【政界地獄耳・02.13】:「5カ年計画」最終年に道路陥没事故 国土強靱化は既存施設を後回しか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・02.13】:「5カ年計画」最終年に道路陥没事故 国土強靱化は既存施設を後回しか
★1月28日、直径約5メートル、深さ約10メートルにわたり道路が突然陥没し、男性1人が運転していた2トントラック1台が落下した八潮市交差点道路陥没事故。政府は翌日の会見で全国の下水道管理者に対して緊急点検を行うよう要請し、国交省が埼玉県に技術的支援を行うと発表した。同県は周辺の12の市と町の約120万人に求めていた下水道の使用自粛の呼びかけについて、12日の正午に解除した。
★戦後80年だとか昭和100年とかと節目を喧伝する向きもあるが、高度成長期の下水道などのインフラ再整備は、老朽化と相まり急務となっていた。自民党元幹事長・二階俊博。衆院議員を引退はしたもののその影響力は計り知れない。「晩年の二階の政治家としての基盤を作り支えたのが、5年にわたる幹事長職と日中関係、そして国土強靱化(きょうじんか)計画だ」(自民党幹部)。民主党政権下の11年、東日本大震災があり、同年野党自民党は「強靭な国土の建設」を掲げ「国土強靭化総合調査会」を設置。会長に二階が就いた。その後13年には「強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法」が成立。「国土強靭化」は国策に変わった。16年には「国土強靭化推進本部」に格上げされ本部長は二階。20年には菅内閣発足直後に「国土強靭化5カ年計画」が閣議決定。5年間で事業規模15兆円が投入されてきた。今年は最終年だが、首相・石破茂も「おおむね15兆円程度の事業規模で実施中の5カ年加速化対策を上回る水準」と発言。延長される見通しだ。
★本当に国土強靭化は適切な場所に適切な対策で施行されただろうか。防災・減災、復旧・復興が目的だが、新しいインフラ整備に注力しすぎて、既存インフラが後回しになっていまいか。「地域高規格道路」建設よりも既存の道路の地下を優先させるべきではなかったか。東日本の震災以降、防災や復興の名のもとに政治家の案件のインフラ整備が全国で行われただけではないのか。そんなことはないと二階や国交省は言えるか。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2025年02月13日 07:45:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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