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《社説②・11.18》:危険運転罪 運用を改善できる要件に

2024-11-19 09:31:25 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

《社説②・11.18》:危険運転罪 運用を改善できる要件に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・11.18》:危険運転罪 運用を改善できる要件に 

 悪質な死傷事故に適用される自動車運転処罰法の「危険運転致死傷罪」について、あり方を話し合う法務省の有識者検討会が報告書案をまとめた。

 飲酒や猛スピードの悪質さをより客観的に立証できるよう、数値基準を設ける方向を示した。

 今は条文があいまいで、酒酔い運転の状態でも、時速200キロ近い速度を出していても、刑の軽い「過失」とされる例があり、遺族らが疑問の声を上げていた。

 悲惨な事故をなくしていくために、開かれた場でさらに議論を重ね、多くが納得できる新たな適用の要件を導き出したい。

 危険運転致死傷罪は2001年に新設された。東名高速道で飲酒運転のトラックが乗用車に追突、女児2人が猛火に包まれて亡くなった事故などがきっかけだ。

 飲酒、高速度、信号無視、あおり運転などによる死傷事故のうち、とくに危険、悪質な運転に適用される。刑の上限は懲役20年で、「過失運転致死傷罪」の懲役7年よりずっと重い。

 「過失」との分かれ目は、悪質さ(故意)が認められるかどうかだ。だが、条文にあるのは「アルコールの影響で正常な運転が困難な状態」や「進行を制御することが困難な高速度」といった文言でしかない。

 アルコールの影響は体質や体調によって差異があり、速度も道路状況や運転技能に左右されうる。罪状の解釈に幅が生じ、起訴後に訴因が変わる例も相次ぐ。

 3年前、大分市の一般道で時速約194キロで乗用車を運転し右折車と衝突、男性会社員を死亡させた事故では、県警が危険運転容疑で書類送検したのを、検察が過失運転で起訴。その後、再び危険運転に切り替えている。

 この5月、群馬県伊勢崎市で飲酒運転のトラックが乗用車に突っ込み、幼児を含む家族3人が亡くなった事故でも、検察がいったん過失運転で起訴した後、危険運転に変更している。

 いずれも遺族が危険運転での審理を訴えてのことだ。今月、大分市の事故の裁判員裁判で被害者の姉は「遺族が声を上げなくても危険運転で起訴されるべき事故はきちんと起訴される世の中になってほしい」と語っている。

 今後、一律で危険運転と判断できる速度やアルコールの体内濃度の検討が続く。ただ、数値だけに縛られると、基準以下の悪質な運転に対応できないことも考えられる。どんな要件が適切か、多角的な議論が求められる。

 元稿:信濃毎日新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2024年11月18日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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