路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【ここがおかしい 小林節が斬る!】:枝野代表には説明責任がある<上>共産とは「理念」のどこが違う?

2021-06-27 06:30:40 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【ここがおかしい 小林節が斬る!】:枝野代表には説明責任がある<上>共産とは「理念」のどこが違う?

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ここがおかしい 小林節が斬る!】:枝野代表には説明責任がある<上>共産とは「理念」のどこが違う?

 17日、立憲民主党の枝野代表は、総選挙で勝っても、共産党とは、「理念に違っている部分があるので連立政権は考えていない」と記者たちに明言した。

 立民が総選挙で自公を過半数以下に抑え込んだとしても、準与党と言える維新が存在する以上、立民と国民で過半数を得ることは不可能で、共産を加えなければ過半数は取れないと考えるのが、今の情勢では常識的なところであろう。それに、枝野氏自身が言及しているように、共産党との候補者一本化(つまり選挙協力)なしに今の立民が大きく議席を伸ばすことなど考えられない状況である。

 だから、端的に言ってしまえば、枝野氏は、「共産党の協力を得て選挙で勝利したいが、その結果として政権を奪取できても、共産党は入閣させない。それは、共産党とは基本的な考え方で一部に違いがあるからだ」と言っているに等しい。

 しかし、そんな虫のいい(つまりずうずうしい)話があるだろうか?

 小選挙区を中心とする今の選挙制度の下では、自公の与党連合に対して野党全体が一つにならない限り政権交代が起こり難いことは自明である。

 2012年に改憲草案を党議決定し明治憲法への回帰を指向する自民党と、明治憲法体制に歯向かって初代会長が獄死した創価学会の政治部として始まった公明党は、基本的な「理念」が異なり長年対立していた。それが今では臆面もなく選挙協力して政権を共有している。その結果が腐敗した権力の私物化である。

 だから、今、多方面から、政権交代に向けた野党共闘が求められている。

 それに対して、野党第1党の党首が、総選挙を前にして、「共産党には選挙協力を求めるが、その結果、総選挙で勝っても共産党は政権に入れない」と発言するとは、共産党に対して極めて非礼な話である。

 だから、枝野氏は、排除の根拠として自らが指摘した「理念が違っている」とは、何がどう違っているのか? 自らの言葉で有権者に説明すべき責任がある。

 その上で、共産党からの率直な反論もぜひ聞きたい。=つづく


◆本コラム 待望の書籍化! 発売中
『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円) 

小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ

  小林節慶応大名誉教授(C)日刊ゲンダイ

 ■小林節 慶応大名誉教授

 1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著) 5月27日新刊発売「『人権』がわからない政治家たち」(日刊現代・講談社 1430円)

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・「ここがおかしい 小林節が斬る!」】  2021年06月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【菅政権】:新国家公安委員長に棚橋氏起用の茶番 菅首相から麻生財務相への「ゴマスリ人事」

2021-06-27 06:30:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【菅政権】:新国家公安委員長に棚橋氏起用の茶番 菅首相から麻生財務相への「ゴマスリ人事」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【菅政権】:新国家公安委員長に棚橋氏起用の茶番 菅首相から麻生財務相への「ゴマスリ人事」

 現職閣僚が横浜市長選出馬のため辞任という異例の事態を受け、25日、後任の国家公安委員長に、自民党の棚橋泰文元科学技術担当相(58=衆院岐阜2区・当選8回・麻生派)が就任した。

新国家公安委員長の棚橋氏は菅首相と当選同期(C)日刊ゲンダイ

  新国家公安委員長の棚橋氏は菅首相と当選同期(C)日刊ゲンダイ

 22日に小此木前委員長が市長選出馬を明言しても後任候補の名前はなかなか挙がらず、国家公安委員長は来月開幕の東京五輪の警備責任者だけに、もはや同ポスト経験者から探すしかないのではとみられていた。フタを開けてみれば2004年の小泉内閣時以来という“再入閣待機組”に白羽の矢が立った。

 ■「同期の桜」をまた優遇

 菅首相は棚橋氏の起用について「科学技術などの担当相として尽力し、党行政改革推進本部長としてデジタル化や規制改革にしっかり取り組んだ経験を重要視した」と説明したが、それは表向き。毎度の「同期の桜」優遇と総裁再選狙いの思惑が透けて見えるのだ。

 「棚橋氏は1996年衆院初当選で、菅首相と当選同期。昨秋の総裁選では菅陣営の選対幹部も務めた。内閣と党執行部には首相の同期がズラリで、そこにもう一人加わった。さらに、棚橋氏が麻生派というのが肝。菅首相が自らの総理総裁続投を意識し、麻生財務相に配慮した人事でしょう。特に棚橋氏は麻生派の事務総長ながら、派閥を渡り歩いて同派に流れ着いた新参者。派閥の中枢ではない人物が閣僚に起用されるのは、『麻生派に入れば大臣になれる』というメッセージになるので、領袖にとって喜ばしいことなのです」(政界関係者)

 当選3回の41歳で初入閣した棚橋氏は、かつて同期の出世頭で、本人も10年くらい前までは「総理を狙う」と公言していた。しかし、08年に総裁選出馬を目指したものの推薦人が集まらず、その後は鳴かず飛ばず。

 予算委員長を務めていた昨年の通常国会では、行司役の委員長の議事進行が政府寄りだとして野党が抗議し、立憲民主党の枝野代表から「そろそろ入閣したくて、(安倍)総理にシッポを振っているポチなのか」と批判されている。

