佐伯泰英,岩波書店(2012/6).
出版社による内容紹介*****
1941年,岩波茂雄は静養を目的とし,熱海に惜櫟荘を建てた.建築家・吉田五十八が手掛けたこの名建築を,著者は縁あって譲り受け,後世に残すべく修復保存を志す.設計図もない中,手探りで解体・復元作業が進められ,やがて趣向に満ちた創造性が明らかになる――興味深いエピソードも交え,惜櫟荘完成までをつぶさに綴る.*****
本書には,この紹介が触れていないことが1/3くらいある.著者がスペインで堀田善衛に雇われていた時代を中心とする,系統的でない交友録・回顧録だ.この部分は不要な気もするが,これがあるために読みやすくなっているのも確か.
改行が多い文章で,登場人物たちはどこか時代劇みたいな口の利き方.著者は文庫書き下ろし専門の時代小説家というジャンルを開発し,すでに1000万部単位を売っているらしい.印税は10億単位.左前らしい岩波書店から惜櫟荘を引き継ぎ「番人」を名乗るとは,羨ましいことだが働きすぎ?で,前立腺癌を宣告されたりしている.
岩波家の別荘のことを,岩波のPR誌「図書」に連載し,まとめたもの.岩波らしい,格調高くとっつきにくい造本.建物のグラビアを中心にした本がもう一冊ほしい.
図書館で借りた.
出版社による内容紹介*****
1941年,岩波茂雄は静養を目的とし,熱海に惜櫟荘を建てた.建築家・吉田五十八が手掛けたこの名建築を,著者は縁あって譲り受け,後世に残すべく修復保存を志す.設計図もない中,手探りで解体・復元作業が進められ,やがて趣向に満ちた創造性が明らかになる――興味深いエピソードも交え,惜櫟荘完成までをつぶさに綴る.*****
本書には,この紹介が触れていないことが1/3くらいある.著者がスペインで堀田善衛に雇われていた時代を中心とする,系統的でない交友録・回顧録だ.この部分は不要な気もするが,これがあるために読みやすくなっているのも確か.
改行が多い文章で,登場人物たちはどこか時代劇みたいな口の利き方.著者は文庫書き下ろし専門の時代小説家というジャンルを開発し,すでに1000万部単位を売っているらしい.印税は10億単位.左前らしい岩波書店から惜櫟荘を引き継ぎ「番人」を名乗るとは,羨ましいことだが働きすぎ?で,前立腺癌を宣告されたりしている.
岩波家の別荘のことを,岩波のPR誌「図書」に連載し,まとめたもの.岩波らしい,格調高くとっつきにくい造本.建物のグラビアを中心にした本がもう一冊ほしい.
図書館で借りた.
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