「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          ”鯨戦争”をうやむやにするな

2011-02-20 07:52:51 | Weblog
渋谷109ビルの横に鯨料理専門の「元祖くじら屋」がある。昭和25年開業の老舗だ。このあたりにまだ「恋文横町」があり、進駐軍の兵隊が"オンりー”の女性を連れてウロウロしていた頃からあった。その当時、鯨肉は日本人にとって貴重な蛋白源で、僕ら安サラリーマンにとって、そのベーコンはブドウ割焼酎の唯一のツマミであり、鯨肉の立田巻は学校給食の定番だった。

昨夜、僕は久しぶりで80歳を越えた昔の酒友2人と「くじら屋」の近くで軽く飲んだ。南極海での調査捕鯨が反捕鯨団体シー・シェパード(SS)の無法な妨害行動で、今年は中止せざるをえなくなったことに、まだ血の気の多い三人とも怒っている。本来は鯨料理を食べてその流飲をはらしたかったが、懐不如意の僕らは、商業捕鯨中止いらい贅沢化してきた鯨料理を避けて安いサカナを食べた。

調査捕鯨は国際条約による、合法なものである。これに対して(SS)は数年前から執拗に妨害行動に出て、たしかに鹿野・農林水産相のいうように調査船、乗組員の生命は危ないし、調査捕鯨本来の目的も達せられていないようだ。それは僕らも十分理解できるのだが、民主党政権になってからの尖閣問題などの下手な弱腰ともみれる外交政策があるだけに、そちらへの怒りのほうが大きい。

欧米では日本に勝利した日を「VJ-day」と呼ぶが、シー・シェパードのHPは、日本が調査捕鯨を中止した2月18日を「VSU-day」(南極海で鯨が勝利した日)とし、だいだい的に祝っている。そして日本が調査捕鯨を再開すれば、すぐ活動を始めると脅しまでついている。日本側は、ただ今年の調査を中止するだけなのかはっきりしない。SSの同じHPにはオランダの「宝くじ振興会」みたいな団体が100万ユーロー(約1億1千万円)をSSに寄付した、とあった。SSを支援する国に対してもしかるべき抗議をしなければならない。
中止するだけでは、国際的になめられるだけだ。