路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・07.20】:県議会百条委/通報者守れぬ対応検証を

2024-09-05 08:02:20 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【社説・07.20】:県議会百条委/通報者守れぬ対応検証を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・07.20】:県議会百条委/通報者守れぬ対応検証を 

 兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを告発する文書を作成した元西播磨県民局長の男性が死亡した問題を巡り、県議会はきのう、地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)を開いた。

 百条委は、男性が残した陳述書やメッセージ、知事の発言の音声データを資料として採用することを決めた。迅速に事実関係を解明するとともに、男性への県の対応が適切だったかも検証しなければならない。

 男性が3月、県議や報道機関に送った匿名文書には、知事による職員へのパワハラや企業からの贈答品受け取りなど7項目の疑惑が記載されていた。

 これに対し、知事は男性を特定し、記者会見で文書の内容を「うそ八百」などと非難して解任した。男性は4月、県の公益通報窓口に同様の内容を通報したが、県は内部調査で停職3カ月の懲戒処分とした。 

 ところが知事が職員を厳しく叱責(しっせき)したり、県幹部が知事の視察先企業から物品を受け取ったりした事実が判明した。県議会は内部調査の中立性に疑問が生じたとして、強い調査権限を持つ百条委を設置した。

 男性はきのうの百条委に証人として出席を予定していたが、今月7日に亡くなった。自死とみられる。

 調査資料に採用された陳述書は11ページにわたり、男性が告発文書を作成した経緯などが想定問答形式で記されている。音声データは知事が西播磨に公務出張した際、上郡町産ワインについて「まだ飲んでいない」「折を見てよろしくお願いします」などと話す様子が記録されていた。

 百条委は疑惑の真偽を解明するとともにただすべき問題がある。男性が県の公益通報窓口に告発したにもかかわらず、内部調査だけで懲戒処分に踏み切った県の対応である。

 知事は窓口で受理する前の告発は保護の対象ではないとの認識を示している。しかし公益通報者保護法は組織内部での通報が困難な場合、報道機関など外部への通報も認め、降格など不利益な取り扱いを禁じている。男性の行為は当初から公益通報に当たるのではないか。保護されるべき通報者が命を絶った結果は重大だ。県の対応に違法性はないのか、徹底的に検証してもらいたい。 

 男性の死亡を受け、県職員労働組合や自民党県連会長が事実上の辞職要求を知事に突き付け、片山安孝副知事も引責辞任を表明するとともに知事に辞職を促した。異例の事態だが、知事は「県民から負託を受けた身だ」と続投する意向を示す。

 県政の混乱を招いた根本的な原因は知事自身の言動にある。自らへの批判を真摯(しんし)に受け止め、県民が納得できるよう説明を尽くすべきだ。

  元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年07月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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