 「棚橋氏は東大卒の元通産官僚のうえ、弁護士資格も持つエリート。父も大物通産次官で名門一族です。行政能力は高く、急な起用でも対応できると思います。ただ、常に上から目線なので、党内ではあまり好かれていない」(前出の政界関係者)

 菅首相から麻生大臣へのゴマスリ人事ということだ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2021年06月27日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【異例の舞台裏の醜悪】:横浜市長選をめぐる魑魅魍魎

2021-06-27 06:30:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【異例の舞台裏の醜悪】:横浜市長選をめぐる魑魅魍魎

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【異例の舞台裏の醜悪】:横浜市長選をめぐる魑魅魍魎

 政権維持のためには手段を選ばないということなのか。

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致が争点となっている横浜市長選(8月8日告示、同22日投開票)に、自民党の小此木八郎衆院議員(神奈川3区)が「IR誘致中止」を掲げて正式に出馬表明した。国家公安委員長の立場にありながら、立候補の意思を口にしていた小此木は25日、菅首相に辞表を提出。現職閣僚が職を放り出して市長選に転出するのも異例だが、国家公安委員長は開催まで1カ月を切った東京五輪の警備責任トップだ。コロナ禍での強行で来日する大会関係者は5万人規模まで削減されたとはいっても、世界中から人をかき集めれば不測の事態が起きないとは限らない。菅が政権の命運をかける東京大会を蹴っ飛ばした上、菅がお膝元へ引っ張ろうとしているカジノ誘致を潰そうというのだから、グチャグチャもグチャグチャである。

 政治ジャーナリストの角谷浩一氏は言う。

 「どんな理屈があろうが、警備担当トップが五輪直前に逃げ出すのは無責任のそしりを免れない。しかも、開催期間中の地元首長選への出馬が理由です。昨年9月の自民党総裁選で菅陣営の選対本部長を務めた小此木氏を再入閣させた菅首相が黙認しているのもおかしい。危機管理は一体どうなっているのか。任命責任を問われてしかるべきです。五輪開催中にどんな事態が起きようが、日本政府は知りませんよ、と世界に向けて喧伝しているようなものですよ」

 

 

 ◆JOCサイバー攻撃で業務停止

 小此木の後任に元科学技術担当相の棚橋泰文衆院議員を起用した菅は、五輪について「準備をしているので万全の体制で臨むことができる」と強調し、「支障を来さないよう切れ目なく対応する」と言っていたが、ハリボテだ。

 JOC(日本オリンピック委員会)が昨年4月にサイバー攻撃を受け、業務停止に追い込まれていたことも発覚。およそ3000万円の費用を投じて約60台あるパソコンやサーバー全てを1カ月かけて入れ替えたという。新型コロナウイルス対策でも危機管理の面でも、「安全安心な大会」は口先だけ。嘘っぱちだということがよく分かるが、異例の辞任劇の舞台裏は醜悪そのもの。そこには横浜市長選をめぐる魑魅魍魎が跋扈しているのだ。

 菅は官房長官時代から「観光立国を目指す日本においてIRは欠かすことができない」と公言。菅に近い現職の林文子横浜市長はIR誘致に当初から積極的だったが、3期目を争った2017年7月の選挙戦は逆風を受け、「白紙」を訴えて勝った。にもかかわらず、19年8月に誘致を正式表明し、計画を着々と推進。横浜港・山下ふ頭で開発・運営する事業者の公募で、海外のIR事業者などでつくる2グループが応募のための資格審査を先月末に通過し、市長選後に事業予定者が決定する見通しだ。20年代後半の開業を目指しているが、林の去就は不透明なまま。4期目を狙う林に対し、自民党は支援を拒否したため、態度を明らかにしないでいる。

小此木の本音は「山下ふ頭への誘致反対」


 林市政下で、カジノに反対する住民の声は完全に無視されてきた。市民団体が昨年12月、19万筆余りの署名とともにIRの賛否を問う住民投票条例設定を市に直接請求したが、今年1月の市議会で自公両党の反対で否決。一方、菅が横浜市議時代からの有力支援者で、「ハマのドン」と呼ばれる藤木企業の藤木幸夫会長もカジノ誘致に反対し、「横浜港ハーバーリゾート協会(YHR)」を立ち上げ。国際展示場やクルーズ船拠点、中長期滞在型ホテル、コンサート会場などを設ける構想をまとめ、カジノ抜きの山下ふ頭再開発を訴えている。立憲民主党は横浜市立大教授の山中竹春氏の擁立を固め、「野党統一候補」として一本化に動く。

 そこに降ってわいたのが小此木の転出で、25日の会見では「生まれ育った横浜が大事だとの思いから決意した」と訴え、IRについて「市民の理解を得られていない」として誘致を取りやめると明言。しかし、16年のIR推進法、18年のIR実施法にも賛成し、国家公安委員長としてカジノ管理委員会を所管してきた。

 小此木の亡父の彦三郎元通産相の秘書を務めた菅とは古い仲でもある。

 カジノ問題に詳しいジャーナリストの横田一氏はこう言う。

 「小此木氏の発言がどこまで本音を反映しているかはわかりません。会見では誘致中止をブチ上げましたが、〈山下ふ頭への誘致反対〉が本心で、誘致先の代替案を検討しているともいわれています。その点では、彦三郎元通産相を支えた“ハマのドン”こと藤木会長の主張にも通じる。小此木氏は藤木会長に電話で出馬を報告し、〈頑張れと言われた〉というエピソードも披露していました。自民党側の事情としては4選に意欲を燃やす林市長を断念に追い込めず、後継選びに失敗。神奈川県連からすれば、会長の小此木氏は林封じのタマとして申し分なく、支援に動くとみています。林市長と同様に当選後、豹変するのではないか」

 ◆本命呼び出しの時間稼ぎか

 こんなデタラメがまかり通るのは、横浜市長選もまた菅にとって政権の浮沈に関わる選挙だからだ。菅政権発足以降、目玉選挙は負けっぱなし。初の国政選挙となった4月の衆参3選挙で全敗し、先週末の静岡県知事選で自民推薦候補が現職に惨敗。五輪を盛り上げて秋までに必ず実施される衆院選で勝ち、自民党総裁選を無投票で乗り切り、長期政権の足掛かりをつくる。政権発足時から変わらない菅の「必勝シナリオ」はいくつもの狂いが生じているが五輪開催中にお膝元の首長選でも敗北すれば、ダメ押しもダメ押し。逆回転が一気に加速しかねない。

 「秋元司衆院議員が収賄と組織犯罪処罰法違反(証人等買収)の罪に問われて公判中のIR汚職事件では、中国企業との癒着が明らかになった。横浜市の事業者選定作業に残っているのはシンガポール系と香港系のIR企業で、政権側には反対運動を助長させかねない中国系は避けたいとの思惑もある。本命は途中離脱した業界最大手の米ラスベガス・サンズで、日本撤退の理由とされるIR実施法を改正し、有利なビジネス環境を整えれば呼び戻せるとの期待もある。横浜市長選の混迷はそのための時間稼ぎ、仕切り直しの側面もあるとみられています」(永田町関係者)

 五輪直前に警備トップの首をすげ替える異様事態にカジノ利権の腐臭。その中心人物が現職総理というおぞましさに、この政権の正体が見え隠れする。

「林市長の後釜争いがカジノの賛否だけで決まっていいのか。将来のビジョンがろくに議論されなければ、横浜市政は食い物にされ続けるだけ。民意とはかけ離れるばかりですよ」(角谷浩一氏=前出)

 地元有権者も国民もないがしろ。菅政権は誰のためにもならない。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2021年06月26日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【それでもバカとは戦え】:河井夫妻買収事件は誰が指示したのか 目くらましの五輪選手より検察にエールを

2021-06-27 06:30:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【それでもバカとは戦え】:河井夫妻買収事件は誰が指示したのか 目くらましの五輪選手より検察にエールを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【それでもバカとは戦え】:河井夫妻買収事件は誰が指示したのか 目くらましの五輪選手より検察にエールを

 白昼堂々と行われた自民党による大犯罪。2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、公職選挙法違反に問われた元法相の河井克行に対し、東京地裁は懲役3年、追徴金130万円の判決を言い渡した。

 ※写真:「これは総理案件だから」(2019年7月の参院選で河井案里氏(左)の応援演説に駆け付けた安倍首相=広島市、当時)/(C)共同通信社

2019年6月22日には菅官房長官を弁士に呼んで演説会を行った

 国の根幹を破壊する蛮行がまかり通ったのも、「安倍(晋三)さんから」(広島県府中町の町議の証言)と言って現金を配っていたのだから、もらう側も油断があったのだろう。実際、克行自身も検察を抑え込む自信があったようだ。「週刊文春」(2020年6月25日号)によると、広島地検の幹部は記者に対し「官邸が圧力をかけて、河井夫妻の捜査をやめさせようとしている」と発言。また克行は法相に就任すると知人に対し「法務・検察の上に立った。もう何があっても大丈夫だ」と語っていたという(「東京新聞」同年6月19日付朝刊)。



 党広島県連の反対を押し切り、克行の妻案里の擁立を主導したのは安倍である。通常1500万円程度の選挙資金の10倍にあたる1億5000万円が河井陣営に流れた理由は、かつて安倍を「もう過去の人だ」とこきおろした元参議院議員の溝手顕正を落とすためだろう。要するに私怨。実際、党広島県連関係者は党本部サイドから「これは総理案件だから」と説明されたという(「毎日新聞」同年6月18日)。

 この資金が買収原資に充てられることを認識していた場合、公選法の買収目的交付罪に該当する可能性がある。なお、裁判では検察側が資金が買収原資だったと供述した河井陣営の元会計担当者の調書を読み上げている。

 では誰が指示したのか。党幹部は口を濁して逃げ回っていたが、ついに二階俊博が「党全体のことをやっているのは総裁(当時の安倍)とか幹事長の私。党の組織上の責任はわれわれにある」と自白(5月24日)。菅義偉も「当時の(自民党)総裁と幹事長で行われていることは事実ではないか」と発言(6月17日)。耳をかっぽじって聞いてください。総理大臣と党幹事長が責任は安倍にあると名指ししたわけです。

 資金提供が行われた前後には、克行と安倍は頻繁に単独面談を行っている。安倍による犯行であることが明らかになった場合、自民党の存続に関わる問題になる。

 目くらましの東京オリンピックに浮かれている場合ではない。今、応援すべきは選手ではなく検察だ。

 適菜収 作家
 近著に「日本人は豚になる」「ナショナリズムを理解できないバカ」など。著書40冊以上。購読者参加型メルマガ「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・「それでもバカとは戦え」】  2021年06月26日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友学園】:赤木ファイルだけで総辞職モノ 都議選で自民に鉄槌が必要

2021-06-27 00:13:00 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友学園】:赤木ファイルだけで総辞職モノ 都議選で自民に鉄槌が必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友学園】:赤木ファイルだけで総辞職モノ 都議選で自民に鉄槌が必要

