【小社会・12.20】:忘年の交わり
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【小社会】:忘年の交わり
忘年会シーズンも最終盤。昨夜の宴(うたげ)で大いに盛り上がり、宿酔が抜けぬ朝を迎えた方も多いかもしれない。新型コロナの5類移行から1年半余り。忘年会を復活させたという話をあちこちで聞く。
昨日の本紙にも忘・新年会を実施すると答えた企業が本県は77・8%で全国トップだったことを伝える記事があった。「おきゃく」好きの高知県民なら、さもありなんの数字だろうか。
とはいえ若年層に敬遠されがちな職場での飲み会。忘年会への参加率はどうか。都道府県別のデータは見当たらなかったが、別の全国調査によると20代の「参加したい派」は7割近く。年代別では最も高く2年連続の増加、逆に50代は4割にとどまったという。
入社間もない20代は大学生活とコロナ禍が重なった世代。上司も含めリアルなコミュニケーションを求めていることもうかがえる。拡大するテレワークに「せめて忘年会ぐらいは参加したい」との声もあると聞く。職場環境の変容に忘年会の価値を見いだす意識も浮かぶ。
一方の50代はどうか。「部下を飲みに誘ってもつれない返事ばかりで、もう諦めました」とは酒場での同世代の自虐だが、参加意欲の低さには若い世代への過度な気遣いを指摘する声もある。
「忘年の交わり」という言葉がある。年齢が離れていても互いに敬意を払い親しく付き合う。時代は流れても年に1度は、そんな関係を結ぶきっかけの場があってもいい。
元稿:高知新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【小社会】 2024年12月21日 05:00:00 これは参考資料です。転載等は各自で判断下さい。
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