「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

       「太平洋戦争」では英霊は浮かばれない

2011-02-01 07:37:12 | Weblog
昨日朝刊に挟まれて「太平洋戦争」と大書したDVDの新聞4ページ広告が入ってきた。戦争を知らない世代が大半になった日本人に対して過去の戦争を、こうした記録として残すことは意義あることだ。が、正しく伝えるならば、何故、標題を「太平洋戦争」ではなく「大東亜戦争」にしなかったのだろうか?

DVD総合監修の半藤一利氏は、僕と同年齢同学年で同じような昭和の激動に時代を生きてきた。当然お解りだが「太平洋戦争」という呼称は、戦後GHQ(連合軍司令部)の命令によって押し付けられたものだ。広告によると、このDVDに収められている記録は昭和6年の「満州事変」から終戦の「玉音放送」までである。内容からいえば、標題は「大東亜戦争」のほうが正しい。

半藤氏も先刻ご存じだが、昭和16年12月12日,米英に宣戦を布告した直後の当時の東條内閣は閣議で”この戦争を「大東亜戦争」と呼び、重ねて「支那事変」まで含む”と決定している。

「太平洋戦争」とは米国からみた呼び方だが、実際の戦争は中国大陸でもあったし、遠くインド洋上のベンガル海戦もあった。さらにコロンボ(現在のスリランカの首都)空襲もあった。また豪州のシドニーまで攻撃している。

多少”重箱のスミ”的にもなるが、広告の記載にも誤りがある。「太平洋戦争は12月8日真珠湾攻撃で開始された”とあるが時間的経過から行けば、マレー半島のコタバル敵前上陸のほうが30分以上も早い。この敵前上陸では第18師団の将兵320名が戦死されている。英霊は「太平洋戦争」のために戦ったのではなく、東洋平和のための「大東亜戦争」のために散華されている。