 問題発覚から3年、ようやく「赤木ファイル」が開示された。公文書の改ざんを強制され、その後、自ら命を絶った近畿財務局の職員だった赤木俊夫さん(当時54)が、改ざんの経緯を詳細に記録した資料だ。

「赤木ファイル」は、財務省本省と近畿財務局との間で交わされたメールの写しなど、518ページに及ぶ。これを読めば、7年続いた安倍政権が、いかに腐り切っていたかがよく分かる。「森友事件」に深く関与した安倍夫妻を守るために、組織を挙げて末端の職員に不正を強いていた。

無念だったのではないか(赤木雅子さん提供)、官房長官だった菅首相も説明すべき(C)日刊ゲンダイ

 無念だったのではないか(赤木雅子さん提供)、官房長官だった菅首相も説明すべき(C)日刊ゲンダイ

 森友学園に国有地を格安で売却することを決定した決裁書の改ざんが始まったのは、2017年2月26日だ。財務省本省から近畿財務局に「削除した方が良いと思われる箇所があります。マーキングしておきました」とのメールが届いた。安倍昭恵夫人に関する表記に印がつけられ、「できる限り早急に対応願います」と、決裁書から削除するよう迫っていた。

 やはり、国家の記録である公文書の改ざんには抵抗があったのだろう。赤木さんは3月8日、本省の職員9人に「既に意思決定した調書を修正することに疑問が残る」と一斉メールを送るなど、強く抵抗していた。

 公務員の仕事に誇りを持っていた赤木さんは、普段から「私の雇い主は日本国民」と口にし、<公正に職務を執行していますか?>などの行動規範が書かれた「国家公務員倫理カード」を手帳に入れ、ボロボロになるまで大切に持ち歩いていたという。赤木さんの妻・雅子さん(50)によると、改ざんが始まった頃から赤木さんは精神的に不安定になっていったそうだ。1年後の18年3月7日、自宅で首を吊り、亡くなってしまった。無念だったに違いない。

 これほど理不尽で酷い話はないのではないか。どうして、安倍夫妻を守るために末端の職員が犠牲にならなければならなかったのか。

 しかも、安倍政権と菅政権は「赤木ファイル」を闇に葬ろうとしていた。残された雅子さんが、裁判で「赤木ファイル」の開示を求めても、「赤木ファイル」があるのかないのか、存否の回答さえ拒み続けた。

 今回、ようやく開示したのは、裁判所から促されたからだ。渋々だった。立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。

 「そもそも、行政文書である“赤木ファイル”は、国民の共有財産です。情報公開を拒むことは許されない。赤木ファイルに対する対応は、安倍・菅政権の体質を象徴しています」

なぜこの2人がのさばっているのか(安倍前首相と麻生財務相)/(C)日刊ゲンダイ

  なぜこの2人がのさばっているのか(安倍前首相と麻生財務相)/(C)日刊ゲンダイ

 ◆安倍前首相こそが事件の“元凶”

 五輪強行のデタラメ、感染対策の場当たりと、ポンコツ政権にはこれ以上、任せられないが、それ以前にこの「赤木ファイル」だけでも菅政権は総辞職ものだ。

 それなのに、財務省トップの麻生大臣はいまだにデカい顔をして居座り、赤木さんの墓参りもせず、遺族に謝罪もしていないのだからあり得ない話だ。遺族が熱望しているのに、改ざんの経緯についても、「再調査しない」と冷たく一蹴している。

 菅首相だって当時、官房長官として森友事件に対応してきた当人だ。コメント一つ発表していないが、ダンマリは通じないはずである。

 何より許し難いのは、事件の当事者である安倍前首相がのさばっていることだ。

 安倍晋三昭恵夫人も「もう終わったこと」みたいな顔をしているが、森友事件も、公文書改ざんも安倍夫妻から始まったものだ。学校法人「森友学園」が、小学校を新設するために国有地を8割引きで取得したのが発端である。

 学園の籠池理事長(当時)が、昭恵夫人から「いい土地ですから、(計画を)前に進めて下さい」と言われたことを財務省担当者に伝えると、トントン拍子で取引が進展していった。小学校の名誉校長には昭恵夫人が就任する予定だった。

 恐らく財務省も、安倍夫妻のために国有地をダンピングしたことが後ろめたかったのだろう。2013~16年に104件あった国有地売買契約のうち、森友の一件だけ非開示としていた。

 安倍夫妻の“関与”を隠すために、赤木さんは公文書改ざんに手を染めざるを得ず、命を絶つところまで追い詰められたということだ。なのに、安倍も、麻生も、菅も、ノウノウとしている。これでは亡くなった赤木さんは浮かばれない。政治評論家の本澤二郎氏がこう言う。

 「改ざんが始まったきっかけは、安倍氏が国会で『自分や妻が関係していたら、首相も国会議員も辞める』と答弁したから。森友事件は、安倍氏こそが“元凶”なのです。そんな人物が、盟友の麻生、甘利両氏と『3A』などと称して議員連盟を続々と発足させ、キングメーカーを気取っているのだから、国民をバカにしています。キングメーカーどころか、『再々登板を』という声が上がり、本人もマンザラでもない顔をしている。人がひとり亡くなっているのに、どういうつもりなのでしょう」

 国民はもっと怒るべきだ。

 ■自民党の議席「倍増」でいいのか

 これ以上、自民党をのさばらせてはいけない。あらゆる選挙で「ノー」を突きつけ、鉄槌を下すべきだ。

 ちょうど、25日から都議選(7月4日投開票)が始まる。都民は万難を排して投票に行くべきだ。

 都議会は127議席。自民党は現有25議席だ。自民党が実施したとされる事前調査によると、自民党の獲得議席数は「51議席」に倍増するという。ある都連関係者は、「自公で過半数は間違いない」と余裕を見せている。

 「前回の17年都議選では、小池都知事が率いた『都民ファーストの会(都ファ)』が55議席を獲得し、大躍進しました。しかし、今回は都ファに追い風が全く吹いていない。『1桁台にまで落とす』との調査もあるほどです。立憲、共産が議席を伸ばすとの見方がありますが、そもそも、両党は候補者数が多くない。結局、自公が過半数を獲得することになるでしょう」(都政関係者)

 しかし、もし自民党が都議選で大勝したら、赤木俊夫さんが亡くなったことを反省するどころか、「自分たちは有権者に信任された」と、さらに増長するのは目に見えている。

 「モリ・カケ・サクラと、スキャンダルが絶えなかったのに、それでも安倍政権がやりたい放題やってきたのは、結局、選挙で勝ってきたからです。投票率は50~60%だったから、有権者の過半数から支持されたわけではありません。それでも“信任された”と、リセットしてきた。都議選で自民党が勝利したら、4月に行われた“国政3選挙”で野党が3連勝したことも帳消しになってしまうでしょう。逆に、自民党が都議選で敗北すれば、やはり有権者は、菅政権の“五輪強行開催”や“コロナ対応”に不満を持っているという空気が再認識され、菅政権の支持率も、さらに下落するはずです」(金子勝氏=前出)

 「赤木ファイル」の扱いを見れば分かる通り、安倍も麻生も菅も、国民を完全になめ切っている。国民は目にもの見せるべきだ。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース】  2021年06月24日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さんに傍聴席から拍手「疑惑や不信を招く行為をこれ以上続けないで」

2021-06-27 00:12:30 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さんに傍聴席から拍手「疑惑や不信を招く行為をこれ以上続けないで」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木雅子さんに傍聴席から拍手「疑惑や不信を招く行為をこれ以上続けないで」

 傍聴席で拍手が沸いた。それを耳にした赤木雅子さん(50)は涙ぐんだ。

 「とっちゃん、みんな味方だよ。見ててくれるかな?」

 雅子さんの夫、赤木俊夫さん(とっちゃん)は森友学園への国有地値引きを巡り公文書を改ざんさせられ命を絶った。雅子さんは国などに裁判を起こし、夫が改ざんの詳細を記録した文書「赤木ファイル」の開示を求めた。裁判前日の22日、518ページに及ぶ赤木ファイルが開示されると、新事実が次々に読み取れた。

口頭弁論の後、取材に応じる赤木雅子さん(C)共同通信社口頭弁論の後、取材に応じる赤木雅子さん(C)共同通信社

 「佐川氏の名挙げ指示」「改ざん指示に抵抗の痕跡」

 報道各社が大きく伝えた。待望の赤木ファイルを見て雅子さんは法廷で何と発言するのか? それがこの日の注目点で、33席の傍聴席に214人もの希望者が詰めかけた。証言台で雅子さんが訴えたことは……。

 「赤木ファイルを見て、手書きの文字が夫の字だとすぐに分かりました。夫が苦しい立場に追い込まれながら、赤木ファイルを作ってメモを残してくれたのだと思うと、涙が出そうになりました」

無念だったのではないか(赤木雅子さん提供)、官房長官だった菅首相も説明すべき(C)日刊ゲンダイ

 無念だったのではないか(赤木雅子さん提供)、官房長官だった菅首相も説明すべき(C)日刊ゲンダイ

 実際、涙で声が詰まりそうだった。

 「赤木ファイルには、私の知らない事実がたくさん記載されていました。夫が反対をしても一方的に改ざんを指示されて苦しんでいたことが分かりました。佐川さんから国会答弁を踏まえた修正を行うように指示があったという記載もありました」

 新事実が明らかになっても、麻生財務大臣は「再調査はしない」と言う。

 ■「第三者による再調査を」

 「国が夫の代わりに、国民の皆さんに何があったのかすべてを明らかにするべきだと思います。そのためにも、赤木ファイルで明らかになった新事実をもとに、第三者による再調査を実施するべきだと思います」

 「財務省の皆さんが改ざんの具体的経緯を明らかにしないことは、国民の疑惑や不信を招くような行為です。疑惑や不信を招くような行為をこれ以上続けないことを、私は心から願っていますし、夫も同じように願っていると思います」

 この言葉で締めくくり、またも涙ぐんだ雅子さん。その時、傍聴席から拍手が起きた。一人、また一人と数人が呼応した。数秒して拍手が収まると裁判長が静かに告げた。

 「静粛に願います」

 そこで雅子さんの胸に去来したのは……。

 「超うれしいです。夫への拍手でもあるし、心から応援してくれているんだと、温かい気持ちになりました」

 実は前の晩から歯が痛くなって体調は万全ではなかったのだ。それを補って余りある、すてきな拍手だった。

 
 ■相澤冬樹 大阪日々新聞・元NHK記者

 大阪日日新聞(新日本海新聞社)論説委員・記者。1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを経て現職。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース・森友学園への国有地値引きも経緯を記した公文書の改ざん】  2021年06月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木ファイル開示「おかえり。夫が私のもとに戻ってきた」

2021-06-27 00:12:20 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木ファイル開示「おかえり。夫が私のもとに戻ってきた」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:赤木ファイル開示「おかえり。夫が私のもとに戻ってきた」

