路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・09.07】:公益通報制度 「良心の告発」を活かせ

2024-09-22 07:07:30 | 【22年改正公益通報者保護法・組織内部の通報が困難な時、報道機関等外部へ通報可】

【社説・09.07】:公益通報制度 「良心の告発」を活かせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・09.07】:公益通報制度 「良心の告発」を活かせ

 組織内の不正を内部から暴く公益通報者保護法の改正を求める意見書を日弁連が公表した。鹿児島県警や兵庫県知事を巡って同法の在り方が問われている。不祥事や犯罪を闇に葬らないためにも、良心に基づく内部告発をより活(い)かす法改正を求めたい。

 鹿児島県警の場合は、「県警本部長による不祥事の隠蔽(いんぺい)」として元県警幹部がフリー記者に内部告発したが、逆に守秘義務違反で逮捕・起訴されてしまった。
 
 兵庫県の場合は、県知事によるパワハラなどの疑惑を元県幹部が報道機関などに告発したものの、懲戒処分を受けた後、死亡した。自殺とみられている。
 
 公益通報者保護法は不正を告発した人が通報を理由に、解雇や降格など不利益な取り扱いを受けないために、2006年から施行された。鹿児島・兵庫の事例は、不正をただそうとした良心を踏みつぶしたのと同然である。こうした事態が起こらないよう法の抜本的な見直しが必要である。
 
 特に二つの事例で共通するのは、「告発者は誰か」を探り当てる探索が組織を挙げて行われたことだ。法には「通報者を特定させるものを漏らしてはならない」と守秘義務が課され、「探索禁止」も指針で義務づけられている。
 
 にもかかわらず「公益通報に該当しない」と独断で決め付け、拙速に告発者の処分に至った。これは通報者への不利益取り扱い禁止そのものに該当しうる。
 
 日弁連は不利益取り扱いには刑事罰を検討するよう求めた。また通報者を保護する措置に反した場合にも、刑事罰などを設けると提言する。どちらも通報者を守る仕組みであり、賛同する。
 
 もっとも行政機関の不正を内部告発した場合、公務員の守秘義務違反に問われうる問題が残る。だが国会答弁などで政府は「公益通報の場合は保護される」と明言している。
 
 秘密であっても公益通報なら違法性が阻却される論理だ。その法制化も必要であろう。
 公益通報制度は公正な社会づくりに役立つ。不正について「信ずるに足りる相当の理由」があれば保護対象となるが、もっと分かりやすく国民への周知が必要だ。
 
 幾重にも告発者を守る装置を考案して法改正につなげたい。そうしないと勇気を奮った告発も実を結ばぬ結果を招いてしまう。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年09月07日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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