アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

ベーゼンを鳴らすコンサート

2009年10月20日 | ピアノ
先日、ピアノの先生のコンサートに行ってきた。今回のは、バイオリンとのデュオ・コンサートなのでなお好都合。

会場は、雰囲気のある建物に突然、あ、ホールもあるの、という感じで、200席くらいのこじんまりしたところ。ピアノは…おぉ、ベーゼンドルファーですね!!

私が習っているピアノの先生は、特に大きいほうの音に自信を持っているタイプ(「どこまで叩いてもきたなくしない自信がある」とかいってたような)。その先生の、大学のときの先生のコンサートを聞きにいったことがあるけど、これが真逆で、限界まで小~さな音の美しさに自信を持っているというタイプで、なんでこんなことになってるんだ(o_o)?? と驚いた。

そのときのピアノがベヒシュタインで、ほんとにピアノと演奏が合っていた。そういえばあれを見て、ベヒシュタインってすごい!! って知ったんだよなぁ。そのあと、楽器屋で試弾してみたベヒシュタインはまたぜんぜん違う印象だったが(弾く人が違うので-笑-当たり前)、それからいろんなピアノの違いというものに興味を持つようになったのだった。

最初の曲はブラームスのバイオリンソナタ第二番。曲自体は私の携帯プレーヤーにも入っていて聞きなれているものなのだが、それが目の前の生の動きから出てくるところを見るととても楽しい。弓の柔軟な動きからものすごく多彩な音色が出てくるので目が釘付け。

この方は目でみてわかるほど「駒寄り」「指板寄り」を弾き分けている。どういうときにどっち側に寄るかも明確な意図があるようである。例えば、五島龍のDVDを見たところ、あまりそうではなかったので、人によるのだろう。

二曲目は、ピアノ独奏になって、ベートーベンの熱情。蓋をフルオープンにしたベーゼンは鳴る鳴る(^^;; リミッターが外れたらしい先生は、ほんとに気持ちよく弾きまくって、すごい迫力。弾き終わって休憩に入るとき、他のお客さんの反応も「堪能した~」「腹いっぱい聞いた~」という感じだった。

あとで聞いたところによると、先生がコンサートでベーゼンドルファーのピアノを弾いたのはこれが三回目だけれど、今回のが一番「ベーゼンらしいベーゼン」だったとか。

つまり、今回のピアノは状態もよく、とてもよく「鳴る」のだけれども、その鳴り方は、例えばスタインウェイのようなピアノと違って、細かくコントロールが効かない。音量も大・中・小くらいであんまり細かく違いを出せない(?)

コントロールしようとするより、勝手に歌わせる(?)ほうがよい感じになるという。ま、先生の説明いまいちよくわからないんだけど、要するに、ピアノの個性を楽しみつつ気持ちよく弾けたということだろう。

あと、ペダルをいつもどおりに踏むとぐわんぐわんになってしまうので、場所によってはなしにしたり、「指ペダル(*)」を使ったりして調節しなければいけないんだとか。「鳴らしてみて弾き方を変えなきゃいけないのよね。それくらいベーゼンらしいベーゼンだったのよ」といいつつなんかうれしそうな先生である。
(* 例えば「ドミソ」と弾くときに、「ド」の指を押さえたまま「ミソ」を弾くことで、ペダルを踏んだときとちょっと似ていてちょっと違う響きが作れることをいうらしい)

休憩をはさんでピアノ独奏いくつか、そして最後はまたデュオでピアソラのグラン・タンゴ。かっこよかった!!

いいコンサートだったと思うけど、空席が目立ったのはもったいない。私も、平日のコンサートだけに直前までいくかどうか迷ったし、友だちも誘いにくかったからなぁ。一部の有名な人はともかく、コンサートの客席を埋めるのは容易なことではない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする