はなぜ5本線なのか―楽譜の本質と歴史
バッハ『インヴェンション』にはいくつの版がある?―エディション研究 ほか)

第2部 演奏理論について(シューベルトのデクレッシェンドはアクセントだった?―楽譜をどう読むか
楽譜どおりに歌ったら間違い?―装飾法の研究
バロックの付点,シューベルトの三連符―演奏習慣の変化について ほか)

第3部 楽器を知ろう(楽器の特性と構造―楽器学入門
『バイエル』を使うのは日本だけ?―教則本再考
「管弦打」は間違い?―楽器の分類と歴史 ほか)

第4部 音楽を考えよう(「よい」音楽事典とは―さまざまな音楽事典と基本資料
図書館を活用しよう―賢い利用法について
レポートを書いてみよう―研究法と資料 ほか)

という具合で,書店に並んでいる本の中では独特の内容.レポートの「課題」も平均すれば1ページにひとつくらいはありそうだし,文献リストもばっちり.

でも門外漢でもけっこう楽しめた.クラシックの演奏というのは学術研究なんだな...という印象を持った.こういう本がジャズにもあればいいのに.

この,村田先生の学生さんはしごかれそう.
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