路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【記者たちの胸ポケット】:ハマっ子の応援/20年ぶりの再会/取材される側

2019-11-15 06:10:48 | 【新聞社・報道・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌・世論調査】

【記者たちの胸ポケット】:ハマっ子の応援/20年ぶりの再会/取材される側

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【記者たちの胸ポケット】:ハマっ子の応援/20年ぶりの再会/取材される側 

 ◆ハマっ子の応援

 横浜市のカジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致について取材している。八月に横浜勤務になった直後の誘致表明に慌てつつ、なぜ市は決断し、地元経済界は支持するのか、市民はなぜ反発しているのか。それぞれの考えや思いを正確に理解したいとあがく日々だった。

 ある夜、反対派のチラシを何げなく食卓に置いていたら、中学生の娘が「これ、すごい大事」。普段、市政に関心のない十代ハマっ子が「自分たちにもかかわる話。ママ、仕事頑張って」と熱く語っていた。

 市民グループは誘致の是非を問う住民投票や市長リコール(解職請求)を目指して活動を広げる。カジノ事業者はあの手この手で進出をもくろむ。市による市民説明会も来月始まる。若い世代のためにも、交錯するベクトルを熟視していく。

 ◆20年ぶりの再会

 不慮の事故で手足の自由を失い、口に筆をくわえて詩や絵をかく星野富弘さん(73)=群馬県在住=の個展を取材した。横浜市戸塚区の公園に星野さんの詩碑がある縁から、地元のファンが熱心に働き掛けて実現した展示。星野さんには駆け出しの頃、初任地の埼玉県で取材した記憶があり、懐かしさを胸に足を運んだ。

 奥さまに伴われ、車いすで会場に現れた星野さん。展示を見に来ていた人たちも、とびきりのサプライズに大喜びだ。

 写真撮影の際の雑談で「実は二十年前…」と告げると、しばし私の顔を眺めた後、穏やかな声で「あなたも少なくとも二十歳にはなったのね」。作品が優しさに満ちている理由を知った。

 ◆取材される側

 生まれて初めて、取材を受けた。横浜神奈川版に書いた記事がきっかけで、地元の情報誌の記者から「横浜港の記憶」を話してほしいと依頼された。

 多くの人の談話を集めるというので、変化球として、毎年大みそかの「除夜の汽笛」の話をした。新年を迎える瞬間、港にいる船が一斉に汽笛を鳴らす。横浜に住んで十七年、深夜に居間のガラス戸を開けて汽笛を聞くのが、わが家の年越しだと。

 帰り道、どんな記事になるのか楽しみにも心配にもなった。今回はたわいもない話だが、取材される側になってみて、取材者は時に、思いのこもったバトンを託されることを実感。一つひとつ、誠実に仕事しよう。 

杉戸祐子(すぎと・ゆうこ)42歳 横浜支局記者

写真

 ◆<杉戸祐子(すぎと・ゆうこ)42歳> 

 愛知県出身。1999年入社。8月から2度目の横浜勤務で横浜市政を担当。10代からテニスを続け、2年前にインストラクターの国際資格を取得。2児の母。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【記者たちの胸ポケット】  2019年11月15日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:11月14日(木)

2019-11-15 06:10:45 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:11月14日(木)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:」【首相の一日】:11月14日(木) 

 【午前】9時32分、公邸から官邸。10時36分、ミクロネシア連邦のパニュエロ大統領を出迎え。記念撮影。37分、儀仗(ぎじょう)隊による栄誉礼、儀仗。44分、パニュエロ大統領と首脳会談。11時42分、共同記者発表。

 【午後】0時1分、公邸。首相夫妻主催の昼食会。55分、昭恵夫人と共にパニュエロ大統領夫妻を見送り。1時25分、山口放送のインタビュー。45分、官邸。49分、「奈良の柿PRレディ」の朝倉理恵さん、平尾かおりさんらの表敬。2時2分、石川正一郎拉致問題対策本部事務局長。28分、京都コングレス2020を成功させる議員連盟の上川陽子会長、北側一雄会長代行。3時4分、経済産業省の安藤久佳事務次官、西山圭太商務情報政策局長。5時37分、皇居。大嘗祭(だいじょうさい)の悠紀殿供饌(ゆきでんきょうせん)の儀に参列。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年11月15日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:大嘗祭の日に 伝統と憲法の調和は

