アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

またろうの作り方: 待つこと、うながすこと(小学二年生)

2009年10月01日 | 高専生活
ベテラン担任の粘り強い指導により、一年生秋ごろには、ある程度まともに? 学校生活が回るようになったまたろうだったが…

二年になるとき、人数が増えてクラスが変わり、担任も変わった。これまでなんとか掴んでいたコツが生きなくなり、またろうの生活はまた、まったく無秩序なものに戻ってしまったらしい。

本人はいついかなるときでもまったりしている(ように見える)のでどう感じているのかわからないが、ぎくしゃくした生活リズムはストレスだったのか、突然すごく白髪が増えてしまった(o_o) 親のじゃない。またろうの。

それでまた、担任の先生とスペシャル個人面談をして、対策の検討。今度の先生は、一年のときほどベテランではないけど、その分、「またろうくんはやればできるのに」路線から一歩進めて、またろうの苦手なところと良いところを把握してより積極的なサポートをしよう、という熱意を持ってくださっているようだ。

とりあえず、先生と親のコミュニケーションを密にして、効果あるサポートにつなげていこうということで、先生の方からの提案で、「連絡帳」が作られた。保育園みたいに。

表紙には先生の字で「またろう君 大いなる一歩一歩」とある。

---「一歩一歩」6月4日 先生から
(お友だちとの様子を書いたあとに)
またろう君の優しさ、大切にしたいですね。こちらはなかなか立ち止まってあげられていません。「優しくしてえらいね」とか言いながら、「はい、では次のこと、早くしようね」とせかしてしまうことが常です。この矛盾、子どもながらに「変だよ」と気づいているんでしょうね。
集団生活のリズムも、もちろん大切ですけど、オールマイティーではないし、「大人が待つ」ということが学校でも当たり前にならなきゃなと思いながらもなかなか。
---「一歩一歩」6月5日 母から
「待つ」は保育園時代ずいぶん先生方につきあっていただいてました。はじめは、大人がまたろうのテンポを尊重してあげることでいつか、またろうがみんなのテンポに合わせてくれるようになるかな? という思惑があったりもしたのですが、そういうこともないまま何年も経ちました。
また、「しかりつける」まで含めてどんな計画も効果はなかったのです。今では、「めりはり追いたて計画」といったらいいか、「ここだけは」というところと、またろうのテンポで過ごせる時間を分けることでなんとか家族生活を成り立たせています。
「またろうテンポ」でいいときはほんとに親子とも楽しく過ごすことができます(^-^)
---「一歩一歩」6月5日 先生から
「待つ」ことに期待をこめてもなかなか待ったわりにみんなのテンポには…ということですね。よくわかります。ただ、みんなのテンポについていっている子(見かけ上)が、自主性が育っているかというと、またそれは別問題ですよね。自主性からいうと、またろうくんはかなり育っているわけで、「待った」ことの効果は少なからず実を結んでいるといえるのではないでしょうか。
その上で「めりはり追いたて」は本人との合意の上で効果を上げていくと思います。
---

---「一歩一歩」6月12日 家から
(公文について)またろうとペーパーワークなんて、まったく水と油に思えますが、実はやることがとてもクリアな分がんばりやすいようです。またろうにとっては公文より「明日の支度」のほうがずっと難しい課題らしい…
---「一歩一歩」6月13日 先生から
その辺は大事なポイントかもしれませんね。気分の問題というより純粋に苦手・難しいという範疇でとらえることも必要かもしれません。
スモールステップの原理にしたがって、大きな課題を小さな具体的なステップに分け、達成しやすいめあてにし、できたことを自己確認しながら次のステップに進んでいくよう、生活上の身辺自立についても整理してやることにしましょう。
今日は、朝学校に着てから始業までのやることを、まず場面をしぼってがんばっていくことで合意しました。
(1) ランドセルの中身を机に入れる。
(2) 宿題・プリント類を提出する。
(3) ランドセルを、ロッカーに片付ける。
(4) 集会に行く準備、または朝次週の準備をする。
(5) 8:30を自分の席で迎える。

* 同じものを教室に掲示しました。
---「一歩一歩」6月14日 家から
学校ではまず「朝」について取り組んでくださるのでしたら、帰りについてはあまりきつく言ったりしないでしばらく流そうかなと思います。
家でも朝の様子のことは気になっていたのですが、把握しようもないので放置していました。
スモールステップですが、一年生のとき「お支度」がどうしても難しいので、チェックリストとして分解したものを作ったことがあります。本人も喜んで、日によってムラがありますがかなり支度状況は改善しました。しかしなかなかリストなしでできるようにならなかったのですが。毎日同じようなものなのに??
今はリストなしでやっています。抜けまくりですが(鉛筆削ってないとか)本人が必然性を感じないのをリストでしばることのむなしさに疲れてそのまま…でも一年前に比べるとずいぶんちゃんと(というには無理があるけど)できるようになりました。
---「一歩一歩」6月14日 先生から
リストは、ノルマになると本人も周囲もつらいものになりますよね。もちろんできるようにするための手法であることにはちがいないのですが。
朝の流れを貼っておいたのは、徹底をはかるためのものではなく、あくまで流れをいつでも意識しやすくするための補助手段にすぎません。
ノルマは結局、本人の自尊心を傷つけることにしかなりませんし、
「君は、これをやらないとできないんだよ」というメッセージが本人に届いて、よけいに自信をなくさせます。だから、その通りできなくても責めないという前提をしっかりもちたいと思います。
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…こんなに「対話力」のある先生は滅多にいるもんじゃないと思う。こうやって「一歩一歩」、また生活リズムを作り上げていって、しばらく経つとまたろうの白髪はおさまり、いつの間にかなくなった。

今日の話は、私のハンドルネーム「アンダンテ」の誕生秘話である。
コメント (12)
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