Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

われは何処に

2022-09-28 07:34:03 | 読書
丸山健二「われは何処に」求龍堂 (2017/7).

*****登場する人物たちは、あなた自身であり、あなたの知らないあなたであって、あなたの預かり知らないあなたではない。
8点の絵画から飛びだした、あらゆる生を営む数十名が、命の瞬間の飛沫をほとばしらせる!

文学の鉱脈をひたすらに深く掘り進む小説家・丸山健二の、新たなる試みの一冊!
8名の豪華個性派アーティスト(熊谷守一 熊田千佳慕 堀内康司 國司華子 宮忠子 野田弘志 高島野十郎 寺田真由美)の8作品を発想源に、この世に生まれ通り過ぎていく、無数の人生の物語をすくい取る。
運命の悪戯により時に悲しくも滑稽な顛末を向かえることもある、私たちの生き様を拾い上げ、洗練を極めた文章によって、忘れられない一瞬として描き切る。
*****

口絵のうち見たことがあるのは熊谷守一のほかは高島野十郎「蝋燭」くらい.熊谷ファンだがこの「熊蜂」は好きではない.他のも変な絵である.

画像右のような段組み.改行がなかったら,どこもすごく長い文章になってしまう !  ページをめくるとフォントが変わることがある.各編は番号だけでタイトルはないが,最初の1ページは同じスタイルながら裏が白いので,タイトル代わりなのかもしれない.

一見詩みたいだが,この作家らしいストーリーはあり,ページをめくる前にそれぞれが完結する.

求龍堂は美術書専門と思っていたが,この作者の「再生復活版」を多数出版している.
「訂正表」が挟み込んではあったが,惜しいミスが1箇所.

丸山文学はやや苦手だったが,これは良い.かれも歳をとったのだろう.

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