2019-11-15 06:10:40 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【社説①】:大嘗祭の日に 伝統と憲法の調和は

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:大嘗祭の日に 伝統と憲法の調和は 

 天皇即位に伴う大嘗祭(だいじょうさい)が十四日、十五日と行われる。伝統儀式で宗教色が濃い。明治の大規模化の踏襲でいいのか。憲法との調和も深く考えるべきだ。

 日本民俗学の草分けである柳田国男に「大嘗祭と国民」という小文がある。大正天皇の代に貴族院書記官長で、京都での大嘗祭に仕えた。こう記している。

 <如何(いか)なる山の隅にも離れ小島にも(中略)遠くその夜の神々しい御祭の光景を、胸にえがかざる者は一人もない>

 ◆柳田国男の苦言とは

 <夜の御祭には本来説いてはならぬ部分があるのかも知れぬ。(中略)今考えると唯(ただ)きらきらと光るものが、眼(め)の前を過ぎたという感じである>

 国民の感激と体験した神秘性を伝えている。一方で、儀式の壮麗さを批判する文面が「大嘗祭ニ関スル所感」の一文に表れる。

 <今回ノ大嘗祭ノ如(ごと)ク莫大(ばくだい)ノ経費ト労力ヲ給与セラレシコトハ全ク前代未聞>

 心ある者が「眉ヲ顰(ひそ)メシムル如キ結果ヲ生シタル」と。経費や労力だけでなく、「徹底的ニ古式ヲ保存シ一切ノ装飾ヲ去」らねばならないのに、問題点を挙げ苦言を述べている。

 柳田の一文は昨年の秋篠宮さまの発言を思い出させる。「大嘗祭は身の丈に合った儀式で行うのが本来の姿」とし、「宗教色が強いものを国費で賄うことは適当かどうか」とも疑問を述べられた。

 天皇家の私的費用である「内廷費」で対応する。儀式会場の大嘗宮を新築せず、宮中にある新嘗祭(にいなめさい)の神殿を利用して経費を抑える、そんな提案だった。

 新嘗祭は毎年行われるが、大嘗祭は皇位継承時のみである。皇祖および天つ神・国つ神に安寧を、そして国家・国民の安寧と五穀豊穣(ほうじょう)を祈る。だが、秋篠宮さまの持論を宮内庁側は「聞く耳を持たなかった」という。

 ◆簡素化案は検討せよ

 これは見過ごせない問題を投げ掛けている。まず「身の丈」-。大嘗祭の公費支出は総額二十四億円余り。皇居・東御苑に大嘗宮が建てられ、約九十メートル四方に大小三十もの建造物群が並ぶ。参列者は約七百人にのぼる。壮大な国家的行事の様相を示す。

 これほどの巨大な儀式が必要なのか。伝統といいつつ、祭祀(さいし)一般が巨大化したのは明治期からである。むろん天皇を神格化する国家づくりのためである。十七世紀の「鈴鹿家文書」にある大嘗祭図は高床式の素朴なものである。奈良・平安時代は床さえなかったという。もともとは天皇が身を清める「廻立(かいりゅう)殿」、東西の祭場「悠紀(ゆき)殿」「主基(すき)殿」、調理場「膳屋(かしわや)」が基本なのだ。さらに室町時代から江戸時代の約二百二十年間は中断していた歴史もある。

 議論を尽くさず「前例踏襲」と言い、かつ仮に明治賛美をあおると、天皇神格化の復活の意図があるか、政権による天皇の政治利用の意図さえ疑われるであろう。何しろ「文化の日」を「明治の日」とする案が浮かぶ今日である。

 簡素化案は今後、十分に検討すべきであろう。「内廷費」で賄うべきだとの考えは憲法の政教分離原則に沿っている。政府は大嘗祭の宗教性を認めているから、国事行為にはできない。だが、「皇位継承に伴う重要な皇室行事」とし、公費支出する。つまりは重要というだけで論理が希薄である。

