学会中止 / 物理と原子力

震災のため学会は軒並み中止，といっても，じぶんが関係するのは物理学会だけなのだが，この学会では講演 -いわゆる「発表」- のかわりに，ウェブに講演資料公開サイトを設置し，このサイトに資料が掲載された一般講演についてのみ発表が成立したこととする，ということになった．

参加費は返金しないのだそうだ．

改めてサイトに講演資料を掲載することを希望しない場合には，概要集原稿を掲載とある．なまけものへの配慮ではなく，罹災された方々の事情を考慮したのだろう．

ただ資料を並べるだけでなく，講演番号ごとにスレを立てたらどうかな．掲載も閲覧も登録費を払っていることが条件とあるから，ひどいことにはならないだろう．

原子力学会も中止で，参加費その他は返金に応じるが，義援金に寄付することを奨励しているらしい．


ところで

常識あるみなさまには信じられないことと思うが，日本では物理屋と原子力屋はかなり疎遠である．お互いに忙しいし，物理屋は原子力なんかやって手を汚したくないのだ (写真のような本を書かれた先生もいらっしゃる．絶海の孤島の原子炉の電力でもっぱら太陽電池を生産するという提案だったと思う)．

今回の事故で，原子力屋は萎縮し，物理屋はほとんどが原子力評論家と化した，物理屋サイドからは原子力に積極的にコミットしたいという機運が生じているようだが...