Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

きらめく共和国

2020-12-01 09:54:38 | 読書
アンドレス・バルバ, 宇野 和美 訳 東京創元社(2020/11).

Amazon の紹介文*****
ある町にどこからか現れた、理解不能な言葉を話す子どもたち。奇妙な子どもたちは、盗み、襲い、
そして32人が、一斉に死んだ。22か国語で翻訳、エラルデ小説賞受賞作!

ジャングルと川に挟まれた亜熱帯の町に、理解不能な言葉を話す32人の子どもが現れた。彼らは物乞いをし盗みを働き、スーパーで市民に襲いかかる。そして数ヶ月後、不可解な状況で一斉に命を落とした――。子どもたちはどこからきたのか。なぜ死んだのか。社会福祉課職員として衝撃的な出来事に関わった語り手が、20数年後に謎をひもといていく。現代スペインを代表する作家が奇妙な事件を通して描く、純粋で残酷な子どもたちの物語。*****

原裕菜によるカラフルな表紙イラストに,児童書かと思ったが,それにしては右下には不吉な雰囲気.この種明かしは152ページあたり.ちなみにこの本の本文は170ページ足らず.語り口はリアルで,1995年にここで何が起きたかは物理的に説明されており,ミステリとしても読める.タイトル「きらめく」の意味は156ページで明らかになる.
エンタメ小説ではないが,では何だと言われても...始末に負えない小説.

本筋とは無関係な記述が共感を呼んだりする.例えば語り手は,サン=テグジュペリの「星の王子さま」を,何から何まで悪意に満ちた本だ,とするなど.

図書館で借りたが,自腹で買って書棚に置きたい本.
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