 平成の式典で一九九五年の大阪高裁判決が原告敗訴ながら、「政教分離規定に違反するという疑義は一概に否定できない」と述べたことに留意すべきである。今回もキリスト教関係団体などが「国家神道の復活を意味し、違憲だ」と主張しているし、別の市民や弁護士らが提訴する動きもある。

 象徴天皇制は戦前の君主制の否定であるし、政教分離は神権的天皇制の封印のためである。公費支出にこだわらなくとも、秋篠宮さまの提案にも十分に理があるはずである。

 即位に際しても「即位灌頂(かんじょう)」という仏教色の儀式があったが明治になり廃された。江戸期の天皇は京都・泉涌(せんにゅう)寺で埋葬されてきた。明治政府の神仏分離で変わった。そんな歴史をたどれば、現行方式は明治以降の伝統にすぎないとの考えもある。

 ◆新皇室典範から削除

 そもそも大嘗祭は新皇室典範から削除されている。戦後の国会で「信仰の点を含むため不適当」とされたためだ。それでも「前例踏襲」で戦前と同じ形式を続けるのは、思考停止と同じである。このままでは戦前回帰の宗教的なナショナリズムを抱く人らに、皇室祭祀が利用される恐れがある。

 多様な信念を持つ人々が暮らす日本で、憲法にふさわしい様式を真面目に考えてはどうか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年11月14日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」。

2019-11-15 06:10:36 | 【生物学・特定外来生物法・動物生態系・終生飼養・環境税・花粉症】

【筆洗】:「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」。

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:「そうか、そうか、つまり君はそんなやつなんだな」。

 軽蔑の交じった冷たい言葉をなんとなく覚えている人もいるのではないか。ヘッセの『少年の日の思い出』(高橋健二訳)。中学の国語の教科書で読んだ人もいるだろう▼少年時代、チョウを収集していた主人公はある日、出来心で友人のチョウの標本からヤママユガを盗みだし、誤って台無しにしてしまう。事実を知った母親に促され、友人に自分がやったと伝えるのだが、かえってきた言葉が冒頭のそれである▼「つまり人間はそんなやつなんだな」。チョウが人間に冷たくつぶやいていないか。そんな気分になる調査結果である。里山にはたくさんいると思われていた身近なチョウ八十七種類。その約四割までが「絶滅危惧種」のレベルにまで急速に減少しているそうだ▼日本自然保護協会が公表した。減少傾向にあるチョウには「国蝶(こくちょう)」オオムラサキや、ミヤマカラスアゲハなども含まれる。少し前までは普通に飛んでいたチョウが人間の油断と無関心によって消えていく▼水田の放置や開発など里山の環境変化が原因と疑われる。昆虫の急激な減少は世界的な傾向と聞くが、日本も例外ではなかった▼ヘッセはあの物語に「一度起きたことは、もう償いのできないものだ…」と書いた。失われゆく生物多様性についてはまだ償えると信じ、その改善に取り組みたい。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年11月14日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:11月13日(水)

2019-11-15 06:10:32 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:11月13日(水)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:11月13日(水) 

 【午前】10時、官邸。11時57分、東京・神南のNHKホール。全国町村議会議長会創立70周年記念式典に出席し、祝辞。

 【午後】0時43分、官邸。1時56分、西村康稔経済再生担当相、内閣府の山崎重孝事務次官、田和宏内閣府審議官、多田明弘、井上裕之両政策統括官。2時20分、西村経済再生担当相。3時31分、北村滋国家安全保障局長、滝沢裕昭内閣情報官、山田重夫外務省総合外交政策局長、増子豊防衛省統合幕僚副長。51分、北村国家安全保障局長。4時3分、鈴木宗男日本維新の会参院議員。5時17分、経済財政諮問会議。6時44分、報道各社のインタビュー。46分、公邸。参院予算委員会の金子原二郎委員長、福岡資麿与党筆頭理事らと会食。菅義偉、岡田直樹正副官房長官同席。8時8分、全員出る。宿泊。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年11月14日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:桜を見る会 「私物化」は許されない

