尾崎世界観,金原ひとみ,真藤順丈,瀬戸夏子,東山彰良「緊急事態下の物語」河出書房新社 (2021/6).
出版社内容情報*****
濃厚接触、反ユートピア、ゾンビと猫、ライブカメラ、臆病なテロリスト…。コロナ禍を生きるあなたへ贈る、もう一つのパンデミック。*****
上記内容情報では,5つの短編をそれぞれひとつの単語で要約している.瀬戸作品以外はこの出版社の季刊誌「文藝」春季号 特集 「夢のディストピア」に掲載された.
この本には,まえがきもあとがきもない.すなわち,編者のことばはない.
金原作品だけがコロナ禍の現実社会を舞台としているが,本質は女子中学生を主人公とするホームドラマみたい.残る4作品は言うなれば SF で,少しずつおぞましい.
「文藝」に載るのは純文学と思っていたが,それは古典的な先入観だったようだ.真藤も東山も直木賞作家だし... ここでは (ここでも?) 真藤作品は重く東山作品は軽いが,どちらも時間をかけて書いたと言う印象はない.
装丁 森 敬太.
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