 「これ、夫の字です。すぐにわかります」

 文書を封筒から取り出して真っ先に、赤木雅子さん(50)は目を奪われた。書き込まれた手書きの文字。独特のくせ字で、自分以外は読めないだろう。3年前に命を絶った夫の文字だ。懐かしさと恋しさでいっぱいになった。

夫の手書きの文字を指さす赤木雅子さん(撮影・相澤冬樹)

  夫の手書きの文字を指さす赤木雅子さん(撮影・相澤冬樹)

 これが「赤木ファイル」。ついに国から開示された。それだけでニュースとなる注目の「赤木ファイル」とは何か? 森友事件で公文書改ざんを強要され命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さんが、その実態を詳細に記した文書だ。夫の死の真相を知りたいと、妻の雅子さんが裁判を起こしてから1年以上にわたり国に開示を求めてきた。

 待望のファイルは518ページに及ぶ。改ざんを指示する財務本省からの相次ぐメール。差出人は黒塗りされているが重大な新事実がわかった。安倍首相(当時)の妻、昭恵さんの名前などを示し「削除した方が良い」と指示している。麻生財務大臣、安倍首相の名も記されていた。

税金260億円をかけたが、もはや「負の遺産」/(C)日刊ゲンダイ

 税金260億円をかけたが、もはや「負の遺産」/(C)日刊ゲンダイ

スピリチュアル大好き(安倍前首相の妻・昭恵夫人)/(C)日刊ゲンダイ

 スピリチュアル大好き(安倍前首相の妻・昭恵夫人)/(C)日刊ゲンダイ

 改ざんを指示する本省からのメールに、俊夫さんが手書きで「修正等の必要なし」と書いている部分もある。改ざんに抵抗した俊夫さんの無念の思いがにじんでいるようで、雅子さんはまたも胸が熱くなった。つらかったろう、悔しかっただろうな。

 俊夫さんは生前、「自分がやった犯罪行為について記録に残しているんだ」と雅子さんに打ち明けていた。俊夫さんの上司だった池田靖さんも雅子さんに「一目見て改ざんのことが詳細にわかる文書を俊夫さんは作っていた」と語っていた。

 夫が必死の思いで残した告発の記録はいったいどういう内容なんだろう? それは雅子さんにとって夫そのものであり、近畿財務局の中にある限り、夫が財務局に閉じ込められているようだった。その赤木ファイルがついに自分のもとに帰ってきた。そう、ファイルが出てきたのではなく、夫が私のもとに戻ってきたんだ。おかえり。そう思うとこれはただの518枚の紙ではなく、いとおしさが募る。

 ■随所に「重大な新事実」

 戻ってきた「夫」によって数々の新事実がわかった。それでも麻生財務大臣は「再調査はしない」と言う。雅子さんは23日、法廷で発言する。夫が肌身離さず持ち歩いていた国家公務員倫理カードに書いてあることを、財務省の人たちはどう思うのか?

 「国民の疑惑や不信を招くような行為をしていませんか?」

 
 ■相澤冬樹 大阪日々新聞・元NHK記者

 大阪日日新聞(新日本海新聞社)論説委員・記者。1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを経て現職。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース・森友学園への国有地値引きも経緯を記した公文書の改ざん】  2021年06月23日  13:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:「私と夫の立場に立って」赤木雅子氏に3人が目線を向けた

2021-06-27 00:11:20 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:「私と夫の立場に立って」赤木雅子氏に3人が目線を向けた

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:「私と夫の立場に立って」赤木雅子氏に3人が目線を向けた

 財務省の森友公文書改竄事件を巡り、上司に改竄をさせられたことを苦に命を絶った近畿財務局の職員、赤木俊夫さん。その妻、赤木雅子さんが国などを訴えた裁判で赤木さんは、夫の死の真相につながる情報の提供を国に求めた。ところが国は「損害賠償のためには改竄の経緯や内容などの事実は必要ない」と拒否してきた。

裁判所に入る赤木雅子さん(撮影・久保田徹氏)

  裁判所に入る赤木雅子さん(撮影・久保田徹氏)

 そこで14日の法廷では急きょ赤木さん本人が意見を読み上げた。被告席に国の代理人の訟務検事や財務省、財務局の担当者がずらりと並ぶ中で。

 「国は、夫が改竄に追い込まれた具体的経緯や、夫が作成した(改竄に関する)ファイルやメモが存在するかどうかについて、回答する必要がないと主張しました。私はこの回答を聞いて、夫のことがかわいそうになりました。涙があふれました。夫が亡くなった真相を知りたいとお願いしているのに『そんなこと知らなくていい』と言われた感じがします。お願いですから私と夫の立場に立って下さい。皆さんの大切な夫や妻や子どもが自殺に追い込まれたことを想像して下さい。『そんなこと答える必要はない』という回答がどれだけ遺族の心を傷つけるか想像できると思います。私は真実が知りたいだけです。夫が作成したファイルやメモを開示し、自殺に追い込まれた具体的な経緯を教えて下さい。よろしくお願い致します」

 その間1~2分ほど、私は傍聴席でじっと見つめていた。赤木さんではなく、向かい側の国の代理人たちを。彼らがどんな表情、しぐさで、赤木さんの声を聴くのか見届けるため。10人以上いる代理人たちは手元の書面を見つめていた。だが赤木さんが「私と夫の立場に立って下さい」と読み上げた時、その中の3人だけ、すっと目線を赤木さんの方向に上げた。「皆さんの大切な夫や妻や子どもが自殺に追い込まれたことを想像して下さい」と続く言葉に、物思いにふける様子を見せる人もいた。どんな立場の人にも感情が、心がある。赤木さんの魂の叫びを受けて、思うところがあったのだろう。

