路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・11.29】:臨時国会開会/「言論の府」復権へ熟議を

2024-11-30 06:00:20 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・11.29】:臨時国会開会/「言論の府」復権へ熟議を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・11.29】:臨時国会開会/「言論の府」復権へ熟議を 

 臨時国会がきのう開会した。10月の衆院選で自民、公明両党が過半数を割り込む中、第2次政権を発足させた石破茂首相にとって初の本格的な国会論戦となる。新たな経済対策を盛り込む補正予算案や、自民党の派閥裏金事件を受けた政治資金規正法の再改正などが焦点となる。

 首相の政権基盤は極めて脆弱(ぜいじゃく)だ。野党の協力なしには法案や予算案を通すことができない。国内外に課題が山積する中で、国会運営は厳しさを増す。首相は多様な意見に耳を傾け、与野党が丁寧な議論を重ねて合意形成に努めねばならない。

 最優先で取り組むべきは、裏金事件で浮き彫りになった「政治とカネ」を巡る問題を決着させることだ。

 自民は、党から幹部らに支出され使途の公開義務がない政策活動費の廃止を政治改革案に明記した。ただし外交や企業の秘密に関わる支出などは使途の非公表もあり得るとし、透明性の担保に疑問符が付く。

 政治資金を監視する第三者機関は「国会内に置くことを基本」としたが、強い権限を持つ組織となるよう制度設計を急がねばならない。

 立憲民主党など多くの野党が唱える企業・団体献金の禁止には踏み込んでいない。自民内は存続を求める声が大勢だが、廃止を含む議論は避けて通れない。政治への信頼を取り戻すには抜本改革が不可欠だ。 

 国会議員に月額100万円を支給する調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開や残金返納は自民も前向きな姿勢に転じた。3年前から議論が続く懸案であり、必ず結論を出す責務がある。

 経済対策の裏付けとなる補正予算案は、一般会計の歳出で約13兆9千億円に上る。物価高への対応は必要だが、予算規模と政策効果を吟味するべきだ。巨費を投じてきた過去の経済対策の検証も求められる。

 焦点となるのが年収103万円を超えると所得税が生じる「103万円の壁」だ。衆院選で躍進した国民民主党が引き上げを求め、与党との協議を経て経済対策に明記された。

 一方で、具体的な内容は今後の税制論議に委ねられる。「年収の壁」は社会保障分野も含めた見直しが肝要だ。「自公国」の枠組みで押し切るのではなく、負担の在り方や財源確保など議論を尽くすべきだ。

 野党の責任も重い。論戦の主舞台となる予算委員会をはじめ、衆院の委員長ポストは野党に厚く配分された。選択的夫婦別姓の法制化など、与野党の賛否が割れるテーマで建設的な議論を主導し、結論を得ねばならない。見識と力量が試される。

 「言論の府」の復権へ緊張感を持って熟議を重ね、与野党伯仲を選んだ国民の期待に応えてもらいたい。

 元稿:神戸新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月29日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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