【深堀り】:G7首脳に「支持」された五輪、残った重い課題 脱炭素は進展乏しく
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【深堀り】:G7首脳に「支持」された五輪、残った重い課題 脱炭素は進展乏しく
英南西部コーンウォールで開催された主要7カ国首脳会議(G7サミット)は13日、首脳宣言を採択し、閉幕した。
菅義偉首相はG7サミットで、1カ月余りと迫った東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて、各国首脳から「支持」を取り付けた。新型コロナウイルスの感染拡大への不安から国内に慎重な意見が根強くある中、国際社会で開催を既成事実化した格好だ。ただ、首脳宣言では「安全・安心な形での開催」が支持の事実上の条件となっており、重い課題は残されたままだ。
◆菅首相とバイデン氏に温度差
「全首脳から大変力強い支持を頂いた。主催国の首相として心強く思うとともに、しっかりと開会し、成功に導かなきゃならないと決意を新たにした」。一連の日程を終えた首相は13日、記者団に胸を張った。
首相は今回のサミットで、東京五輪開催の支持取り付けに躍起となった。11日の全体会合では「世界が大きな困難に直面する今だからこそ、人類の努力と英知によって難局を乗り越えていけることを世界に発信したい」と決意を表明。「世界のトップ選手が最高の競技を繰り広げることを期待している」と選手団の派遣を各国首脳に呼びかけた。
全体会合の合間を縫って開いた各国首脳との個別会談でも東京五輪を話題に。日本政府によると、2024年パリ五輪を控えるフランスのマクロン大統領は「開会式への出席を楽しみにしている」と表明。カナダのトルドー首相も「多くのメダル獲得を楽しみにしている」と語った。断続的に協議したバイデン米大統領も、菅首相の「感染対策を万全にし、安全・安心な大会を実現する」との言葉に「もちろん、あなたを支持する」と応じたという。
日本側の働きかけにより、サミットの首脳宣言では東京五輪・パラリンピックについて「新型コロナに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で開催することを改めて支持」すると盛り込まれ、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長は「世界的な連帯の精神の下、全ての人に安全で安心な大会を実現するための大きな励みに…、
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