【森友疑惑】:「赤木ファイル」財務省と近畿財務局の主なメールのやり取り
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友疑惑】:「赤木ファイル」財務省と近畿財務局の主なメールのやり取り
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題で、国は22日、自殺した近畿財務局職員、赤木俊夫さん(当時54歳)が改ざんの経緯をまとめた「赤木ファイル」を遺族側に公開した。ファイルには、改ざんを主導した財務省(本省)と、赤木さんら近畿財務局の職員らが交わした約40通のメールが含まれ、書き換えに至る詳細なやり取りが明らかになった。主なメールは以下の通り。肩書は2017年当時のまま。(■は財務省がマスキングし、●は毎日新聞の判断で匿名にした。2018年の財務省の処分結果などを考慮した)【桐野耕一、稲垣淳、郡悠介、清水晃平、茶谷亮】
赤木俊夫さん=遺族提供
<2017年2月16日午後11時16分、赤木さんら8人に転送された財務省理財局課長補佐のメール「FW:近畿財務局の決裁のコピー」(要旨)>
近財に連絡し、
・森友への貸付の決裁
・森友への売却の決裁
・その他、森友関連の部長以上決裁
のコピー(1枚目は必須、2枚目以降は大量の添付資料は不要)のデータをもらっていただけませんでしょうか。(略)
福島議員からの宿題返しです。上記を議員に持っていくつもりはまったくなく、朝、局長に
・こんな決裁です。この基準に沿っています
・議員にはこれは持っていかず、秘書に電話で、契約主体は近畿財務局長でした!と伝える
・仮に物を出せと言われたら、近畿に探させているけどなかなか…と引き取る(実害がなさそうなら、追って、提出)
方針を説明したいと思います。(冨安=泰一郎・財務省国有財産企画=課長了)
赤木ファイルで示された改ざんの記録
代理人弁護士の事務所に届いた「赤木ファイル」を開封する赤木俊夫さんの妻雅子さん=大阪市北区で2021年6月22日午前10時15分、梅田麻衣子撮影(画像の一部を加工しています)
明日に回すと忘れそう、仮にこれを理由に福島議員が予算を止めるのは勘弁してほしいので、近畿の方がまだ残っていれば、発注してもらえませんでしょうか。(■■からの深謝及びことが終わったらおごりますとお伝えください…)
■■ 拝
◆最初の資料、議員への対応連絡か
2017年2月16日深夜に赤木さんに転送された理財局国有財産企画課長補佐のメールが、「赤木ファイル」に残された決裁文書改ざん問題の最初の資料だった。翌17日の衆院予算委員会で民進党の福島伸享衆院議員(いずれも当時)が森友問題を追及するため、決裁文書が残っているのではと財務省に質問を事前通告。対応するための連絡だったとみられる。
メールには、決裁文書は用意するが「議員に持っていくつもりはまったくない」とあり、仮に提出を求められた場合、「近畿(財務局)に探させているけどなかなか……と引き取る」との方針が記されていた。末尾には「ことが終わったらおごりますとお伝えください」との記載もあった。
予算委員会では福島氏の質問に、当時の安倍晋三首相が「私や妻が学校の認可や国有地払い下げにかかわっていれば、総理大臣も国会議員もやめる」と発言。首相の妻や政治家の関与を記録から削除するため、改ざんが行われていった。
◇
<17年2月26日午後3時48分、財務省理財局係長から近畿財務局職員7人に送られた「【重要・作業依頼】貸付特例承認申請について」(要旨)>
近畿局の皆様
本省内で保有している森友学園関係の書類(=行政文書)については、特例承認時の決裁(H27)だけなのですが、あらためて当該文書を確認していたところ、本省で作成している調書は勿論、近畿局からの申請に添付されている調書等(近畿作成)についても、今後開示請求があった際のことを踏まえると、現時点で削除した方が良いと思われる箇所があります。
