■2008/5/3(土)11:40-13:30【天気】晴れ
【場所】鳥の海
【種名】カワウ,コサギ,チュウダイサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,コガモ,スズガモ,ミサゴ,トビ,シロチドリ,ハマシギ,ミユビシギ,キアシシギ,オオソリハシシギ,チュウシャクシギ,ユリカモメ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(12科25種)
【備考】ゴールデンウィークはどのフィールドに行ってもすばらしい風景と鳥に出会える。鳥の海は越冬していたハマシギやミユビシギの羽衣が次第に冬羽よりも夏羽が優勢になっていく様子がよく観察できる。冬羽を覆うように夏羽がちらちら見えるようになり,次第に全体が夏羽に換わっていく。しかも個体によって早い遅いがあり,年若い第1回夏羽と成鳥でも違う。これもおもしろい。逆に秋には色褪せ擦り切れ気味の夏羽の上に新鮮な冬羽が覆ってくるので,これもなかなか美しいものだ。同じ夏羽といっても氏原氏のハンドブックにあるように「5月頃の夏羽」と「8月頃の夏羽」ではフレッシュさが当然違う。またシギを見ていて不思議に思うのは,夏羽の色が白,黒,黒褐色,茶褐色,赤褐色,バフ色というように,褐色系になっているということだ。決して瑠璃色やエメラルド色の夏羽のシギというのはいない。こんな色のオオソリハシシギやミユビシギがいたら,日本の5月の干潟の風景もまた違ったものになっていることだろう。
閑話休題,コアジサシだが毎年この時期は防波堤の上で求愛の給餌行動をしている。今日は,晴れていて,しかも天気がよかったのでゆっくり堤防の上に座って釣り人に擬態し,近寄ってくるシギチやコアジサシを待つことにした。コアジサシについては各写真のコメントのようであった。今回の観察と関連して,コアジサシの論文ですばらしいのがあったので読ませていただいた。
「コアジサシにおけるつがい外交尾」鳥羽悦男 (1989) 日本鳥学会誌38(2):67-77
【写真】
■防波堤のオオソリハシシギとチュウシャクシギの群れ。オオソリハシシギは♂♀とも夏羽になっているものから,まだ羽軸が目立つ個体まで様々。
■ハマシギとミユビシギのランディング。この日は盛んにエンジン付きパラグライダーが干潟の方まで飛んできていて,堤防の上のシギチが何度も飛んではまた降りるということを繰り返していた。
■堤防に座ってしばらくじっとしていると,♀のコアジサシがのこのこ歩いてこちらへやってきた。3m位の距離で,しきりに餌を欲しがって鳴いていた。5,6m先では♀らしき個体に魚を持ってこない♂がやってきて,交尾を試みようとする風だったが,♀は魚も持ってこないで何するの!という感じで後ろからやってくる♂を相手にしなかった。
■水面に嘴を立てて魚を追い,見事キャッチして飛んでいく♂(たぶん)。この♂ではないが,♀に魚を持ってきて両側にいる♀を見ているようだったが,結局,どちらの♀も興味を示さず,諦めて別のところへ飛んでいった♂。さすがに餌をくれれば誰でもいいというわけではないらしい。
■さて,目の前の♀が急に騒ぎ始めた。そこへ♂がやってきて,求愛給餌行動となった。♀は躊躇することなく魚を受け取った。
■やったね!という感じで喜びを表す♂。本来ならこの後交尾をするはずと待っていたが結局1匹では不満なのか,それとも餌を受け取っては見たが,持ってきた本人が気に入らなかったのか,あるいは,近くで人(私)が見ていたので,そうならなかったのか,わからないが,とにかく交尾はしなかった。
■喜びを表現する♂。本当はこの姿勢で♀と交尾するらしい。何となく物足りなそうな♀。近くの別の♀の個体。餌,来ないかなあ,という感じ。
■ハマシギとミユビシギの群れ。夏羽になった個体から,移行個体まで様々だ。
■ハマシギとミユビシギの群れ。オオソリ,チュウシャク,ハマシギ,ミユビシギの飛翔。
■オオソリ,チュウシャク,ハマシギ,ミユビシギの飛翔/オオソリハシシギの♀と♂の夏羽,明らかに♀の嘴が♂より長い/漁船が港に入ると波で防波堤に波しぶきが上がる。ここではよく見られる光景だ。若干逃げ遅れるシギチもいる。こうなったら自分もレンズとカメラを懐に入れて波を背にして通り過ぎるのを待つしかない。
■いったん飛んでまた戻ってきた群れ/防波堤に長く展開し群れ/チュウシャクシギの各個体の下嘴を見ると全部茶色っぽいのから,図鑑通りのものまでいろいろいる。左端の2羽は若い個体のようにも見える。
Copyright(C)2008 Shigenobu Aizawa All Rights reserved.
