土曜日夕食後,チャネルをスイープしたらこの映画をやっていたが,もう半分くらい終わっていた.四半世紀ほど前に劇場で観たが,このたびはやたらにCMが入るのに閉口した.
主演のデクスター・ゴードンは地だか演技だか分からない名演.デクスターというと,モンマルトルなどの熱いプレイという印象があったが,この映画では枯れている.ジャズメンは沢山出るが,お芝居をするのは,ハービー・ハンコックとボビー・ハッチャーソン.ちなみに,私と同年齢のボビ八さんだが,最近は椅子に座ってヴァイブを弾くことが多いらしい.
この YouTube の最後 6:00 あたりから (そこまで飛ばして下さい) の As Time Goes By では,あの ジョン・マクラフリンが 4 ビートのギターを弾いている.このパリのバンドの他のメンバーは,ハービー,ピエール・ミシュロ(b)とビリー・ヒギンズ(ds).
映画にはレコーディングの場面があって,シダー・ウォルトン,ロン・カーター (パイプをくわえて弾いていた),フレディ・ハバート,ウェイン・ショーター,トニー・ウィリアムス等が登場.この面々に対してデクスターがああせいこうせいと指示するのがおもしろい.
挿入曲スティビー・ワンダーとハービー・ハンコックの共作「チャンズ・ソング」は当時ちょっとしたヒットだった.
もう一度観たいけれど,ドラマ部分につきあうのには,どーも感あり.
バド・パウエルをモデルにした破滅型ミュージシャンの末期を描いているのだが,なぜ破滅したのかがあまりよく分からない.パーカー,マイルス,コルトレーン等を知っていれば思い入れで感慨深く観ることができるが,そうでなかったら,どうだろうか.
でも,デクスターに比べると,ハンコックもハッチャーソンも小粒だ.