【中国】:アプリで国民統制 不都合な投稿には「制裁」
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中国】:アプリで国民統制 不都合な投稿には「制裁」
中国の習近平指導部が、11億人余りが利用する通信アプリ「微信(ウィーチャット)」を使った国民の統制を強化している。共産党・政府に不都合な投稿をすればアカウント閉鎖や当局による拘束などの「制裁」を加える。毛細血管のように張り巡らされた監視網を嫌がり、中国でも利用を避ける動きが出ている。
微信(ウィーチャット)のアカウント閉鎖を通知するメッセージ(共同)
スマートフォンを使う市民(共同)
「悪質なうわさを発信するなど規約違反の内容があった」。7月、北京の大学教授の女性(64)がウィーチャットを開こうとするとアカウント閉鎖の通知が表示された。習国家主席を批判して当局の迫害を受けている法学者、許章潤氏の著書の写真を投稿したことが問題視されたと直感したが、何が規約に触れたのか説明はなかった。
アカウントを閉鎖されたのは5回目。ウィーチャットを使った電子決済や病院の予約、大学のシステムへのログインができない。同アプリは中国のIT大手、騰訊控股(テンセント)が提供。会員制交流サイト(SNS)のほか、公共料金の支払いや金融、インターネット通販など多くの機能があり、女性は「生活にも仕事にも支障が出る。もはや人権侵害だ」と憤る。
習指導部は2017年にネットサービスの運用管理者に公安当局への協力や利用者の実名登録を義務付ける「インターネット安全法」を施行。当局の意向を受けた運用管理者側は、利用者の同意を得ずに個人情報にアクセスし、党・政府への批判や抗議活動の呼び掛けなどを確認すればアカウントを閉鎖している。
米国など国際社会は中国発のアプリを通じた情報流出などを警戒しているが、中国の利用者も過度な依存は危険だと感じ始めている。新型コロナウイルス流行が最初に確認された湖北省武漢市では、当局の感染症対応への不満を投稿した市民のアカウント閉鎖や拘束といった事態が続出した。「シグナル」「テレグラム」など海外の通信アプリを使う人が増えている。(共同)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・アジア・中国・台湾・香港】 2020年08月12日 09:40:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。