吉永小百合さん(76)が22日、都内で行われた主演映画「いのちの停車場」(成島出監督)公開記念舞台あいさつで、緊急事態宣言の延長を受け東京都が独自に決めた休業要請に疑問を呈した。

映画「いのちの停車場」で舞台あいさつする吉永小百合(撮影・柴田隆二)映画「いのちの停車場」で舞台あいさつする吉永小百合(撮影・柴田隆二)

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 映画館が加盟する全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)は、11日の声明で、都の担当者に質問しても「感染症のリスク上の線引きではなく、人流抑制を目的としたもの」以上の回答はないと明かした。演劇が人数上限5000人で休業要請が解かれ、多くても総座席数3000席前後の映画館に休業要請を続ける本当の理由は何なのか?

 全興連は映画館でクラスターはないと断言する。興行場法で義務付けられた換気能力を持つ機械換気設備を設置し、自治体から許可を受け営業しており、東映の手塚治社長も舞台あいさつで強調したように「行政のガイドラインに沿った十分な対策」も取っている。

 単館系の映画館の経営者や作品を上映する監督は、昨春から「#SAVE the CINEMA」キャンペーンを組み、文化庁に要望書を提出し、抗議活動も辞さず映画を守る戦いを続けてきた。ただ大手を含めた業界全体が一枚岩だと言えるだろうか? 吉永が発言するに至ったことを、業界全体で重く考えるべきではないか?【村上幸将】