アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

暗譜しない発表会

2010年04月03日 | ピアノ
間が空いてしまったけど、大人の発表会の話の続き。

   にほんブログ村 クラシックブログ ピアノへ←本番で「事故」を起こさないためには!?

私の次の演奏は、年配の…というかかなり高齢の男性だった。足元がやや不安なくらい。でも、弾き始めると、これがすごくいいの!!(o_o) 曲目は、ショパンの雨だれ。聞き飽きるくらいメジャーな曲だけど、じっくりとこの方の味があって、とても表現豊かな演奏。あとで集合写真を撮るときに、ほかの人と話しているのが聞こえたんだけど、ピアノを始めて10年くらい経つそう。お仕事を引退されてから始めたのかしら。それでここまで弾けるようになるのは、とてもすばらしいと思う。

続く曲目も有名どころが並び、「エリーゼのために」「渚のアデリーヌ」ショパンのワルツOp.64-2あたり、それぞれ緊張は伝わってくるんだけど、自分なりのやりたいことというのがあって、しっかりした楽しめる演奏。

知らなかった曲としては、ソプラノの人が歌った「リリウム」というのがあった。ご本人コメントによれば、ほんとの宗教曲ではないけど、それっぽいところが気に入っているとのこと。印象的な曲で、とてもきれい。

そんな調子で、大人の発表会ならではの演目が並び、「みんな自分の好きなようにやっている」(^^) 音楽って楽しむものだよね、という感じだった。とても。

だけど、発表会後半は、大崩れして非常にスリリングなものもあり、ちょっと考えさせられた部分があったので、譜面を置いての演奏について書いてみる。

ふだんの発表会だと、たいていの人が暗譜で弾く中、私だけ譜面台をつけてもらうことになるんだけど、この発表会では逆に、ほとんどの人が見て弾いていた。ざっと見たところ、若いころからばりばり弾いていたような人はあまりいない模様で、私と同様、長いブランクを経てようやくピアノを弾き始め、だいたい欲張った曲を弾くもんだし、暗譜で弾くという訓練はどっかに置き忘れてきてしまっているのだ。

無理に暗譜で弾いて、舞台上で迷走されても、聞くほうとしてはなかなか居心地の悪いことになるわけだし、これはこれでいいと思う(←開き直り)。長い曲になると、譜めくりというのもなかなかうっとおしい問題になるのだが、今回のフォーレのノクターンは片手になるところで一回めくれば済むようになんとかまとめられた。ほかの人も譜めくりはつけずにやっていた。

バイオリンとビオラのための二重奏(モーツァルト)を弾いた人は、先生と自分の楽譜にお揃いの表紙をつけていて、色画用紙に花を切って貼ってあって凝っていた。ピアノと違って、弾いてる間にお客様に表紙が見えるわけだからね。なるほど。

さて、しかしブランクの長い大人が、暗譜に自信がないからといって楽譜を置いても、それでばっちりかというとそうともいえない。半端に暗譜しているところとそうでないところがまだらに混ざると、楽譜上で自分の位置を見失って迷子になるということも考えられるし、頭真っ白事件が起きてしまったときは、複雑な和音なんて瞬時に読み取れるもんではなかったりして、楽譜に必死にかじりつきながら結局和音をつかめなかったりということもないではない。

ちょうどそんな感じで今回、大迷走事件になってしまったのはちょうど私が発表会で弾いたことのある曲で、和音が難しいのはわかるし、真っ白具合も他人事でなくよくわかる。「…あーそこじゃない…行け、行け…いや、ベース音は合ってたから先に進めちゃったほうが…あーそれじゃなくって!!」という調子で心臓に悪いことはなはだしい。

結局、時間からいって、二倍超はゆうにかかっただろうか。楽譜があるのでループしたわけじゃない。ひたすら、和音を探したり止まったりするのにかかった時間である。

私もガチガチ系なので人のことはまったく言えた義理じゃないけれど、こういったことにも経験というのはあるもので、場数を踏んだ分、崩壊しない範囲で踏みとどまるためのいろんな工夫というのは徐々に身についてきたように思う。

まず、自分が緊張したときの状態の癖…私の場合、まず手がこわばって動かなくなる。いつもの感触でキーにあたらないため、不自由というか、感触と音のフィードバック(ぶっちゃけ外しまくった音のこと)が合わないためにさらにパニック度が増して、ひどくなると頭も真っ白になるという流れになっている。

だから、手の感触でなんとなく弾くのは最悪で、まったくあてにならない。ン十年のブランクを経て、最初に出た発表会のときはそんな具合に大崩壊した(-_-;;

それから徐々に、自分の緊張の仕方の癖を考えたりするのと並行して、事前の準備についても工夫をするようになった。超ゆっくり弾いて和音の進行を耳でよく確かめる、ベース音だけ取り出して弾いてみる、曲の構成を考えて「ブロック」で意識してみるなど、自分のできる限り多方面から掴まえておくのがどうもよさそうだ。

もっとレベルの高い人はピアノを離れたおさらいを活用しているようだ(亀さんの「本番前の暗譜儀式」)が、私にはこれは今のところほとんどできない。

ぶた子さんの「事故遭遇率の高い曲」を読んでも、分解したり多方面から把握しにくいバッハのほうが事故率が高かったのかなと推測される。こりゃ大テーマだな。またいつか考えてみよう。

さて、この発表会のトリを務めたのは、名前に見覚えがあってもしやと思ったが、やはり去年の大人の発表会に出ていた「男の子」。たぶん去年が中学生で今年高校生になったのか?(←制服が違うから) 去年はすねて抵抗して親に引きずられるように(笑)参加していたのが、ぐっと落ち着きがでて、ピアノの音色にも芯ができて、とてもいい感じ。今年の曲目は、月光の第三楽章で、去年のバラ1より合ってるし迷子になりにくいということもあるんだけど、最後に気持ちよくファツィオリを鳴らしてばっちり締めてくれましたよ。若々しい、荒い演奏なんだけど、勢いがあって楽しいの。かわいい~(^-^)

にほんブログ村 ピアノ  ←ぽちっと応援お願いします
にほんブログ村 ヴァイオリン ←こちらでも
にほんブログ村 中高一貫教育

【中学受験】 こじろうインデックス
【高校受験】 またろうインデックス
ピアノ・インデックス

今日の弁当:
土曜日だけど塾弁が必要。ごはん炊いてなかったし…パンの在庫がだぶつき気味だし…
で、甘くないフレンチトーストにコンビーフポテトをはさんだサンドと、枝豆とプチトマト。写真には写ってないけどいちごもつきます。


はなひめが昨日覚えた都道府県:
九州地方ワンセット
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする