Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

岩波新書「歌謡曲」

2011-04-04 10:10:27 | 新音律
高 護「歌謡曲――時代を彩った歌たち」 岩波新書 (2011/02)

震災前に読んだもの.「BOOK」データベースによれば
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日本に生まれたポピュラー音楽「歌謡曲」。それは誰が、どのように作り、どう歌われたものだったのか。時代を象徴するヒット曲を手がかりに、作詞家、作曲家、編曲家、歌手の各側面から、その魅力の源泉に迫る。制作の背景、楽曲・歌唱の音楽的分析、作品の与えた影響など、初めて書かれる本格的ディスコグラフィである。
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著者は,あの(株)ウルトラ・ヴァイブ代表取締役とのこと.3 章の構成で,1960 年代,70 年代,80 年代にそれぞれ一章ずつ.そう言えば,このごろは「歌謡曲」という単語を聞かないなぁ.

曲を縦にした書き方で,例えば「また逢う日まで」については,まず三洋電機のルームエアコンの CM ソングだったとか,ズー・ニー・ヴーがシングル化したとかいう経緯から,この曲に関わった人物が 1 ページほど記述される.

続いて楽曲が ABC の各 8 小節 + C' というそれまで存在しなかった構成であることから始まり,「またっあうっー」と細かい譜割りをスタッカートさせる三連符とか,「別れの そのわけは」の Dm7 → F#7 というシンプルにして独特なメロディとコードの関係とか,書いてあることが具体的で,歌が耳に浮かんでくる.

演奏メンバーも書いてあって,猪俣猛なんかも参加していたのだ! この曲は楽器構成はかなり標準的だが,曲によってはかなり思いがけない構成のものがある.60 年代はアコースティック中心だったのが,80 年代にはシンセサイザー中心に移行する.

薄い本だからか,曲の選択はかなり恣意的.小椋佳とか八神順子もとりあげてくれて良かったのでは?

芥川也寸志「音楽の基礎」あたりでは大衆音楽蔑視調がうかがわれたが,岩波新書も変わったものだ.

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