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Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

落葉・回転窓 木山捷平純情小説選

2016-02-15 19:58:41 | 読書
講談社文芸文庫 (2012/12).

作家の五十音順に並んでいる図書館の棚には,ミステリやラノベと共に数冊の木山捷平がある.講談社文芸文庫には 11 冊出ているそうで,夏目漱石なみだ.というわけで,一冊借りてみたのだが,くせになりそう.

Amazon の内容(「BOOK」データベースより)*****
いつの時にも市井の人として、さりげない日常に、慈しみを含んだ独自の視線を向けていた木山捷平。彼の真骨頂を表出したともいえる、初恋の淡い想い、さりげない男女の出会いと別れ、細君の留守中のちょっとした顛末といった著作の数々を編纂した作品集。表題作の他、「空閨」「留守の間」「口婚」「好敵手」など、短篇の名手といわれた著者の十一篇を収録。*****

小事件などを題材に真面目にふざけて書いている.力が抜けていて,読み返したくなる文章が随所にある.著者が若い女性を見る助平な目つきとか,奥さんとのやりとりとか,幼少時のエッチな体験とか,いかにもと思わせる.でも嘘かもしれない.私小説というものは全部著者の体験と読者に思わせなければならないから,それなりの苦労がありそうだ.
会話が岡山弁らしく,広島と似ていて親しみやすい.

解説を書いている岩阪恵子さんによる評伝「木山さん,捷平さん」も講談社文芸文庫に入っているので読むつもり.

学生時代にしきりと「木山捷平」と言っている奴がいた.年寄りくさい奴だった.しかし若いときにこの作家を正当に評価できたとは思えない.
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