当該箇所をマーキングしておきましたので、本省と近畿局内の間できちんと認識を共有させておくためにも近畿局の決裁文書につづられている調書等を修正・差し替えするとともに、当該修正後の文書を本省にメール送付いただけますでしょうか。
(近畿から送られてくる当該修正後の文書をもって、本省内の文書も差し替えますので、できる限り早急に対応願います)
※修正をお願いしたいのは「調書」および「経緯」の部分ですが、1点、別添「森友学園の概要」というペーパーも本省内の決裁文書に綴られており、これも本省内では修正の必要があるのですが、本文書は近畿局内の決裁文書上にもあるのか、あわせてご確認ください。あるようでしたら、調書等と同様に修正・差し替えを、無いようでしたら本省内の文書を修正します。
◇
<17年2月26日午後5時5分、近畿財務局・小西真管財部次長から■■■■に送られた「報告」>
学園の概要は廃棄済み。調書は別添のとおり。なお、4(1)を多少簡便に修正済み、1の概要の※はふたつともおとし。別紙1経緯は廃棄 調書上別紙2はないので整合も問題なし。
◇
<17年2月26日午後7時28分、財務省(国有財産)審理室から近畿財務局へ送られた「【確認中】森友事案決議書関係」(要旨)>
添付ファイル:経緯(処分方針の決定).docx
(近畿財務局)●●課長 様
池田(靖・近畿財務局)統括(国有財産管理官)様
標記の件につきまして、以前、当方に送付いただいている決裁資料を確認しました。以下の決裁文書について、修正方いただくとともに、当方に修正版を送付方お願いします。
【特別会計所属普通財産の処理方針の決定について】
○調書
5.売払いに至る経緯
(1) 残し
(2)~(4)を以下のとおり修正。
⇒(2)その後、同年3月に、森友学園から、早期に学校を整備し開校するために、埋設物の撤去及び建設工事等を実施する必要があり、国有地を購入したい旨の要望があったものである。
○経緯
別添1のとおり差替え
【予定価格の決定(売払価格)及び相手方への価格通知について】
○調書
5.本件売払いについて
(1) 残し
(2)~(4)を以下のとおり修正。
⇒(2)その後、同年3月に、森友学園から、早期に学校を整備し開校するために、埋設物の撤去及び建設工事等を実施する必要があり、国有地を購入したい旨の要望があったものである。
7.価格提示について
「関東財務局等が採用している方法を参考に」を削除
【普通財産売払決議書】
○調書
5.本件売払いに至る経緯について
(1) 残し
(2)~(4)を以下のとおり修正。
⇒(2)その後、同年3月に、森友学園から、早期に学校を整備し開校するために、埋設物の撤去及び建設工事等を実施する必要があり、国有地を購入したい旨の要望があったものである。
不明な点があれば、連絡ください。
審理室 ■■拝
◇
<17年2月27日午後6時15分、赤木さんから財務省とみられる補佐・係長に返信された「RE:【確認依頼】M事案」(要旨)>
■■補佐、■■係長様
ご指示に従い、内容を確認して、大幅にカットさせていただきました。
近畿・赤木
(元のメールは、17年2月27日午後3時2分、財務省から近畿財務局の池田靖・統括国有財産管理官や赤木さんに送られた「【確認依頼】M事案」)
池田統括、赤木上席様
お世話になっております。標記の件につきまして、別添のとおり送付します。御確認方お願いします。
◇
<17年3月8日午後5時45分、赤木さんから財務省に返信された「RE:連絡」(要旨)>
■■補佐様
本件対応について、楠(敏志・近畿財務局管財)部長に報告しました。田村(嘉啓・財務省国有財産審理)室長から、部長に電話連絡があったと聞いております。今朝、■■補佐からご依頼のありました、調書の一部の文言修正を求められている箇所(原調書6の(3)の⑤、⑥)について、当局が文言の修正を行うことは、以下のように考えております。
○売払調書
・今後、会計検査院の受検を受ける当局として、既に意思決定した調書を修正することに疑問が残ること
・国会対応のため、本省の判断において修正等を行うことは、そのご指示に従うこと(本省が修正したものに差し替える)