2019-11-15 06:10:28 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【社説①】:桜を見る会 「私物化」は許されない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:桜を見る会 「私物化」は許されない 

 安倍晋三首相が、自ら主催する「桜を見る会」に、後援会関係者らを多数招いていた。公金を使った便宜供与なら、違法性を問われかねない。あいまいな説明やごまかしは許されない。

 毎年四月、東京・新宿御苑で行われる桜を見る会は、各界で功績のある人や著名人を首相が慰労する趣旨で開催され、無料で酒や食事、土産物が振る舞われる。

 首相がこの場で選挙区の有権者を接待したのなら、公職選挙法が禁じる寄付行為や税金の目的外支出という財政法違反などに当たる可能性が出てくる。

 八日の参院予算委員会で共産党の田村智子氏は、第二次安倍内閣以降、会の参加者と支出は伸び続け今年は参加者一万八千二百人、支出約五千五百万円と二〇一四年から五年間でそれぞれ一・三、一・八倍になっていると追及した。

 内閣府の開催要領は、招待範囲として皇族や各国大使、最高裁長官、都道府県知事らに加え「その他各界の代表者等」を示す。この枠を使い、首相ら与党議員が後援者らを招いているとみられる。

 首相の地元、山口県内の県議や市長、ライオンズクラブ会員などはたびたびブログや会報で会への参加を報告。今年はバス十七台に分乗して新宿御苑に向かったとの記述もあり、首相の後援者らの参加は数百人に上ったようだ。

 このほか、萩生田光一文部科学相や稲田朋美元防衛相も、後援者が会に参加したことをネットなどで記している。

 会が与党議員の後援会活動の場と化しているとしたら、公的行事の「私物化」であり、言語道断である。

 首相は予算委で招待者を選ぶ基準を問われたが明確に答えられず、名簿公表も「個人情報」を理由に拒否した。会への参加が記念写真と共に公表されているのに、全く理屈に合わない。内閣府が招待者名簿を終了直後に廃棄したとしているのも極めて不自然だ。

 首相の後援者には会の前日、都内のホテルで「前夜祭」が催されそこでも飲食が提供されたという。五千円の会費制で行ったとの証言もあるが、会場費などについての記載が首相側の政治資金収支報告書にはなく、政治資金規正法違反の疑いも指摘される。

 安倍内閣では、後援者を観劇に招待し閣僚を辞任した例がある。首相の違法行為は内閣総辞職に値する。首相自身が説明を尽くさなくては疑いは一切晴れない。重い責任を感じるべきだ。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年11月13日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:香港長官強硬策 人民にこそ目を向けよ

2019-11-15 06:10:24 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説②】:香港長官強硬策 人民にこそ目を向けよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:香港長官強硬策 人民にこそ目を向けよ 

 香港デモに対し長官が強硬姿勢を鮮明にした。中国の習近平国家主席による「暴力活動の制止と処罰」の要求に応えた形だが、何よりも優先すべきは人民の安全を守った上での香港の安定である。

 混乱が続く香港では十一日、警官がデモ参加者に実弾三発を発射。うち一発が二十一歳の男性に命中し、一時重体になった。

 警察当局は会見で「デモ隊が拳銃を奪おうとした」と実弾発砲を正当化しようとした。だが、香港メディアのネット映像を見る限り、警官は武器を持たない男性らに至近距離からちゅうちょなく発砲したように映る。

 デモ隊が警官に実弾で撃たれたのは三人目だが、警察にとって市民に向け実弾発砲することへのハードルが下がっていることは明白で、危険な状況と言うしかない。

 その背景には、林鄭月娥行政長官の強硬策への転換があるのは疑いない。林鄭長官は十一日に会見し「暴力を社会全体で厳しく非難すべきだ」と述べ、デモ隊の要求に応じることは一切ないとの姿勢を鮮明にした。しかも、香港の安定を取り戻すため林鄭長官が自発的に行った戦術転換ではなく、習氏の指示に忠実であろうとする行動にしか見えない。

