《余録・01.28》:1980年代に放送されたフジテレビの人気番組「オレたちひょうきん族」に…
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・01.28》:1980年代に放送されたフジテレビの人気番組「オレたちひょうきん族」に…
1980年代に放送されたフジテレビの人気番組「オレたちひょうきん族」に同社の日枝久・相談役(87)は自ら出演したことがある。社内でいまも実権を掌握しているとされる同氏は当時、編成局長だった。野球中継のため放送が不規則になっていることを番組の「ざんげ室」で釈明したが許されず、頭から水をかけられた
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▲当時フジは「楽しくなければテレビじゃない」を合言葉に、高視聴率を誇っていた。幹部であっても構わず笑いの材料にするムードを物語る演出だった
▲長い月日を経ての、組織存亡の危機である。タレントだった中居正広さん(52)の女性トラブルや同社幹部の関与疑惑への対応を巡り、嘉納修治会長と港浩一社長が辞任した。スポンサーが軒並みCM放映を差し止める異常事態の中で、引責に追い込まれた
▲動画撮影を拒み、実態解明にも後ろ向きだった最初の記者会見は、報道機関としての使命に背を向けたものだった。やり直しの会見でフジ側は、問題の把握後も中居さんを起用し続けるなど「人権意識の不足」を認めた。一連の対応は女性の権利保護や視聴者よりも、自分たちの保身優先だったと取られても仕方ない
▲トップが交代しても中居さん問題への対処や幹部社員の関与など、背景も含めた解明はこれからだ
▲「楽しくなければ」の時代はすでに遠い。どこでボタンを掛け違い、企業風土が社会の常識と乖離(かいり)していったのか。日枝氏は事態をどう受け止めているのだろう。ことは民放全体の信頼に関わる。
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