Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

工学部ヒラノ教授の研究所わたりある記

2020-12-13 10:46:29 | 読書
今野浩 青土社 (2018/7).

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内容(「BOOK」データベースより)*****1965年4月1日、原子力のゲの字も知らないヒラノ青年は、なぜか原子力発電研究室に配属されてしまう。そして、そこから彼のキャリアが始まった―。ユニークな先輩たち、死に物狂いの論文との格闘。西へ東へ、電力の黄金時代から震災後の失墜まで、時代と空間を駆けめぐる。*****

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)*****1940年生まれ。専門はORと金融工学。東京大学工学部卒業、スタンフォード大学OR学科博士課程修了。Ph.D.,工学博士。筑波大学助教授、東京工業大学教授、中央大学教授、日本OR学会会長を歴任.*****

著者と年齢はひとつ違いで,名前や顔を知っている人も登場.どこ出身のだれがどういうポストにつくかという,内輪では最大の話題だがそとに出なかったことがそこそこ書いてある.彼らをわれわれの業界ならではのやり方で,ややステレオタイプ的に性格づけしているところがおもしろい.
しかし,読んだために思い出したくないことまで思い出してしまった.本書には「地獄のウィスコンシン」「陸の孤島の煉獄」といったタイトルの章があるが,思い出したくないほど嫌な体験ではなかったらしい.だから本にできたのだろう.

原子力という文字は何度も出てくるが,著者の専門は OR らしい.数学は何にでも通用するので,「渡り歩き」しやすいのだろう.純正原子力が専門だったりすると,原子力がなんといわれようと,離れられないらしい.
タイトルは「...わたりある記」だがメインテーマは「電力中央研究所」1箇所と言った方がいい.ここに就職した16とんの友人もいるのだが,本書には,幸か不幸か,登場しない.著者が今後の電力中研は廃炉作業に大きな役割を果たすべきだと言っているのには,賛成.

当市の図書館は工学部ヒラノ教授シリーズがずらりと並んでいる.この「...わたりある記」では,「煉獄」筑波大から東工大に移った経緯は省かれているが,シリーズの別な本のどこかに書いてあるということらしい.
私=ヒラノ教授らしいが,ときどき今野という方も登場する.

このシリーズを読むのは「終活大作戦」「介護日記」に次いで3冊目だが,前の2冊の方が,今の年齢の16とんには印象的だった.

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