 裁判が終わり法廷を出る時、赤木さんは被告席の横で国の代理人たちに声をかけた。「これからよろしくお願いします」……すると数人が戸惑った様子ながらも「よろしくお願いします」とお辞儀しながら言葉を返した。気持ちが通じたように赤木さんは感じた。きっと裁判もうまくいくに違いないと。

 
 ■相澤冬樹 大阪日々新聞・元NHK記者

 大阪日日新聞(新日本海新聞社)論説委員・記者。1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを経て現職。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース・森友学園への国有地値引きも経緯を記した公文書の改ざん】  2020年10月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:雅子さんを傷つけた 財務局職員「理解してますか」の一言

2021-06-27 00:11:10 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:雅子さんを傷つけた 財務局職員「理解してますか」の一言

  『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:雅子さんを傷つけた 財務局職員「理解してますか」の一言

 「赤木さん、弁護士さんの話をすべて理解しているということでよろしいですか?」

 赤木さんとは、財務省近畿財務局の公文書改ざん事件で職員だった夫を亡くした赤木雅子さん。夫の死を巡り国などを相手に裁判を起こし、近畿財務局に個人情報開示も求めている。その交渉で9月29日、代理人の弁護士とともに財務局の職員と向き合っていた時に、いきなりこんなふうに問いかけられた。赤木さんは戸惑いながらも「はい、いいですよ」と答えた。すると職員は畳みかけるように、「もしもご自身と認識が違うところがあったら言ってください」。

弁護士ときっき財務局へ(撮影・相澤冬樹)

  弁護士ときっき財務局へ(撮影・相澤冬樹)

 これには赤木さんもさすがにあきれた。私が話を理解できないと思っているの?

 「あなたに言われる必要ないです。失礼です。目の前にいるんですよ?」

 赤木さんは思い出した。夫が亡くなって、財務省の事務次官が自宅に弔問に訪れた時、付き添いの職員が言った。

 「一番偉い方ですよ。わかってます?」

 財務省の人たちは、私を何だと思っているのだろう? 夫を亡くした妻は、一人では何もわからないとバカにしているんだろうか? だから私がどんなに「真相を調べてほしい。再調査してほしい」と言っても、聞いてくれないんだろう。

 ■初めて夫の職場に入り、職員と向き合った

 夫の俊夫さんはこの役所に30年間勤めてきたが、妻の雅子さんが職場に入ったのは、この日が初めてだった。

 「この建物で夫は改ざんしたんやなあって。この建物に改ざんを命令した上司がいる んやなあって。その人たちは毎日どんな気持ちで過ごしてるんやろうって。ここで何十年も働いてくれた夫に感謝するし、働かせてくれた近畿財務局にも感謝してます。だから思うんです。改ざん自体は認めているのに、今更何をこんなに隠そうとしているのか? 夫が亡くなって2年と半年以上が経っても何も変わりません」

 赤木雅子さんの国との闘いは続く。次の裁判は14日、大阪地裁の大法廷で行われる。

 
 ■相澤冬樹 大阪日々新聞・元NHK記者

 大阪日日新聞(新日本海新聞社)論説委員・記者。1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを経て現職。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース・森友学園への国有地値引きも経緯を記した公文書の改ざん】  2020年10月02日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【財務省】:赤木ファイルとは? 森友改ざん問題、自死した赤木俊夫さんによる記録書類。存在について問われた国は

2021-06-27 00:11:00 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【財務省】:赤木ファイルとは? 森友改ざん問題、自死した赤木俊夫さんによる記録書類。存在について問われた国は

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【財務省】:赤木ファイルとは? 森友改ざん問題、自死した赤木俊夫さんによる記録書類。存在について問われた国は

 公文書の改ざんという民主主義を揺るがす事件。改ざんの経緯を記したとされる「赤木ファイル」について、国がファイルの存在を一転して認める方針という報道があった。国側は損害賠償を訴えられていた訴訟で、5月6日までに文書で回答することになっていた。

 森友学園をめぐる財務省の公文書改ざん問題で、改ざんを強いられたことを苦に自死した財務省近畿財務局の職員、赤木俊夫さん(当時54)が、改ざんの経緯を記したとされる「赤木ファイル」。その存在について「存否を回答する必要がない」としてきた国が一転して、存在を認める方向だと朝日新聞が5月5日、報道した。

 公文書の改ざんという民主主義を揺るがす事件。後世に残すべき公文書を事実を歪めて書き換えることについて、赤木さんは公務員としての自負から、悩んでいたという。赤木さんは「涙を流しながら抵抗していた」と元上司が妻の雅子さんに対して話したとされる音声データが残っている。

 TBS報道特集野党ヒヤリングの記録によると、改ざんを命じられたとされる赤木さんは、改ざんした箇所などを整然とまとめていた文書を職場に残していたという。

 元上司が雅子さんに対して話したとされる音声データによると「赤木さんはきっちりしているので、文書の修正、改ざんの前の文書とか修正後とか何回かやりとりしたやつがファイリングされていて、きちっと見ただけで分かるように整理されてある」としている。この改ざんされる前とされた後を整理している文書が「赤木ファイル」だ。 

時事通信社
近畿財務局職員だった赤木俊夫さんの遺書=2020年3月18日、大阪市北区

 赤木さんの自死から2年後の2020年3月に、雅子さんが、赤木さんが自死したのは同省で改ざんを強いられたからだとして、国や佐川宣寿・元財務省理財局長に、計約1億1200万円の損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。雅子さんは、夫の精神的苦痛を証明するために「赤木ファイル」の提出を命じる「文書提出命令」を出すよう地裁に申し立てていた。これを受け、国は、5月6日までにファイルの存否について文書で回答することになっていた。