○事業計画書及び利用計画書
業務管理課と以下の見解に相違ないことを確認済
・状況の変化等が見られない中で、一部不開示決定(防犯上の観点から法人の権利利益を害するおそれあり)した内容を変えることはできない
・国交省住宅局において民進レク等の資料として開示していることをもって周知の事実とは言えない
国交省の判断と当局の開示等の判断が一致する必要性もない
・■■■■■■■■■■■は、以前面談した際、当局が一部不開示決定した内容を、本省は議員に開示していることに対しクレームがあったこと(今後も同様の苦情等が寄せられる可能性)
以上のことから、当局としては、売払申請書に添付されている事業計画書等は、従前の開示決定内容と合わせて一部不開示することが適当と考えています。
近畿・赤木
◇
<17年3月20日午後10時49分、財務省(国有財産)審理室から赤木さんら近畿財務局へ送られた「取得要望書について」(要旨)>
標記の件につきまして、本日、別添資料にて局長説明を行いましたので、送付します。今後の予定ですが、明日、別添資料(マスキングバージョンのみ)にて与党廻りを行い、その結果を局長に御報告の上、民進党に出すかどうか決定することとなります。その際は、当方からその旨連絡します。
なお、本日、売払決議につきまして、局長説明を行いましたが、局長からの指示により、調書につきましては、現在までの国会答弁を踏まえた上で、作成するよう直接指示がありましたので、改めて、調書を修正後、局長説明を行う予定です。今後とも宜しくお願いします。
審理室 ■■拝
◆「森友配慮」恐れの記述削除
財務省の調査報告書によると、この日は森友学園への国有地売却の経緯を記した「売り払い決議」の書き換え内容について、佐川宣寿理財局長を含めて議論が行われた。理財局では国会審議への対応や議員からの説明要求などに追われていたため、佐川局長から2~3月にかけて積み重ねてきた国会答弁を踏まえた内容にするよう念押しがあったという。議論を踏まえ、翌日までに書き換え案が作成され、近畿財務局と共有された。
売り払い決議では、売却に至る経緯や、学園に配慮したと取られる恐れのある記述などが削除された。一方、この時期には近畿財務局が本省の改ざん指示に対して、反発を強めていた。
◇
<17年3月25日午前1時23分、財務省(国有財産)審理室から近畿財務局に送られた「M学園に関する行政文書の整理について」(要旨)>
関係者各位
標記の件につきまして、貴局から送付いただいたものを審理室内で確認し、開示請求及び会計検査院への対応時における行政文書を整理しているところです。今後の手順について、以下のとおり進めていきたいと考えております。なお、この作業は、今月末を目途にできるよう進めていきたいと思っておりますので、ご協力方お願いします。
①(本省⇒近畿局)行政文書の確認依頼
②(近畿局⇒本省)本省からの文書について、必要があれば、文書の追加及び削除を検討し本省に送付。
③(本省⇒近畿局)近畿から送付された文書を確認し、本省内で審理室長まで相談した結果を近畿に送付。
⇒以上のことから、開示請求及び会計検査院時における行政文書がセットとなります。
審理室 ■■拝
◇
(備忘メモ)
2017/3/8
本省■■補佐からの指示(11時50分)
(本省)
・「売払調書」について
・総務課長まであげて、指示を受けた。
・相手方に配慮したと取られるような表現の修正を考えてほしい。
具体的には、
①延納調書「その他参考事項」欄に申請法人の直近3期分の計算書類からとあるので、平成25年度分を挟み込むこと
②7.3
③経緯(現本省修正版)は、あっさりし過ぎとの総務課長の意見があったので、(審理室で)加筆する
元稿:毎日新聞社 主要ニュース 政治 【政策・学校法人「森友学園」への国有地売却を巡る財務省の決裁文書改ざん問題・「赤木ファイル」を遺族に開示した】 2021年06月22日 20:35:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。