Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

論文誌に論文

2009-02-07 09:28:57 | エトセト等
論文というと時節柄卒論や修論を連想されると思いますが,まぁ 似たような話題です.

理工学では研究成果をその分野の専門雑誌(論文誌)に発表することも重要.発表するには,まず論文誌に論文を送る.雑誌側では専門家(レフェリーという)に論文を読んでもらって雑誌掲載の可否を判断してもらう.可と判断されれば論文が日の目を見る.

というわけで私が書いた論文が日の目を見ることになった.

論文を送る側では,上の手順で,まずどの論文誌に論文を出すかが問題.じつはこの論文はまずアメリカの論文誌に送って掲載否とされた.アメリカの論文誌に送ると意地悪されるというのは前から聞いていたが,その通りだった.日本の論文誌JJAPに出したら可であった.

この論文の内容は,かくかくのビームを作れば,これこれの効果があると言うもの.アメリカのレフェリーの意見はまず,「これこれの効果」はかってのソ連の論文で否定されているということだった.ソ連流にちゃんと計算してもそんなことはないと反論したら,こんどは「かくかくのビーム」の作り方を示せという.そういうビームの作り方を書いた論文を2-3挙げたら,もっと詳しく書けという.詳しく書いて,現状ではこれこれの困難があると説明を加えたら,これを逆手にとられて,やっぱり出来ないじゃないか,この論文は机上の空論だとのご宣託.これで半年ほどを浪費してしまった.

なぜ初めから日本の論文誌に送らなかったの,と言われそうだ.論文誌の善し悪しの一面はimpact parameterとして定量化されていて,日本の論文誌のfactorは欧米誌ほど良くない.
でももっと大きな個人的な理由は,論文に自信がなかったこと.
とうに退官・退職された大先生が学会等で頓珍漢なことを発言なさるのを目にすることがある.
この場合も日本の論文誌に送ると,レフェリーには多分年下の知人で,「あの人も本気でこんな阿呆らしいことを考えているのか,脳軟化症じゃないか」などと思われたらどうしよう...なんて考えてしまった (アメリカの論文誌でもアメリカの知人がレフェリーする可能性はあるが,もう会う機会はありそうもないから,いいのである).

でも日本人レフェリーのコメントを読んだら好意的だったので安心した,
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珍弁たこめし

2009-02-05 13:51:11 | エトセト等
福山で買ったが,製造は三原.福山製の駅弁は皆無のようだった.売店の冷蔵庫で冷たくなっていたのが難.

容器が八角形なのもたこの八本足にちなんでいるのだろうか.
「珍弁」というが,たこのあしが入っていなければスタンダードな駅弁.
たこは小指ほどの太さだが,「仕事がしてある寿司や」のネタみたいに柔らかく,もっと食べたかった.950円は高いか? 安いか? 微妙.
1953年以来のロングセラーだそうです.
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セントとデシベル

2009-02-03 17:09:39 | 新音律
デシベルという単位はからないと,たいていの理工系・電気系の学生に嫌われている.かく言う自分も嫌いだった.

セントはドルの1/100というお金の単位だが,学生時代に原子炉の反応度の単位としても使うことを知った.反米反核の気運の中で,気色悪い単位であった.
その後ずっと (お金以外の) セントのことは忘れていたが,音の相対的な高さの単位として,我が人生に再度セントが登場した.平均律における半音の差が100セントである.オクターブは12半音なので1200セントである.

じつは空気中で聞く音とは空気の振動であって,音の高低は振動数の大小に対応する.ただし聴覚は対数的なので,ふたつの音の周波数をf1,f2とすれば,ふたつの音高の差は,対数logの底を2にとることにして,2を下つきにする代わりにlog(2)と書くと
1200 x log(2)[f1/f2] セント
となる.f1-f2がそのままセントになるわけではない.

この単位はデシベルと同じで.こちらはふたつの電力P1,P2の違いを,底を10とする対数を使って
10 x log(10)[P1/P2] デシベル
である...という.

音高のセントという単位は,ちょっとした音楽の本には登場し,文科系の方にもほとんど抵抗なく使われている.ピアノの鍵盤のように目に見えるものと対照できるし,対数など知らなくても使える.周波数などという故事来歴とは離れて一人歩きして,メートルやキログラムと同じ感覚で使われているのだ.
デシベルのほうは,まず電力の絶対値から入門せざるを得ないのがややこしいところだろう.デシベルも (セントも) ふたつの値を比較するための単位だが,デシベルではこのことがなかなか飲み込めない.ところがセントではこのことがあっさり受け入れられるのもおもしろい.

音高のセントは Alexander J. Ellis の提案で,初めて登場したのは,彼による,Helmholtz の大著の英訳 On the Sensations of Tone の付録だったという.ちなみにこの英訳版は1/3くらいが付録である.

カットのせんとくんとは関係ない話題でした.
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広島駅新幹線口探検

2009-02-01 09:00:33 | エトセト等
新幹線口は,駅の反対側という感じであまり行ったことがない.

まず駅の中か外か,微妙な位置の Bar Cero という店.スペイン料理という看板.中の方が穴蔵風で居心地が良さそうだったが喫煙席だというので,入ってすぐのテーブルでがまんした.地ダコのガルシア風・牛胃袋と豚足のトマト煮・カタルーニャの焼き野菜サラダ等等,おもしろそうなメニュー多数.パエリアも一人前から注文出来る.ただし安くはない.
接客の女の子が小さくて元気が良い.

構内のコンビニでコーヒー豆の弾き売り.広島ではあまり見かけない種類も多い.トラジャを買ったら真空パックしてくれた.

古本...ではなくリサイクル本というらしい...の店もあり,「鴨川ホルモー」購入.前から表紙を見て,この本は何だろうかと思っていたのだ.万城目学著.産業編集センター (2006/04).
「夜は短し...」同様に京都と京大が舞台.東大ではこういう小説の舞台にはならないなぁと変なところに感心しつつ,帰りの電車で読み始めた.出だしはもたもたしているが,次第にやめられなくなり翌日読了.主人公が鼻フェチというのが,解るような,解らないような.彼と彼女がグラウンドでふたりで雨にぬれるのが,翌日の伏線になっているあたり,よくできている.
でもこれは「夜は短し...」同様に若い人による若い人のための小説だな.

表紙の4人だが,3人か5人が妥当なんじゃないの.
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reading

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