【政界地獄耳・10.14】:「なぜ君は総理大臣になれないのか」想像力がないのか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・10.14】:「なぜ君は総理大臣になれないのか」想像力がないのか
★まさに最近の若い政治家の胆力のなさ、勇み足、想像力のなさが出た分かりやすい例だ。8日のテレビで元大阪市長・橋下徹が政権批判を繰り広げていると、同席した立憲民主党税調会長・小川淳也が「橋下さん、政界に帰ってきてください。まさに今、そういう政治が求められている」と政界復帰を熱望。橋下すら困惑していた。小川は立憲民主党のホープと目されている。元自治官僚。鳩山内閣で総務政務官、民進党時代は党代表・前原誠司の役員室長、6期当選の衆議院議員だ。党代表・泉健太の初代執行部では政調会長と党の中枢にいる。小川の選挙戦などを追ったドキュメンタリー映画「なぜ君は総理大臣になれないのか」(20年、監督・大島新)がキネマ旬報ベストテン・文化映画第1位となるなど話題の政治家でもある。
![写真・図版](https://www.asahicom.jp/imgopt/img/5e7921230f/comm/AS20230617000114.jpg)
★ところが小川は先のテレビ出演について、自らネットで「先日の番組の中の発言について様々お叱り、ご批判をいただいており、ご迷惑とご心配をおかけした皆様に深くお詫び申しあげます。(中略)橋下さんの発言にはときに共感し、力を感じることがあります。ただかつての政治スタイルやときに過激な発言など、日頃ご支援くださる皆様の間に、抵抗感や拒否感が強いことも今回改めて痛感しています」などと記した。
★小川は官僚時代の01年4月、愛知県春日井市役所に企画調整部長として出向。助役を経て市長になった鵜飼一郎は当時4期目、その間全国市長会副会長、東海市長会会長を歴任していたが「政治家として最も強く影響を受けた人の1人」と小川は心酔する。小川の過去の発言を見ていると、鵜飼や橋下、小沢一郎など突破力のある政治家にひかれるようだが、発言の前に立ち止まる冷静さや、発言のその後の影響などに思いが至らない。昨今の若い政治家に多い、合理的な動きをしたがるが、結果遠回りをさせられる政治家の1人と言える。今の総理の評価はさておき、「なぜ君は総理大臣になれないのか」の理由は分かるような気がする。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2023年10月14日 07:05:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。