Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

新しい音を恐れるな - 現代音楽、複数の肖像 -

2011-11-16 08:24:34 | 読書
インゴ・メッツマッハー 著,小山田豊訳 春秋社(2010/03).

おおげさなタイトルの本だが,中身は読みやすい.
最初の「ぼくの父」という文章にひき込まれた.チェロ奏者だったそうだ.

「肖像」としてとり上げられるのは,アイヴス,マーラー,ドビュッシー,メシアン,シェーンベルク,ヴァーレーズ,シュトックハウゼン,ノーノ,ハルトマン,ストラヴィンスキー,ケージ.
間に,時間,色彩,自然,ノイズ,静寂,告白,遊び というタイトルのエッセイ ? が挟まる.というより,こういうタイトルのもとに何人かずつ作曲家をくくっているようにも読める.

このように,取り上げられた作曲家は,いわゆる「現代音楽家」ばかりではない.
そもそも,原題には現代音楽と言う言葉はない.
著者は指揮者であって,新しいレパートリーなんか怖くないぞ と,自らを元気づけるのが,タイトルの由来ではないかと思う.だから本の書き方は,他人が作曲した曲を演奏する立場からである.取り上げられる楽曲も管弦楽曲が多い.どこで どんな楽器が どんな音を出すのか が,具体的に示されることが多い.

なかでは,シュトックハウゼンの項がおもしろかった.著者は一緒に仕事をした後で作曲家に「このまま私のところに残るかどうか,決めてくれないか.結婚するか,しないかと同じように考えてくれればいい」と口説かれるのだ.

訳者あとがきに「著者の文章は独特で...短い文を次々と畳みかけてくる」とある.
学生時代に,理科系の文章では,長い文はいけないと教えられたのを思い出した.

図書館から借用した.


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