 五カ月余に及ぶ香港デモの主因は、中国が国際公約した「一国二制度」をじわじわ踏みにじってきたことにあるのは間違いない。

 だが、混乱を長引かせている大きな原因は、北京の顔色ばかりを気にして、有効な打開策を打ち出せなかった林鄭長官の無策にある。長官が目を向けるべきは何よりも香港市民であるはずだ。

 長官の強硬策を受け、警官隊は香港大など三つの大学に初めて催涙弾を撃ち込んだ。これに対し、学生らが「黒警(やくざな警察)への報復」と、敵意をむき出しにしているのも気がかりだ。

 市民間でも、デモ隊がデモに反対する男性と口論になり、可燃性の液体をかけられ火を放たれた男性が重体となる事件も起こった。

 中国、香港政府に民主化を求める運動であるはずなのに、意見を異にする人たちの間で憎悪が強まり、社会の分断が深まるのは不幸である。デモ隊にはぜひ、理性ある非暴力の運動を貫いてほしい。

 中国は十月末の重要会議「四中全会」で「反乱扇動」などを禁止する法整備を香港政府に求めた。混乱に乗じて、武力を背景に鎮圧に乗り出すようなことは厳に避けるべきである。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2019年11月13日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【筆洗】:一九八五年に売り出した時の商品名は「缶入り煎茶」という少々、味気ないものだったそうだ

2019-11-15 06:10:20 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【筆洗】:一九八五年に売り出した時の商品名は「缶入り煎茶」という少々、味気ないものだったそうだ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗】:一九八五年に売り出した時の商品名は「缶入り煎茶」という少々、味気ないものだったそうだ

 ▼数年後、テレビCMの中で俳優が口にしたせりふをヒントに商品名を変えた。そのとたんに、売り上げが二倍になったそうだ。伊藤園の大ヒット飲料「おーい お茶」である▼話し言葉を使った独特の名が消費者の印象に残りやすく、親しみやすかったか。商品名の覚えやすさや好ましさは売り上げを大きく左右するものなのだろう▼これとは正反対で、既に広く認知されている名前をやや分かりにくいものに変更するらしい。何かといえば豚コレラ。農水省は感染が拡大する「豚コレラ」の呼称を「CSF」に変更する方針という。アルファベット三文字は正直覚えにくい▼豚肉への風評被害を防ぐ措置だろう。豚コレラは人に感染しないが、その名に人の感染症である「コレラ」がある。これが災いし、消費者にいらぬ不安を与えやすいと考え、国際的に使用される「CSF」(CLASSICAL SWINE FEVER=古典的な豚の熱病)の方を選んだという。養豚業者を思えば、分かりにくい改名ながら理解はできる▼残念ながら名を変えても感染力の強さは変わらない。名からコレラが消えたことで、警戒や世間の関心が薄れるようなことがあってはなるまい。注意し(C)真剣に(S)感染を防ぐ(F)とでも覚えるか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2019年11月13日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【私設・論説室から】:町追い込む地上イージス

2019-11-15 06:10:16 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・核兵器・武装・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【私設・論説室から】:町追い込む地上イージス

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【私設・論説室から】:町追い込む地上イージス 

 日本海に面した山口県阿武町。白松博之さんの白菜畑は、防衛省が同県萩市に配備を計画する地対空迎撃システム「イージス・アショア」から約二百メートルのところにある。

 防衛省によると、レーダーから半径二百三十メートル以内は人体への影響があり、危険という。白松さんは「息子に白菜づくりを続けろとは言えない。農業をやめるしかない」。

 二十三年前の転落事故で車いすの生活を余儀なくされ、畑作は息子たちが引き継いだ。自身は農家民宿を立ち上げる一方、自然に恵まれた阿武町の魅力を都会の人に知ってもらう「お試し移住」の旗振り役を務めた。

