一昨日の串田孫一「わたしの博物誌」は朝日新聞社 1963年2月発行 580円.
じつは1998年8月に みすず書房から,週刊朝日連載時そのままのかたちで もう一冊の「わたしの博物誌」が刊行されている.辻まことが没後人気が出た (言い方を変えれば認識が改められた) 結果であろう.8500円とめちゃめちゃな定価だったが,いまは絶版で,古本屋では2万円くらい.さいわい図書館にあって,さいわい誰も借りない.
辻は文章も書くし串田は絵も描く.文筆家としては串田にネームバリューがあったが,彼の絵は抽象っぽい切り貼り風で週刊誌の連載には耐えない,というわけでこの連載はおふたりのコラボとなったのであろうと推測する.
みすず版では見開き 2 ページが 1 話.文章と 2 色刷りの挿画が一体となってひとつの作品になっている.これは「二重協奏曲」という題のページ.連載当初は「わたしの博物誌」は毎回違う手書き文字だったが,途中から左端に縦長の広告が入ってスペースが縮小され,ご覧のように博物誌の部分は活字になってしまった.
単行版は奇数ページの扉絵につづき3ページの文章という形式.辻まことの挿画は描きなおされたとのこと.あとがきで串田が「どんな絵が出来るかじつに楽しみだった」と書いている.連載時の挿画とレイアウトのほうが確かに見て楽しいのだが,例えば一昨日のクエスチョンマークは,単行本にしかない.
というわけで,二冊の挿画を見比べるのは閑人には良い時間つぶしだ.
新聞の連載小説でも,単行本になると挿画が無くなってしまうのはさびしい.
じつは1998年8月に みすず書房から,週刊朝日連載時そのままのかたちで もう一冊の「わたしの博物誌」が刊行されている.辻まことが没後人気が出た (言い方を変えれば認識が改められた) 結果であろう.8500円とめちゃめちゃな定価だったが,いまは絶版で,古本屋では2万円くらい.さいわい図書館にあって,さいわい誰も借りない.
辻は文章も書くし串田は絵も描く.文筆家としては串田にネームバリューがあったが,彼の絵は抽象っぽい切り貼り風で週刊誌の連載には耐えない,というわけでこの連載はおふたりのコラボとなったのであろうと推測する.
みすず版では見開き 2 ページが 1 話.文章と 2 色刷りの挿画が一体となってひとつの作品になっている.これは「二重協奏曲」という題のページ.連載当初は「わたしの博物誌」は毎回違う手書き文字だったが,途中から左端に縦長の広告が入ってスペースが縮小され,ご覧のように博物誌の部分は活字になってしまった.
単行版は奇数ページの扉絵につづき3ページの文章という形式.辻まことの挿画は描きなおされたとのこと.あとがきで串田が「どんな絵が出来るかじつに楽しみだった」と書いている.連載時の挿画とレイアウトのほうが確かに見て楽しいのだが,例えば一昨日のクエスチョンマークは,単行本にしかない.
というわけで,二冊の挿画を見比べるのは閑人には良い時間つぶしだ.
新聞の連載小説でも,単行本になると挿画が無くなってしまうのはさびしい.