Sixteen Tones

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トランペット と フリューゲルホーン の スペクトル

2019-04-19 08:42:07 | 新音律
一昨日のブログへの追記.比較すればトランペットの音色は鋭くフリューゲルホーンは柔らかい.それは管のテーパ taper によるものであった.
鋭い/柔らかいを調べるひとつの方法は周波数スペクトルを見ることである...というわけで,今日の内容は柴田洋一「トランペット,コルネット,フリューゲルホーンの弱奏時と強奏時の音色」小山高専研究紀要34(2002)11-16からの引用です.

原論文では三楽器を比較しているが,ここではトランペットとフリューゲルホーンだけを示す.トランペットはヤマハ YTR135,フリューゲルホーンはヤマハ 6310S で,第4倍音 Bb 約 470Hz を,著者である柴田さんが吹奏したときのスペクトル.
弱奏時フリューゲルホーンでは第1・第2ピークが際立って大きい.これが太く柔らかい音を生んでいる.
トランペットでも弱奏するとスペクトルのピーク高は周波数とともに減少する.弱奏時の音色は柔らかい.強奏時ではピークの高さがが高周波領域まで保たれ,強く攻撃的な音色を生んでいる.
これに対し,強奏したフリューゲルホーンでは,やや高周波数成分の減衰がはやい.この傾向は弱奏時と同じ.予想された結果ではある.

なお原論文では,トランペットとコルネットの強奏時のスペクトルが極めて類似しており.実際に聞いても区別しにくいことが指摘されている.



以下は同じアート・ファーマーによる,トランペットとフリューゲルホーンの吹奏.So Beats My Heart for You と De Salde Sinne Hemman.後者はスウェーデン民謡だが,ジム・ホールの参加が全体の印象をさらに柔らかくしているようだ.また個人的な韻書だが,低音より高音でふたつの楽器の音色に差が出ると思う.





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