 「阿武町で農業をしたい」。そんな相談は年に十数件あった。しかし、イージス・アショアの候補地と防衛省が発表した昨年六月以降の問い合わせはゼロだ。

 「強力なレーダー波(電磁波)を浴びるかもしれない町にだれも移住しようとは思わない。風評被害だけでも町は駄目になる」

 阿武町には発射する迎撃ミサイルの第一弾ロケットが落下する危険さえある。防衛省の担当課長は萩市議会で「絶対に陸上に落ちないとは言えないが、弾道ミサイルがわが国領域に直撃することと比較すると被害は比べものにならない」と発言した。多少の犠牲はやむを得ないというのだ。

 阿武町の住民を守れない防衛省に国民を守れるはずがない。 (半田滋)

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【私設・論説室から】  2019年11月13日  06:10:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【首相の一日】:11月12日(火)

2019-11-15 06:10:12 | 【政策・閣議決定・予算・地方創生・能動的サイバー防御・優生訴訟・公権力の暴力】

【首相の一日】:11月12日(火)

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【首相の一日】:11月12日(火) 

 【午前】8時9分、官邸。16分、国家安全保障会議の9大臣会合。33分、閣議。49分、岸田文雄自民党政調会長。9時31分、米国ユダヤ人委員会のハリス委員長らの表敬。「諸国の民の光賞」のトロフィー受け取り。10時15分、ミリー米統合参謀本部議長らの表敬。11時8分、麻生太郎副総理兼財務相、財務省の岡本薫明事務次官、太田充主計局長、矢野康治主税局長、可部哲生理財局長。49分、麻生副総理兼財務相。

 【午後】0時、政府与党連絡会議。47分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「芙蓉の間」で昭恵夫人と共に自民党衆院議員の夫人でつくる「LDPワイヴズネットワーク」の会合に出席し、あいさつ。1時12分、官邸。15分、日本音楽著作権協会(JASRAC)の創立80周年記念祝賀会に向けたビデオメッセージ収録。45分、秋葉賢也首相補佐官。2時9分、自衛隊部隊表彰式。山本朋広防衛副大臣同席。41分、障害者アーティストの徳原望氏、パラアスリートの山内裕貴氏から絵画の受け取り。3時6分、皇居。内奏。55分、官邸。59分、北村滋国家安全保障局長、外務省の秋葉剛男事務次官、滝崎成樹アジア大洋州局長。4時50分、北村国家安全保障局長、滝沢裕昭内閣情報官、宮川正内閣衛星情報センター所長。56分、滝沢内閣情報官。5時20分、未来投資会議。6時26分、東京・丸の内のパレスホテル東京。宴会場「葵」でパラオとの外交関係樹立25周年記念祝賀会に出席し、あいさつ。7時1分、東京・銀座のステーキ店「かわむら」。麻生副総理兼財務相、自民党の二階俊博幹事長、鈴木俊一総務会長、岸田政調会長、林幹雄幹事長代理、河村建夫衆院議員と会食。9時13分、東京・富ケ谷の私邸。 

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 政治 【政局・首相の一日】  2019年11月13日  06:10:00  これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。

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【2019年11月13日 今日は?】:ソ連亡命の女優岡田嘉子が34年ぶり帰国

2019-11-15 00:00:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2019年11月13日 今日は?】:ソ連亡命の女優岡田嘉子が34年ぶり帰国

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2019年11月13日 今日は?】:ソ連亡命の女優岡田嘉子が34年ぶり帰国

 ◆11月13日=今日はどんな日

  島根医科大で日本初の生体肝移植手術成功。父親から長男に肝臓の一部移植(1989)

 ◆出来事

  ▼ソ連に亡命していた女優岡田嘉子が34年ぶり帰国(1972)▼パリで同時多発テロが発生し死傷者多数(2015)


       杉本良吉(左)と岡田嘉子(右)

 ◆誕生日

  ▼由紀さおり(48年=歌手)▼伊勢正三(51年=歌手)▼野村将希(52年=タレント)▼見栄晴(66年=タレント)▼木村拓哉(72年=タレント)▼清塚信也(82年=ピアニスト)▼倖田来未(82年=歌手)▼戸塚祥太(86年=A.B.C-Z) 

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2019年11月13日  00:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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