Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

寺田寅彦の画才

2011-02-20 06:29:44 | お絵かき
書店で

坂崎重盛「絵のある」岩波文庫への招待 芸術新聞社 (2011/02)

に遭遇.
楽しきかな! 挿し絵にひかれて文庫めぐり。名著・名作の宝庫、岩波文庫は、実は「傑作挿し絵」のWonderlandだった... という惹句そのままの本だが,高くて重いので敬遠.
しかしこの本を立ち熟読みの結果,安くて軽い

寺田寅彦「柿の種」岩波文庫(1996)

を購入.後で,これは著者自筆の挿画ともどもウェブ
http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/1684_11274.html
に存在することを知った.

ここにその挿画のいくつかを青空文庫からコピペした.



もちろん,絵だけじゃなく達意の文章はご承知の通り.この方の長い随筆は論文みたいでちょっとホネなものもあるが,この本のは,短いものは数行,長くても 2-3 ページである.たとえば

*****「ふくろうが鳴くね」
「なに、ありゃあふくろうじゃない、すっぽんだろう」*****

というとぼけた問答があるかと思うと

***** 庭の植え込みの中などで、しゃがんで草をむしっていると、不思議な性的の衝動を感じることがある. *****

などとまじめくさっている.

***** 算術では 1+1=2 だが,ベクトルの和では 1+1 が0から2までの間の任意な値を得ることができる.美術展覧会の審査には審査員の採点数を加算して採否を決めたりする.あれは算術のほかに数学はないと思っている人たちのすることとしか思われない. *****

という理系らしい文章も.上のヌードのクロッキーはルノアル (原文のまま) のことを書いたページをめくったら出て来たが,絵に描いたような日本婦人である.
コメント
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