路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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《社説①・01.27》:財政健全化の先送り 放漫続ける政治の無責任

2025-01-29 02:01:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

《社説①・01.27》:財政健全化の先送り 放漫続ける政治の無責任

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.27》:財政健全化の先送り 放漫続ける政治の無責任

 借金漬けから脱する出口がいっこうに見えない。いつまでも放漫財政を続けるのは無責任だ。

 政府の財政健全化目標が再び達成できない見通しとなった。「基礎的収支」と呼ばれる指標を2025年度に黒字化すると約束してきたが、内閣府は4・5兆円の赤字に陥るとの試算を公表した。

 内閣府の財政試算が報告された経済財政諮問会議で発言する石破茂首相(右端)=首相官邸で2025年1月17日、平田明浩撮影

 黒字化すれば、国と地方は社会保障や公共事業などの経費を借金に頼らず賄えるようになる。20年以上前に目標が設けられたが、歴代政権は先送りを繰り返した。 

 とりわけコロナ禍の際は経済対策を理由に予算が野放図に拡大された。感染が落ち着いた23年には「平時に戻す」と表明したが、膨張に歯止めが掛かっていない。

 昨年夏に示された試算は、25年度は税収の伸びを背景に8000億円の黒字になると見込んでいた。赤字に転じたのは、石破茂政権が昨年秋に13兆円超の大型補正予算を編成したためだ。

 首相は衆院選で、前年を上回る額にする方針を突然表明した。選挙目当てに、中身の吟味より規模を優先させたとみられる。

 内閣府は26年度の黒字化達成を見込むが、さらなる財政出動を促す声が高まっている。

 国民民主党は大規模な所得減税を求め、日本維新の会は高校無償化を掲げる。少数与党の石破政権は25年度予算案を成立させるために野党の協力を得る必要がある。

 夏の参院選に向け、与党からも歳出増の圧力が強まる可能性がある。大盤振る舞いを競い合う事態になりかねない。

 財政運営は一段と厳しさを増している。

 「金利ある世界」が復活し、日銀は追加利上げに踏み切った。国債の利払い費がかさみ、国と地方で1300兆円超に上る借金残高が大幅に膨らむ恐れがある。

 25年は団塊の世代が全員75歳以上となる。予算の3割以上を占める社会保障費がさらに増えるのは必至だ。巨額の借金を抱えたままでは超高齢社会を乗り切れない。

 ばらまきに走らず、長期的観点で財政を持続可能にする。政治がその責任を果たさなければ、将来へのツケが大きくなるばかりだ。

 通常国会が始まり、予算審議も本格化する。首相は健全化の具体的な道筋を示すべきだ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月27日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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