 これまで、国は訴訟で「(ファイルは)裁判の争いに関係せず、存否を回答する必要がない」と主張してきた。3月に行われた非公開の裁判手続きで、国はファイルについて「探索中」と回答していたという。

 近畿財務局の元上司と雅子さんの会話とされる音声データは、2021年3月10日、野党ヒアリングで公開されている。

 音声データでは、元上司は、赤木ファイルについて「パラッとだけ見たんです。『うわ~、めっちゃきれいに整理してあるわ』と。全部書いてあるやんと。どこがどうで、何がどういう本省の指示かっていうこと」などと語っていた。

 公文書の改ざんを強いられた赤木さんは、遺書を記していた。2020年3月26日号の「週刊文春」が報じ、後世に残すべき公文書を事実を歪めて書き換えることについて、公務員としての自負を苛み、悩んでいた様子が浮かび上がった。

 森友学園問題をめぐる土地取引に関する国の公文書が書き換えられた疑いについては、2018年3月、朝日新聞が初めて報道した。 財務省は昭恵氏らの名前を削除するなど14件の公文書の改ざんを認め、佐川宣寿・元理財局長ら計20人を処分した。

 森友学園問題とは、財務省近畿財務局が2016年6月、鑑定価格よりはるかに安い1億3400万円で国有地を売却した事案だ。地中ごみの撤去費用として8億1900万円などが値引きされていたことがわかった。森友学園は、安倍晋三前首相の妻昭恵氏を小学校の名誉校長としており、国が何らかの「忖度」をしたのではないかとの疑いがもたれている。
【ハフポスト日本版・井上未雪 Miyuki Inoue】

 元稿:THE HUFF POST 主要ニュース 【政治・疑惑・財務省・森友学園への国有地売却に関する決裁文書改ざん問題:執筆者:井上未雪/Miyuki Inoue】 2021年05月05日  13:51:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍前首相】:「64年オリパラ時かわいい小学生…かわいいかどうか」自虐演説

2021-06-27 00:05:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【安倍前首相】:「64年オリパラ時かわいい小学生…かわいいかどうか」自虐演説

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍前首相】:「64年オリパラ時かわいい小学生…かわいいかどうか」自虐演説 

 任期満了に伴う東京都議選(7月4日投開票)が25日告示され、9日間の首都決戦がスタートした。次期衆院選の前哨戦で、各政党は初日から総動員態勢。前回2017年に歴史的惨敗を喫した自民党は菅義偉首相、安倍晋三前首相(66)ら大物がリベンジを期した。

出陣式に駆けつけた安倍晋三元首相(撮影・鎌田直秀)出陣式に駆けつけた安倍晋三元首相(撮影・鎌田直秀)

    ◇    ◇    ◇  

 安倍前首相の退任後初となる選挙応援演説は晴れやかだった。25日、東京・尾久八幡神社で自民党の都議選荒川区候補者を激励。境内の“特設ステージ”に立つ直前に、約1時間降った雨が上がり「私は日本で3本の指に入る晴れ男と言われています」と笑顔を見せた。約300人を前に「1964年のオリンピック、パラリンピックは覚えていますか? 生まれていない方も多いかと思いますが」と高齢者の笑いを誘うと、「当時、私はまだ、かわいい小学生。かわいいかどうかは議論があるかと思いますが」と自虐も笑いにつなげた。首相での五輪はかなわなかったが「コロナ下で成功させることが世界の希望につながり、勇気を与える」と願った。

応援に駆けつけて、だるまの目入れを行う安倍晋三元首相(撮影・鎌田直秀)応援に駆けつけて、だるまの目入れを行う安倍晋三元首相(撮影・鎌田直秀)

 前回の都議選は森友学園など問題が相次ぐ中、秋葉原駅の街頭演説では「安倍ヤメロ~」などの罵声に「こんな人たち負けるわけにはいかない」と応戦都民不信感となる発言大敗一因となった責任痛感している。「経済再生していくように、活力のある日本を復活させていきましょう」と力を込めた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・東京都議会選・東京オリンピック2020・パラリンピック】  2021年06月26日  08:44:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年06月25日 今日は?】:米歌手マイケル・ジャクソンがロサンゼルスの自宅で倒れ急死

2021-06-27 00:00:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2021年06月25日 今日は?】:米歌手マイケル・ジャクソンがロサンゼルスの自宅で倒れ急死

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年06月25日 今日は?】:米歌手マイケル・ジャクソンがロサンゼルスの自宅で倒れ急死

◆6月25日=今日はどんな日

  「キング・オブ・ポップ」と呼ばれた米歌手マイケル・ジャクソンがロサンゼルスの自宅で倒れ急死。50歳(2009)

マイケル・ジャクソンさん(2006年5月撮影)マイケル・ジャクソンさん(2006年5月撮影)

 ◆出来事

  ▼北朝鮮軍が38度線を越え韓国に侵攻。朝鮮戦争始まる(1950)

 ◆誕生日

  ▼本宮ひろ志(47年=漫画家)▼沢田研二(48年=歌手)▼高田文夫(48年=放送作家)▼誠直也(48年=俳優)▼松居一代(57年=タレント)▼松浦亜弥(86年=歌手)▼藤ケ谷太輔(87年=Kis-My-Ft2)▼麻倉もも(94年=声優)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2021年06月25日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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