Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

現代語による八犬伝

2023-02-27 15:55:32 | 読書

滝沢馬琴 / 山田野理夫訳,全8巻,太平出版社(1985/5).

現状では,八犬伝 唯一の現代語訳.高校を卒業してすぐだったら,これくらい原典で読めたと思う.でも今では,解説書の原典引用さえ跳ばす始末である.原典は9輯 53 巻 180 回だが,この本の各章が各回に対応している.例えば訳本第1巻「聖女伝説の巻」は第1-16 回 を含む.このように各巻に「xxxx の巻」などのタイトルがついているが,原作とは関係ない出版社の仕業だと思う.

「国会図書館の好意により」馬琴 手沢本の図版が引用されている.右のような黒白2値画像だが,たぶんオリジナルもそうなんだろう.

Wikipedia では本書を児童書としている.中高生にもしたしめるように配慮したとはいうが,訳者には児童書という意識はないようだ.
ただし「原作には本筋とは直接関係のない重複や冗長な長談義が多いが,物語の進行にさしつかえがにい程度に,これらを割愛した」とある.そのためか,実はまだ訳本第1巻の途中までしか読んでいないのだが,現代の小説になれていると,善悪が2値化し筋だけがどんどん進むのに違和感がある.
入院中に最後まで読めるだろうか ?

訳者の山田野理夫さんは, Wikipedia によれば,東北大文学部で国史を専攻し,「南部牛追唄」で第6回農民文学賞を受賞 (1962).東北地方とくに岩手県をテーマとすることが多い作家・詩人だそうだ.


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