【天風録・01.11】:「偽情報」退治
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録・01.11】:「偽情報」退治
読者からの信頼が何より大事―。だから、記事を幾重にもチェックしてミス防止に努める。万一間違いと分かれば、すぐ訂正する。かつてミスを紙面に載せた際の情けなく申し訳ない胸の染みは今も消えない
▲ネット情報はどうだろう。北九州市で起きた中学3年男女殺傷事件では、さまざまなデマがネット上に飛び交った。被害者は警察幹部の子どもで反社会的勢力に狙われたとか、防犯カメラの映像が公開されないのは犯人が「上級国民」だからとか…
▲ネットを利用する人が増えた今、偽情報が広がらないようにしなければならない。なのに、これでは逆行だろう。フェイスブックなどを運営する米IT大手のメタが、第三者機関によるファクトチェック(事実確認)制度を米国では廃止するという
▲ルールの適用に「行き過ぎ」があったと説明するが、大統領に返り咲くトランプ氏に取り入るのが狙いのようだ。メタに限らない。巨大IT企業がこぞって巨額の寄付で擦り寄っている
▲選挙をゆがめて、社会の分断を加速させる偽情報の危うさは近年、知れ渡っている。黙認は責任放棄にほかならない。業界をけん引する企業としてのプライドはどこに行ったのか。
元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】 2025年01月11日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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