Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

引き潮

2019-04-18 10:02:03 | 読書
R・L・スティーヴンスン, L・オズボーン, 駒月雅子訳,国書刊行会 (2017/8).
カバーデザイン (影山徹) に惹かれ,図書館で借りた.

Amazon の内容紹介*****
南太平洋タヒチの浜辺にたむろする三人の食い詰めた男が、天然痘の発生のため欠員が出た貿易船の乗組員に雇われる。三人は船を乗っ取って南米へ逃げ、積荷を売りさばこうと企むが、船内には驚くべき秘密が……。
『宝島』の文豪が義理の息子と合作した海洋冒険小説。コナン・ドイル、チェスタトン、ボルヘスも愛読した知られざる逸品。本邦初訳。*****

スティーヴンスンの「宝島」はこどものころ講談社の名作全集で読んだが,内容は全く覚えていない.「ジキル博士とハイド氏」は覚えている.
「引き潮」の第1部は三重奏 trio,第2部は四重奏 quartette とタイトルというタイトルで,主な登場人物はそれぞれ3人と,それに1人が加わった4人である.
こちらも「ジキル...」同様,同一人格の二面性をテーマにしているらしい.しかし登場人物のひとり,ロンドンの下層階級出身の小男は徹底した悪人に描かれている.また,白人以外の登場人物は単なる背景だ.

訳者あとがきによれば,スティーヴンスン自身はこの小説を「非常に残忍かつ陰惨な話」と評価し,L・オズボーンと共著にすることも「悪名高い作品に若い彼を巻き込むに忍びない」という理由で,気が進まなかったらしい.
ぼく的読後感は,たして残忍でも陰惨でもない.「信仰心」も一つの要素らしいが,無信仰者にはよくわからない.第2部に入ってからがおもしろい.
☆☆☆

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