【場所】鳥の海
【種名】カワウ,コサギ,チュウダイサギ,アオサギ,マガモ,カルガモ,コガモ,スズガモ,ミサゴ,トビ,シロチドリ,ハマシギ,ミユビシギ,キアシシギ,オオソリハシシギ,チュウシャクシギ,ユリカモメ,オオセグロカモメ,ウミネコ,ツバメ,ハクセキレイ,ヒヨドリ,スズメ,ムクドリ,ハシボソガラス,ハシブトガラス(12科25種)
【備考】ゴールデンウィークはどのフィールドに行ってもすばらしい風景と鳥に出会える。鳥の海は越冬していたハマシギやミユビシギの羽衣が次第に冬羽よりも夏羽が優勢になっていく様子がよく観察できる。冬羽を覆うように夏羽がちらちら見えるようになり,次第に全体が夏羽に換わっていく。しかも個体によって早い遅いがあり,年若い第1回夏羽と成鳥でも違う。これもおもしろい。逆に秋には色褪せ擦り切れ気味の夏羽の上に新鮮な冬羽が覆ってくるので,これもなかなか美しいものだ。同じ夏羽といっても氏原氏のハンドブックにあるように「5月頃の夏羽」と「8月頃の夏羽」ではフレッシュさが当然違う。またシギを見ていて不思議に思うのは,夏羽の色が白,黒,黒褐色,茶褐色,赤褐色,バフ色というように,褐色系になっているということだ。決して瑠璃色やエメラルド色の夏羽のシギというのはいない。こんな色のオオソリハシシギやミユビシギがいたら,日本の5月の干潟の風景もまた違ったものになっていることだろう。
閑話休題,コアジサシだが毎年この時期は防波堤の上で求愛の給餌行動をしている。今日は,晴れていて,しかも天気がよかったのでゆっくり堤防の上に座って釣り人に擬態し,近寄ってくるシギチやコアジサシを待つことにした。コアジサシについては各写真のコメントのようであった。今回の観察と関連して,コアジサシの論文ですばらしいのがあったので読ませていただいた。
「コアジサシにおけるつがい外交尾」鳥羽悦男 (1989) 日本鳥学会誌38(2):67-77
【写真】
■防波堤のオオソリハシシギとチュウシャクシギの群れ。オオソリハシシギは♂♀とも夏羽になっているものから,まだ羽軸が目立つ個体まで様々。
■ハマシギとミユビシギのランディング。この日は盛んにエンジン付きパラグライダーが干潟の方まで飛んできていて,堤防の上のシギチが何度も飛んではまた降りるということを繰り返していた。
■堤防に座ってしばらくじっとしていると,♀のコアジサシがのこのこ歩いてこちらへやってきた。3m位の距離で,しきりに餌を欲しがって鳴いていた。5,6m先では♀らしき個体に魚を持ってこない♂がやってきて,交尾を試みようとする風だったが,♀は魚も持ってこないで何するの!という感じで後ろからやってくる♂を相手にしなかった。
■水面に嘴を立てて魚を追い,見事キャッチして飛んでいく♂(たぶん)。この♂ではないが,♀に魚を持ってきて両側にいる♀を見ているようだったが,結局,どちらの♀も興味を示さず,諦めて別のところへ飛んでいった♂。さすがに餌をくれれば誰でもいいというわけではないらしい。
■さて,目の前の♀が急に騒ぎ始めた。そこへ♂がやってきて,求愛給餌行動となった。♀は躊躇することなく魚を受け取った。
■やったね!という感じで喜びを表す♂。本来ならこの後交尾をするはずと待っていたが結局1匹では不満なのか,それとも餌を受け取っては見たが,持ってきた本人が気に入らなかったのか,あるいは,近くで人(私)が見ていたので,そうならなかったのか,わからないが,とにかく交尾はしなかった。
■喜びを表現する♂。本当はこの姿勢で♀と交尾するらしい。何となく物足りなそうな♀。近くの別の♀の個体。餌,来ないかなあ,という感じ。
■ハマシギとミユビシギの群れ。夏羽になった個体から,移行個体まで様々だ。
■ハマシギとミユビシギの群れ。オオソリ,チュウシャク,ハマシギ,ミユビシギの飛翔。
■オオソリ,チュウシャク,ハマシギ,ミユビシギの飛翔/オオソリハシシギの♀と♂の夏羽,明らかに♀の嘴が♂より長い/漁船が港に入ると波で防波堤に波しぶきが上がる。ここではよく見られる光景だ。若干逃げ遅れるシギチもいる。こうなったら自分もレンズとカメラを懐に入れて波を背にして通り過ぎるのを待つしかない。
■いったん飛んでまた戻ってきた群れ/防波堤に長く展開し群れ/チュウシャクシギの各個体の下嘴を見ると全部茶色っぽいのから,図鑑通りのものまでいろいろいる。左端の2羽は若い個体のようにも見える。
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